【新歓企画】早スポ柱対談 第4回 濵嶋彩加×近藤翔太×西川龍佑 | 早スポオフィシャルブログ

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早稲田大学でスポーツ新聞を製作する「早稲田スポーツ新聞会」、通称早スポの公式ブログです。創刊から64年を迎え、600号も発行。ブログでは取材の裏話、新聞制作の秘話、現役大学生記者の苦悩を掲載‥これを読めば早スポ通になれる!

 第4回に登場するのは、編集長の濵嶋彩加(社3=東京・早実)、野球チーフの近藤翔太(商3=東京・早大学院)、ラグビーチーフの西川龍佑(人3=東京・早実)の3人です!編集長と、早大のメジャー競技チーフを務めるお二人の、早スポの顔とも言える3人の対談は内容盛りだくさんになっております。これを読めば早スポのことも丸わかりです!

 

※この取材は4月5日に行われたものです。

 

「早スポの同期は、家族みたいな存在です」(濵嶋)

 

春季リーグ戦初戦で得点を喜び合う早大女子ホッケー部の選手たち

 

ーーそれぞれ他己紹介をお願いします

近藤 濵嶋彩加さんです。編集長をやっています。昨年も新歓チーフをやっていたということで、今までもこれからも早スポ65期の顔として頑張ってくれている方です。濵嶋は求心力があるタイプだと僕は思っていて、周りを巻き込んで物事を進めることがすごくうまいなと思っています。

濵嶋 西川龍佑くんです。ラグビーチーフを今年やってくれています。私の求心力で(笑)。2年生から早スポに入ってくれて、今はA群の大チーフということで、今年1年頑張ってもらいたいと思っています。西川くんとは中学校から一緒なので気心知れた仲です。

西川 頑張ります。近藤翔太くんです。野球班チーフで高身長、イケメン、高学歴ですごく頼り甲斐があって大好きです。

濵嶋 ちなみに3人とも内部出身です。内部トリオで。

 

ーー早スポに入った経緯を教えてください

濵嶋 高校1年生の時に、野球の早慶戦で紙面をもらって初めて早スポのことを知りました。そこから早実(早稲田実業高校)だったので、早稲田に行くことは決まっていて、サークルをどうしようかなと悩んだ時に野球を見ることが好きだったので、早スポに入って野球に限らずいろいろな競技を知れたらなと思って、入学前から早スポに入ることは決めていました。

近藤 もともと野球やっていたので、スポーツ系のサークルに入ろうかなと思って探していて、早スポの新歓にも行ったんですが、他にやりたいことがあったので4月のタイミングでは入りませんでした。でも64期(4年生)の髙田さん(髙田凜太郎、商4=東京・三鷹中教校)の熱量がすごくて、それでいいなと思ったので途中入会というかたちでしたが、入りました。

西川 さっきも少し言っていたんですが、濵嶋から2年生の始まる前くらいに誘われて入りました。俺は大学1年生の時には、結構フラフラしていて何もやっていなかったんですけど、元々ラグビーやっていて、ラグビー班に人手が足りないということで、濵嶋から「手伝わない?」みたいな感じで誘われたんですが、どうやらその時すでに俺をラグビー班チーフに仕立て上げようという計画はあったみたいで。そんなこんなで陰謀に乗せられて入ったという感じです(笑)。

 

ーー早スポで初めて参加した取材はなんですか

濵嶋 バスケの早慶戦が初めてで、女子バスケの記事を書きました。バスケは見たことは何回かあったのですが、あまりルールも分からないし、見たことも久しぶりだったのに急に記事を書いたんですけど、先輩が優しかったのでなんとか書きましたが、一晩かかりました。体験取材だと思って応募したものが体験取材ではなくて記事を書いたことが印象に残っています。

西川 上井草にラグビーの取材に行ったのが最初です。多分その時、前のチーフと前の前のチーフがいてカメラをやりました。そのくらいの記憶しかないです。

近藤 秋の野球のリーグ戦(東京六大学リーグ戦)の明大2回戦だった記憶があります。その時は観戦だったのですが、途中入会したということで馴染めるか不安だったんですが、先輩とかも優しくしてくださった印象があります。初めて取材したのは、競走部の10月の早大競技会(早稲田大学競技会)です。ちゃんとした取材に初めて行ったのに夜の所沢で、めちゃくちゃ雨に降られて写真がめちゃくちゃだったという記憶があります。

 

