3.オリエントまとめ(2) | ワセモン高校のブログ

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 セム系3民族の活躍(地中海東岸)

ヒッタイト滅亡、エジプト弱体化に伴い新興勢力が台頭する。文明と文明をつなぐ役割。

アルファベットや、キリスト教・イスラム教などの世界宗教誕生の地となりその後の文明に大きな影響を与えた。

東地中海世界の新しい動き

1500年頃、カナーン人の活動  

13世紀 海の民の活動…民族系統不明

→エジプト新王国は衰退、ヒッタイトは滅亡→セム系の3民族が活動開始

アラム人 

1200年頃から 都:ダマスクス(現シリア)内陸交易で活躍

アラム語がオリエント共通語(アラム文字

突厥文字…遊牧民初の文字→ソグド文字→ウイグル文字→モンゴル文字)

フェニキア人 

15世紀に地中海東岸のウガリットが栄えるが、海の民によって滅ぼされる

都:シドン・ティルス 地中海交易

ティルスを母市に植民市カルタゴを建設 フェニキア文字→アルファベット

カルタゴ…「地中海の女王」と呼ばれ、地中海交易を支配。後にローマ帝国と抗争し、崩壊。

ヘブライ人 

始祖アブラハム、唯一神ヤハウェの啓示を受けパレスチナへ移住→イサク→ヤコブ(イスラエルに改名)→ヨセフなど12の子どもが12部族形成、一部エジプトへ移住、その後奴隷民族となる

13世紀モーセ出エジプトを指導 シナイ山で「十戒」を授かる

1000年ころ、ヘブライ王国 サウル・ダヴィデ・ソロモン王

(ソロモン王死後、前922年頃南北分裂)

北:イスラエル(都サマリア)…前722 アッシリアによって滅亡

南:ユダ(都イェルサレム)…前586年 新バビロニアネブカドネザル2世

 「バビロン捕囚」→アケメネス朝がバビロンを占領し、ユダヤ人開放される

ユダヤ教の確立 『旧約聖書』を聖典

        一神教・選民思想と救世主(メシア)待望・律法主義

 アッシリアの統一 他民族に対して強圧的な支配

  前15世紀ミタンニに服属→前8世紀、鉄製の武器と戦車を用い有力に

  サルゴン2世 イスラエル征服、アナトリア、バビロニアを平定

  アッシュール=バニパル(前668~前627)最大版図を実現

   都:ニネヴェ(当初はアッシュール) 王立の大図書館の建設

   大量の粘土板が出土したことでオリエントの歴史研究が進む。この時代の研究はアッシリア学と呼ばれた。

  最初の世界帝国としてオリエント全土を支配、多数の民族を支配したが、

強制移住、強制労働などで諸民族の反発を招き短命

 四国分立 前612年アッシリア滅亡

  エジプト

  メディア…(イラン地方)

支配下のペルシア人からアメケネス朝が勃興する

  リディア…都:サルデス

       世界最古の鋳造貨幣

  新バビロニア…都:バビロン

         ネブカドネザル2世 「バビロン捕囚」(前586)

                   ユダ王国を滅ぼし、民衆を捕囚

 アケメネス朝ペルシア(前550~前330)

キュロス2世…建国

カンビュセス2世…エジプト倒しオリエント統一

ダレイオス1世…最盛期を実現

(ベヒストゥーン碑文 ダレイオスの業績

…ローリンソンが解読)

新都:ペルセポリス造営(宗教行事) 都:スサ(政治の中心)

他民族に寛容、ユダヤ教容認

全土を20の州に分け、サトラップ(知事)を派遣

監察官「王の目」「王の耳」による監視 「王の道」整備(スサ~サルデスまで)

ペルシア戦争(VSギリシアのポリス)に敗北

※この広大な帝国の北部には、「スキタイ」と呼ばれた強大な遊牧騎馬民族がいたことを見逃せない。

ペルシア文化

・楔形文字を表音化してペルシア文字、ペルシア語

・ゾロアスター教  前76世紀頃、ゾロアスターが創始

善の最高神アフラ=マズダと暗黒神アーリマンの対立を軸とする善悪二元論に基づく

  最後の審判(世の終わりに善が勝利し、悪が裁きを受ける。)

思想がユダヤ教・キリスト教の終末思想に影響を与えた。

  教典は『アヴェスター』  中国では拝火教(祆教)

・ミトラ神信仰  インド・イラン期限の神秘教団