1 人類の進化
先史時代=人類が出現してから文字を発明して記録を残すまで人類の歴史の99%を占める
・人類=直立二足歩行する→脳容積が増大して手が解放された
→道具・火の使用+言語の使用→文化の形成
■化石人類に見る人類の進化■
(1)猿人 約700万年前のアフリカに出現
アウストラロピテクス=「南の猿」の意味、タンザニアのオルドヴァイ渓谷で発見
・打製石器を使用 ・単純な狩猟採集生活
(2)原人 地質年代の更新世(洪積世)中期 約240万年前
①ホモ=ハビリス タンザニアで発見された猿人と原人の中間と考えられる
(長らく猿人と考えられていたが、近年原人と断定される説も浮上しており、原人の年代が一気に遡ることになった)
②ホモ=エレクトゥス…ユーラシア大陸に広く分布
ジャワ原人 インドネシア・ジャワ島のトリニール 脳容積900cc
北京原人 北京郊外の周口店で発見された。脳容積が約1000ccに増大。
ハイデルベルク人(ドイツ)
・火、言語やハンドアックス使用した
(3)旧人 更新世後期のはじめこと 約60万年前
ネアンデルタール人 ドイツのライン川下流で発見 脳容積は現代人と同じ
・剥片石器を利用、毛皮をまとい、洞穴住居に住む
・埋葬の習慣を持つ=宗教的観念の発生
(4)新人(現生人類:ホモ=サピエンス…知恵ある人の意味)約20万年前
①クロマニヨン人 南フランスのクロマニヨン洞窟で鉄道工事中に発見
②周口店洞人 北京原人の上層から出土
③グリマルディ人 イタリア
・骨角器を使用
・洞穴絵画 スペインのアルタミラ フランスのラスコーが有名
・女性裸像 「石のビーナス」といわれる
新人がアフリカ大陸からユーラシア大陸、南北アメリカ大陸など地球全域に拡散。ここまでの人類の文化段階=旧石器時代
…打製石器を主要な道具として用い、狩猟採集を主とした獲得経済
2 農耕・牧畜の開始と国家の誕生
・約1万年前、地球上の環境の変化=氷河期の終わりにともなう温暖化
→地球上の各地で、現生人類が新たな環境にそれぞれ適応していった。
■農耕・牧畜の開始■
約9000年前、西アジアで初めて開始された
=農業革命…獲得経済から生産経済へ移行
・磨製石器(石斧、石臼、石皿など)、土器出現
…穀物の栽培と保存、調理に用いられる。他に、織物が作られ、竪穴住居が出現するなどの変化。この新しい段階を新石器文化という。
※磨製石器・土器を使用した農耕・牧畜という生産経済の時代
初期農法:雨水に頼る乾地農法(略奪農法…肥料無し)
まだ移動性が強いが、日干し煉瓦による住居も登場
・最古の農耕遺跡…定住が確認された
イェリコ遺跡(ヨルダン)
ジャルモ遺跡(イラク)
■文明の誕生■ 前5000年~前3000年ごろ
灌漑農業…メソポタミア地方のティグリス・ユーフラテス川流域に始まる
ダム、水路、堤防など人工的な治水工事を伴う
食料供給力の増加
→余剰人口による分業体制の成立
→支配する者・支配される者(=社会階層の成立)
→生産する農村(農民)と、消費(税を徴収)する都市の成立
→余剰生産物(富)を守る戦士、その指揮官としての王の誕生
・平民や奴隷を支配する階級社会の成立
・金属器の使用。青銅器→鉄器の使用
→税を記録する神官と、記録する文字の発明(=歴史時代のはじまり)
■人類の分離類■
人種…身体的特徴で分類 コーカソイド(白色人種)モンゴロイド(黄色人種)
ネグロイド(黒人人種)
民族=言語・宗教・社会的慣習など文化的特徴で分類(日本民族、漢民族…)
語族=言語の類似を系統的に分類したもの