ーー早スポの先輩との関わりで何か思い出があったら教えてください

近藤 僕は矢彦沢さん(矢彦沢壮真、文4=長野・松本深志) とは一昨年の女子ソフトボール部のチーフということもあって、仲良くさせてもらっています。プライベートでも一緒にご飯行ったりとか、家も近所なので近くの銭湯に行ったりとか、そういう関わりがあって仲良くさせてもらっています。すごく良い先輩だなと思います。あとは、昨年の野球チーフの田中駿祐さん(文構4=東京・三鷹中教校)は、(僕が)早い段階で野球チーフになることが決まっていた感じだったので、紙面や写真、記事などの野球チーフになるためのいろはみたいなことを教えてもらったので、すごく良い先輩だなって思います。

濵嶋 私はラグビー班にずっと関わっていて、ラグビーって遠征がすごく多くて関東の学校同士で戦うのに新潟や名古屋、岐阜とか本当にいろいろな所に行くことがあって。一昨年のラグビーチーフの谷口花さん(令6教卒)と昨年のラグビーチーフの川上璃々さん(教4=新潟・長岡)とは本当に仲良くさせてもらって、遠征に夜行バスや新幹線で行っていろいろ大変なこともあったんですが、遠征で仲良くなれたかなって思っています。

西川 憧れの先輩と言ったら64期ラグビーチーフの川上璃々さんですね。なんなんですかね、あの人のパワフルな感じは。輝いているんですよ。ラグビーの早慶号の面担をやった時も璃々さんの面を参考にして、色使いもすごいんですよね。黒とピンクと白と、ギャルやん、みたいな。それを見てなんでもやってもいいんだなという感じで、マインドの部分とかも参考にしていますし、今でもなんかあったらなんでも聞くみたいな感じですね。

 

ーー2年生の時のチーフについて教えてください

近藤 女子ソフトボールをやっていました。マイナーチーフということもあると思いますが、女子ソフトボール部の部員さんとは、すごく距離が近くていつも取材に行くと「記事読んでます」と言ってもらえます。あと部員の親御さんもすごく記事を読んでいて、僕が少し記事でミスをしていると「ここ間違えているよ」と言ってくれるくらいめちゃくちゃ読み込んでくれているので、すごく良い部活だなと思っています。全日本インカレ(全日本大学選手権)が4年生が引退する試合で、4年生の親御さんからありがとうございましたと言って、手土産をいただいた時にはやっていてよかったなと思いました。

濵嶋 私は明治ラグビーチーフに就いていたのですが、それは明治への愛が深まるチーフなので(笑)。もうひとつ新歓チーフをやっていたのでその思い出としては、新歓期まで65期(3年生)はあまり集まることがなくて、その活動を通して65期が仲良くなれたということはあるので、新歓チーフをやっていろいろな部署のチーフと顔を合わせて、65期の絆が深められたことが良かったなと思います。

西川 ジュニアラグビーチーフをやっていました。どうやらラグビーチーフになる前にやるチーフらしいです。僕は内部生なのでラグビー部にも友達がたくさんいて、ジュニアの試合には内部の同期などが結構出ているので高校の同期の選手の試合がたくさん見れて、写真を撮ったりインタビューをしたりすることができたのはすごく楽しかったです。

 

ーー早スポの活動で一番楽しかったことはなんですか

濵嶋 ラグビー班は夏に菅平合宿があるんですけど、虫と戦った夜が楽しかったかな(笑)。65期は西川と主務の権ちゃん(権藤彩乃、文3=神奈川・希望ヶ丘)の3人で一緒に行ったんですけど、ログハウスみたいな宿に大きな虫が夜出て、戦った夜が思い出です。

西川 ラグビー早慶戦号の校了飲みが楽しかったです。校了飲みっていうのは、入稿が終わった後に打ち上げをする食事会なんですが、初めてだったというのもありましたし、いろいろハプニングとかもあって思い出深く印象に残っています。なんかすごく楽しかったんですよね。終わった後に帰り道で「楽しかったなあ」って思うくらい楽しかったのでそれが一番だと思います。

近藤 イベントとかを出した2人とは逆張りするんですが、日常が楽しいです。普通に話している時にスポーツの話ができることや一緒に紙面を作りながら「こうでもない、ああでもない」って話している時間が楽しいと思いますし、後から振り返っても良かったなって思います。

濵嶋 それは3人の総意ということでお願いします(笑)。

 

「最後の最後に笑って終われるようにしたい」(近藤)

 

秋季早慶1回戦でサヨナラ勝利を収め喜ぶ選手たち

 

ーー早スポの魅力や早スポに入ってよかったことを教えてください

濵嶋 えー、沢山あるな。やっぱりスポーツ好きの友達がたくさんできることですね。(早スポの中なら)スポーツ好きの友達は当たり前にできるけれど、他の友達には「どうやってスポーツ好きの子と友達になれたの」とか聞かれることが多いので、早スポの環境って当たり前じゃないなと思っています。他の魅力は早スポに入らないと見ない競技を見ることができることだと思います。それこそ私が初めて記事を書いたのは女子バスケでしたが、早スポに入らなければルールを知ろうとは思わなかったですし、そこまで詳しく知ろうとも思わなかったので。早スポに入らないと出会わなかった競技があるというのは魅力かなと思います。

近藤 2つあるんですけど、1つ目は尊敬できる仲間が同期や先輩、後輩関わらずできるというところです。例えば濵嶋だったら、さっき言ったように求心力があるところだったり、西川だったら2入(2年入会)でここまでやれてる人なんてなかなかいないし。ここまでの情熱を持ってできているところはすごいことかなと思います。他にもデータが好きな人、写真がうまい人、紙面のレイアウトがうまい人、いっぱいいますし、そういう自分にないものを持っている人と出会える、刺激をもらえるというところは大きな魅力かなと思います。2つ目は普段大学生活を過ごしているだけでは関われない人と関われるというところです。競技チーフをしていると部活の内部まで知ることができます。本当に選手一人一人が尊敬できる方ばかりですし、朝早くから部活のことを考えて4年間、勝つことだけがすべてではないとは思いますけど、自分のやりたいことに打ち込んでいる選手を近くで取材できるということは貴重な経験なので。あとはやっぱりプロに行く選手に取材できるというところも大きな魅力ですね。

西川 僕からも2つ。1つは、こういう機会でもそうなんですけど、褒められる、認められるとやっぱりうれしいことです。卒業記念特集で書いた記事を先輩の璃々さんに褒められたりとか、選手から「記事読みました。家族も読んで、喜んでくれました。」というメッセージが来たりとか。その記事は後輩が書いた記事で、僕の所に連絡がきただけなんですけど、良かったと思えたりとか、達成感を感じられて良いですね。もう1つはスポーツへの関わり方を考えさせられるということです。僕は高校までラグビーやってたんですけど、高校でラグビーは辞めてしまって。(大学では)ラグビーは好きだけど、あまり関わらずに生きて来ました。その時、早スポの存在は全然知らなくて、濵嶋から勧められて初めて知って。始めてみたら面白かったし、スポーツを辞めた人、できない人でも一つの関わり方として(早スポが)あるのは良いことかなって思います。

 

ーーみなさんは新聞制作に関わることが多いかと思いますが、新聞制作の魅力を教えてください

西川 ラグビー号についてしか知らないけど、入稿期間の独特の空気は好きではあります。みんな真剣だからこそ、対立とかも生まれるし。なかなかそういう事は無いですし。東日の環境はすごく良いですし、僕たちのいる環境はとても魅力的だなと思います。

近藤 紙面に自分の個性を出せるというところが魅力かなと思います。同じ取材をして、写真があって、記事があったとしても、最後面作りに落とし込んだときに、(作り手によって)絶対に違う部分はありますし。昨年の面作りと今年の面作りは、やっぱり明らかに色使いだったり、レイアウトの部分に違いがあるので、そこは65期の個性だと思うので。自分を出せるってことは大きな魅力ですね。野球号というところだと、規模が大きいので、紙面製作を通して仲良くなれるというところは一つ良い所なのかなって思います。

濵嶋 昨年までは担当競技であるラグビーの2号の早慶戦号と早明戦号しか関わっていなかったんですけど、編集長になって毎号関わったことで、号によって雰囲気が違うなと。近藤が言っていたカラーが皆出せているのが分かるし、東日が少しずつみんなの交流の場になれば良いなと思っています。今までは面担の人(新聞のレイアウトをする人)が頑張ってというのがあったけど、今年はレイアウトを1人で考えるっていうよりも、もちろん個性を出しつつ、周りの意見やみんなの意見を集約して作っているので、より良い物ができていくのかと思います。そういうところに紙面制作の魅力があるなと思います。

 

ーー早スポでの役職を教えてください

近藤 野球チーフです。

西川 ラグビーチーフです。

濵嶋 編集長です。

 

ーー編集長や今のチーフに就いた理由や、なろうと思ったきっかけを教えてください

西川 僕はさっき言った通り2入なんですけど、ラグビーチーフになるために2入してきたので、あんまり選択肢とかもなかったので、チーフになるか飛ぶかって感じでしたね。全部濵嶋編集長の掌の上でした。

濵嶋 それだけ見込んでいたっていう。

西川 ものは言いようですね。

近藤 僕も野球チーフだよねって先輩から言われていましたし、僕自身も早スポに入った時からやるんだったら野球チーフしかないかなと思っていたので実質一択でしたね。それ以外の競技チーフをやろうとは思わなかったです。かといって編集長とかの運営に関わる役職に就こうとも考えていなかったので、野球チーフ一択でした。

濵嶋 私も一択だったな。競技としてはラグビーにたくさん関わっていたけれど、競技チーフじゃない編集長とか副編集長とか、そういう役職じゃないと味わえない経験とかもあって。早スポの中で最上級生として1年やっていく時に、編集長としてこれまでの2年間とまた違う経験をしたいなというのがあったので、ならせていただきました。編集長は「長」ってつくから、上に立ってるみたいな感じに思われるかもしれないですけど、私は下から皆を支えられるような、間と間に立って隙間を埋めたいなと思って編集長をやっています。

 

――野球、ラグビーとA群競技のチーフ、また早スポの顔の編集長として活動される時どういったところにやりがいがありますか

濵嶋 今ちょっと話したんですけど、競技チーフと違って編集長はOBだったりとか、稲門体育会の人とか、企業の人とか、いろいろな人と関わりがあります。そういった時に良い面だけじゃないアドバイスをもらったりとか、意見を聞けることがあるので、まだまだ期待してくれているんだなと。もっと頑張ろうと思える、そういったところにやりがいを感じます。

西川 僕の場合は、ラグビーが好きでずっとやってきて、でも選手としてはラグビー無理だな、高校でやめようってなって。僕にとってラグビー部、早稲田のラグビーっていうのは憧れの存在だったので、そういったところを取材できることは間違いなくやりがいとしてあります。あと、自分の記事とかで場合によっては自分の大好きな、憧れのチームの印象を悪くしてしまうかもしれないというか、そういった危機感とか責任感みたいなものもやりがいの1つかなと思います。

近藤 2つあって、1つ目が選手や選手以外も(記事や写真を)見てくれていることです。この前の(野球部の)沖縄キャンプで練習取材したんですけど、(選手が)向こうからピースとかしてくれることがあって、「インスタ載せてください」とか言ってくれていることもあって。見てくれてるんだなと思うとうれしいです。記事とかも「見てます」みたいなことはOBの方々や引退された早スポの方とかも言ってくれるので、そこは競技チーフとしてのやりがいです。もう1つは結局自己満っていうところもあって、これは飯田(飯田諒、政経3=東京・早実)が言っていたことだと思うんだけど、良い写真撮れたなとか良い記事書けたなって浸っているときが一番楽しいですね。

西川 わかるわ。俺もうまく撮れた写真だけファイル別にして保存したりとかあるもん。

濵嶋 たまに自慢してきます。この写真良くね、みたいな。

西川 それがやっぱ楽しいからね。

濵嶋 そうやってみんなが楽しんでくれてるのがうれしい。みんな紙面とか面担をやってくれた時、完成した時は本当にうれしいし、少しでも頑張ろうって思う原動力ではあります。

 

ーー逆に大変なことはありますか

濵嶋 ない!

西川 ない、すごいね。

濵嶋 ない。

西川 濱嶋は、、、そうか。俺も楽しめちゃうから、ある程度。大変だなと思うことは無いかな。

濵嶋 大変だなの後に笑える。

西川 ラグビーチーフが大変なのはここからだから、まだ味わってないのかな(笑)。今はないな。

近藤 2人はこういう性格だと思うので、楽観的で良いなって思います。僕は逆で、めちゃくちゃ真面目に考えちゃうし、責任背負い込み過ぎちゃう。だから、背負いすぎてきつくなったりすることもあるんですけど。これは昨年の新歓の企画チーフの方の言葉たけど、「きついかもしれないけど、自分が好きでやりたいことだから。楽しいことの中の1個辛い部分と思えば乗り越えられるでしょ」みたいなことを言ってもらえて。確かになって思えるし、当時それで企画チーフを頑張れたし。今も頑張ってこれているので。辛いことの中から楽しいことを見つけて頑張るのは辛いことが続くけれど、一歩引いて全体を見た時に、自分がやりたいこと、楽しいことの中の辛いことなら頑張ろうと思えるので。今そのマインドで頑張っています。

濵嶋 やっぱ日常が楽しいから。楽しいから、ちょっとした辛いことでも頑張れる。

 

「後輩には、自分の個性を大事にしてほしい」(西川)

 

対抗戦・早慶戦で力強い眼差しを向ける選手たち

 

ーー今までのラグビー、野球の取材で一番印象に残っている取材や試合は何ですか

西川 2つあって、1個は昨年ジュニアラグビーチーフをやっていたので、ジュニアの試合かな。ジュニア選手権といってBチームの試合があるんですけど、同じ日に大体C(チーム)とD(チーム)の試合もあって。時間にすると10時間くらいかかるんですけど、もっとかも。その中で帝京大との試合があって、すごい良い試合で、結局負けちゃうんですけど。Cチームの試合も見てきて、成長過程とかも追っている中で、大一番、帝京との試合で良い試合してくれて。すごいなって思いました。それはすごく覚えていますね。もう1つは、早慶戦、対抗戦の早慶戦で。国立(国立競技場)でやったんですけど、下まで入ってカメラ撮ったので。国立の下まで行けたというのは1つ思い出ですね。

濵嶋 昨年のラグビーの全国大学選手権の準決勝かな。大阪であった試合なんですけど、大阪に行って取材して。一昨年は、決勝まで行って、負けたんですよ。昨年は準々決勝で、まだ年越しもできていなくて。しかもアウェイで。そこが結局最後の試合になってしまって。一昨年負けた時よりも、昨年負けた時よりも印象に残っています。こうやって最後、4年生の選手が負けていくんだなって。目の前でホイッスルが鳴った瞬間、負けをかみしめている選手たちを見てすごく印象に残っています。早スポは大勢の応援を連れていくことはできないし、そういう現場を記事とか、写真とかで、そういう現場でも伝えなきゃなんだというのは印象に残っています。

近藤 ソフトと野球があって。ソフトはインカレ(全日本大学選手権)が印象に残っています。(チーフとして)ずっと4年生を中心に試合を追ってきた中でインカレが(4年生の)最後の大会なんです。選手の裏側まで知ってきて。1回戦の同志社大との試合だったんですけど、0ー0のままで、7イニング目までいって、8回タイブレーク入っても0点。9回表の早稲田の攻撃も0点で。最後早稲田の守備で、ピンチ背負って。カウントツースリーまで行って、甘く入った1球を捉えられてライナーがキャプテンの頭上に飛んできて。触りはしたんですけど落としちゃって。その1点で負けて。1点の怖さを感じましたし、1球で4年間やってきたことが終わるんだな、終わるときは一瞬なんだなって。終わったとき、キャプテンはガン泣きで救急車で運ばれちゃいましたし。それがすごく印象に残っています。野球は、昨年のキャプテンの森田朝陽選手(令6社卒)の、卒業記念号の取材をしたことが印象強いですね。もともと森田選手はスポーツ推薦で早稲田に来たわけではなくて、自己推薦で早稲田に来た選手なんですけど、その中で、周りがデビューしていくのに本人はあまり試合に出れなくて。そんな時に、3年の秋に小宮山監督(平2教卒=千葉・芝浦工大柏)からキャプテンに任命されて、キャプテンとして頑張っていたんですけど、春はキャプテンの重圧もあって、オーバートレーニング症候群になっちゃって。どんどん体が痩せていくのも見ていましたし、本当にきつかったと思うんですけど、秋の早慶戦でヒットが出て。「その1本で報われた」と本人も言っていましたし、輝いているところだけでなく、辛い部分も取材できて、考えさせられるところがありました。

 

ーー野球班とラグビー班の魅力を教えてください

近藤 取材自体の魅力は、ラグビーもそうですけど、野球も早稲田スポーツの花形というところで、そういった取材を追えるというのは、すごく魅力なのかなと思います。反応も大きいし、それだけ責任もあるんですけど、追っていて楽しいなと思います。プロに行く選手もいるので、そういった方々と話ができるのは、すごく自分の人生経験にとってプラスになるのかなと思います。野球班自体の魅力というのは、すごく野球班の人数が多いので、早スポとしてすごくいろんな人と仲良くなれるというのが魅力かなと思います

西川 ラグビーという競技はまず大前提として、めっちゃ面白いです(笑)。多分触れたことがない人がかなり多いと思うけれど。A群の競技なのに、全然知りませんみたいな人が多いと思うので、1回見てほしいです。ラグビーの面白さってどの競技でもそうなのかもしれないけど、特に色濃く出ているのが、各ポジションの個性がすごく強いということです。僕もラグビーをやっていた割には、あんまり体大きくないよねってよく言われるんですけど、まあそうなんですよ。ラグビーって、ちっちゃくても別にできるんですよね。ちっちゃい奴にはちっちゃい奴が戦うポジションがあって、でかい奴にはでかい奴が輝くポジションがあって、それがまず一番のラグビーの魅力だと思います。あとは早稲田大学のラグビー部が特にそうなんですけど、早稲田のラグビー部って意外と推薦を取ってないんですよ。それこそ、昨年度優勝した帝京大学とか、決勝を戦っていた明治大学とかは毎年何十人っていうレベルで推薦で取っていて。まあそりゃ強いよねって感じなんですけど(笑)。早稲田って意外とそんなこともなくて。内部進学とか、浪人して一般受験で入ってくる人とか、そういう人も多くて。そういう選手たちが、早稲田に憧れて、早稲田のラグビーを強くしたくて、入ってきているというところで、魂というか、精神というかを持った選手たちが、工夫しながら強豪校と戦っている。それでしっかりと結果を残すというところがすごくかっこいいので、ぜひ見にきてください。

 

ーーラグビーや野球というメジャーなスポーツだからこそ、取材するときに意識していることや大切にしていることはありますか

近藤 選手と記者という線引きはすごく大事にしてます。さっきも沖縄とかで、選手がいろいろ言ってきてくださるという話はして、そこはそれはそれで良いんですけど。向こうも部活をやっている選手なので、仲良くなりすぎると良くないなというか。同じ大学生なので、一般のメディアには言わないようなこととか、見せない表情を引き出せるというのは早スポの魅力であると思うんですけど、そこに対して深く行きすぎないこと。選手にリスペクトを持って接するということはすごく意識はしています。あと取材中は、次どんなプレーが起こるかというのを予測するようにしています。野球は点差とかカウントとかランナーの位置とかで次に起こることが予測できると思うので、そういったところで次にどんなことが起きるのかなって頭に入れた上で、写真を撮るようにしています。予測できていれば、先回りできるので、そういうのは試合状況を頭に入れながら取材するようにしています。

西川 選手第一というのが僕が思っていることです。昨年、ラグビー部は選手権が準々決勝敗退だったので、厳しい目で見られることも多くて。ラグビーの記事を書いていて、結果が残らないとどうしても厳しいことを書かざるを得ないこともあると思うし。昨年までは、できるだけ良いところを探して書こうって言われていたんですけど、僕はむしろ厳しいことも書かなきゃいけないとは思っています。でも選手はかっこよく見せたいっていうのが僕は思っていて。選手がかっこよくなるような記事や写真を撮りたいというのを今までも意識してきたし、今年も特に意識したいなと思ってます。

 

ーー担当競技の注目選手を教えてください

濵嶋 担当選手を持って、深く何度も取材するという番記者制度が野球にもラグビーにもあって。私はラグビー班で野中選手(健吾、スポ3=東海大大阪仰星)の番記者をやってました。私からするとスーパースターですね。1年生の時から、輝きを放っていたと思う。

西川 間違いない。

濵嶋 私たちと同学年なんですけど、間違いなく1年生の時からこの代を引っ張って行くだろうなっていう存在感を放ってた野中くんの、次の1年の活躍に期待してます。野球は、内部出身なので、同じ早実出身の石郷岡くん(大成、社3=東京・早実)を。ついこの前、野球班の沖縄キャンプで見て、頑張ってほしいなという気持ちになっています。

西川 全員言いたい。全員の魅力を語りたい。

濵嶋 これがチーフの威力です(笑)。

西川 じゃあ試合に来てくれれば、すごい選手たちだとわかるので、僕の本当の推しを2人あげます。1人は、粟飯原選手(粟飯原兼、スポ3=神奈川・桐蔭学園)。粟飯原選手は1年生の頃から赤黒(Aチームのユニフォーム)を着ていたんです。昨年2年生の時は、結構BチームとかCチームとか下のカテゴリーで出てることが多くて、僕は特にジュニアチーフだったので粟飯原選手をよく見ていて。ワークレートが高くて、特にカメラを撮ってると、粟飯原選手しか映らない。ボールを持つのも、タックルするのも、粟飯原選手で。

濵嶋 得点を取るのも粟飯原選手。

西川 本当にすごい選手なので、必ず這い上がってくると僕は信じてます。もう1人は田中勇成選手(教3=東京・早実)です。彼は僕が、早実時代の同期でキャプテンだったんですよ。身長が165cmくらいで、体重は90kgあるんですけど。とにかく身長が小さい。小さいんですけど、誰よりも熱いし、誰よりも動く。メンタルがめちゃめちゃ強い選手。Aチームで試合に出たりもしてますし、もうすごいですよ、彼の熱い気持ち。早稲田の選手っぽい、魂を持った選手というのがめっちゃかっこいいので、ぜひ見てください。

近藤 僕は番記者をしている山縣選手(山縣秀、商4=東京・早大学院)ですね。2年の秋にブレイクしてから、番記者としてずっと山縣さんに就かせてもらっていて。ラストイヤーでつなぎの2番バッターということで、すごく期待してます。守備はめちゃくちゃうまいので、今年からもう1回ショートにコンバートということで。昨年熊田さん(熊田任洋、令6スポ卒=現トヨタ自動車)がずっとショートを守ってて、その穴をどう埋めるかという部分で山縣さんがすごく期待されてるので、守備の花形をちゃんと埋めてほしいなという部分で期待してます。もう1人は田村康介くん(商3=東京・早大学院)。同じ学院出身で同じ学年です。田村も昨年の秋にブレイクして、そこから早慶戦もめちゃくちゃ打っていて、打率5割くらいだったので、主力として頑張ってほしいなと思います。

 

ーー編集長として、活動するときに大切にしていることや理想の編集長像があれば教えてください

濵嶋 下から支える編集長になりたいなと思っています。編集長には特に専門の分野がないので、野球チーフやラグビーチーフには専門に集中してもらえたらと思っています。野球やラグビーに限らず他の競技のチーフや業務のチーフ、みんなが自分の専門分野に集中できるように環境を整えることを大切にしたいと思っています。また、早スポは班で分かれていて、縦のつながりはできるとしても横のつながりはできにくいので、班に関わらず紙面製作やレクリエーションをもう少し増やして、そういう役割も担っていきたいです。

 

質問に答える3人。対談は、新聞制作を行う東日印刷所で行いました!

 

ーー早スポをまとめあげる編集長から見て、同期はどんな存在ですか

濵嶋 家族です(笑)。

西川 これはもう総意でしょ(笑)。ファミリーでお願いします。

濵嶋 65期のLINEグループの背景は家族写真、家族のイラストになっていて(笑)。それぐらい密に、それぞれの班を持っている人同士でも専門的に進めないといけないところもあって分かれちゃう部分もあるけれど、それを担っているみんなだからこそ悩みとかもあると思うので、家族ぐらい密に関わっていたいです。楽しく1年を終えられたらなと思っています。

 

ーー今年一番楽しみにしている取材、試合を教えてください

近藤 優勝を見届けたいなとは思います。この前、部に写真を提供するということで「優勝した時の写真をください」という風に言われて、最後に早稲田が優勝したのは2020年の秋だったのですが、その時の胴上げや優勝が決まった時にマウンドに集まっていく瞬間の写真を見返していて。それで自分がチーフの時にこういう写真をとりたいなと思いました。最後試合が終わった後にトロフィーとか旗とか持って楽しそうに選手が笑っている写真とかも見て、(自分も)見たいなとすごく思ったので、優勝の瞬間を取材できたらなと思っています。

西川 全く一緒。優勝が見たいです。できると思いますし、ラグビー部は優勝のことを「荒ぶる」と呼んでいます。「荒ぶる」という曲があって、その曲は優勝した時だけ歌えるもので、自分はチーフなので選手権の決勝に進んだ時はやっぱり間近で見たいです。それを期待して、自分たちができることで、記事などで盛り上げていけたらいいなと思っています。

濵嶋 取材ではないけれど、それぞれの競技が優勝すると号外が制作できるので、編集長はそれを待っています(笑)。荒ぶる号外や優勝号外などいろいろな号外を作れるように、楽しみにしています。

 

ーー後輩たちに期待していることはありますか

濵嶋 どんどん自分の個性を出してきてほしいかな。65期は65期でこの雰囲気が個性だと思うのですが、先輩たちを見てきて本当に個性が強い方々が多くて、それが早スポの魅力でもあるし、いろいろなことに熱中して様々な専門分野を持っている後輩たちに入ってきてほしいです。自分の専門分野に集中してもらうことも大事だと思うので、2年間、3年間の活動を楽しんでもらいたいなと思います。

近藤 一歩踏み出す勇気は持ってほしいなと思っています。新入生からしてみたら、早スポの取材募集は顔も見たことないようなチーフが「取材来てください」と言っていて、周りもよく知らない人ばかりで、誰が何年生なのかもわからない状態で、しかも大人数で取材するかと言われればそこまで多くない3~4人程度の取材もあって。その中で少しでも行きたいと思ってくれるのであれば、リアクションをして取材に行ってみた方がいいかなと思います。一歩踏み出す勇気は、早スポだけではなくて大学生活全般において必要なことだと思うので、そこは後輩には期待したいと思います。

西川 濵嶋と被るのですが、個性を大事にしてほしいです。僕はまだ1年間しか早スポに関わっていないので、あまり捕らわれたくないなというところもあるので、僕が自由にやるので後輩たちにも自由にやってほしいです。後輩の記事の添削は一応するのですが記事を直せるほどの実力が自分にはないので、僕が完璧ではないので、だからこそ好きにやってほしいです。

 

ーー最終学年ということで、成し遂げたいことはありますか

濵嶋 早スポの土台作り、これだけは完璧に成し遂げたいです。抽象的にはなってしまいますが、今までつながれてきた65年分がこの先もずっと続いていくような堅い基盤を作りたいと思っています。

西川 つなぐ、ということですかね、濵嶋と似ているけど。ラグビー班は人数が少なくて、実働している65期はほぼ自分だけで、でも昨年66期がたくさん入ってくれて。ラグビーはA群で試合数も多くて仕事も結構多いのですが、人手がいれば全然問題ないので、楽しく自由な雰囲気をこの後もつなげていければと思います。66期も67期もいるので、この流れを止めずに今年の新1年生にたくさん入ってきてもらえるような環境作りを考えたいなと思います。

近藤 野球のシーズン最後、秋の早慶戦もそうですし、最後の新聞製作も箱根号か箱根優勝号外になるのかはわからないですけど、最後の最後に笑って終われるようにしたいなと思っています。自分としては最後に後悔なくやりきりたいと思っていても、様々な都合でできないところや、お互いに妥協しながらやっていかなければならない場面もあると思います。自分としては悔いなくやりきりたいとは思うのですが、組織として最後よかったね、とみんなで笑って終われるようにしたいなと思っています。

 

ーー最後に新入生にメッセージをお願いします

西川 ラグビーを見たことのない方でも一回来てみれば本当に面白い競技なので、本当に本当に面白い競技なので、魅力を伝えられるように僕たちも頑張るので、ぜひ来てください。ラグビー班一同お待ちしています。よろしくお願いします。

近藤 野球が好きな人はもちろん、新聞作りがしたい人、メディアに興味がある人、この間岡田監督に取材させていただいたのでそういうことを友達に自慢したい人も(笑)、イベントだけ参加したい人でも、みんな入会してください。そうした上で野球取材や新聞制作とかにも来てくれたらうれしいです。

濵嶋 早スポには必ず自分が輝ける場所があります。野球でもラグビーでも、競技に限らず紙面製作でも他の競技でも、必ず自分が輝ける場所があると思うので、それを見つけにまずは入会してくれたらいいなと思います。

 

ーーありがとうございました!

 

 

(取材・編集 石渡太智、植村皓大、大村谷芳、勝野優子、佐藤結、富澤奈央、林田怜空)

 

◆濵嶋彩加(はまじま・さやか)(※写真中央)

東京・早実出身。社会科学部3年。編集長。早スポを下から支えたいと話す、暖かい人柄の編集長。国内旅行が大好きで、春休みもほとんど家にいなかったというほど。日本の魅力を知り尽くしたいそうです!

 

◆近藤翔太(こんどう・しょうた)(※写真左)

東京・早大学院出身。商学部3年。野球チーフ。趣味はランニングで、箱根駅伝後は選手を連想しながら走っているという近藤さん。また「翔破」という言葉には、早スポを最後までやり切るという、野球チーフの熱い思いも込められています!

 

◆西川龍佑(にしがわ・りょうすけ)

東京・早実出身。人間科学部3年。ラグビーチーフ。ラグビーが心の底から大好きで、大谷翔平に生まれ変わったとしても間違いなくラグビーをやりたいそうです!沖縄でのシーサー作りをきっかけに、陶芸にハマっているという意外な一面も!