ミス絡みの失点で逆転を許し敗戦 リーグ初勝利はホーム早慶戦へと持ち越し | 早スポオフィシャルブログ

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 先週末、関東大学サッカーリーグ戦の開幕戦でホームに立大を迎えたア式蹴球部(ア式)。ホーム開幕戦で白星スタートを切りたいア式だったが、あと1点が遠く開幕ドロー発進という結果に終わった。今季初の勝ち点3をつかむべく臨んだ第2節の相手は日体大、去年の年末に行われた天皇杯の予備予選では延長戦でも決着がつかず、PK戦で勝利した相手との対戦となった。前半序盤はやや押され気味の展開が続いたが、集中した守備でしのぐと、38分に右からのクロスをMF本保奏希(スポ3=JFAアカデミー福島U18)が合わせて先制に成功する。しかし前半終了間際に自分たちのミスから2点を奪われて逆転を許し、前半を1ー2で折り返す。後半なんとしてでも逆転したいア式だったが、73分、83分と2失点を許す。終了間際にFW駒沢直哉副将(スポ4=ツエーゲン金沢U18)が自ら獲得したPKを決めたが、追い付くことはできず2ー4の大敗を喫した。

シュートを放つ本保

 新たなチャレンジとして3バックを敷き、試合に臨んだ今節のア式。立ち上がりは相手にボールを持たれる展開となったがシュートまでは持ち込ませない集中した守備で得点を許さず。11分、DF増田健昇(スポ3=横浜FCユース)が右サイドへ鋭い縦パスを送り、サイドへ流れて裏抜けしていた駒沢がそのボールうまくを収める。駒沢がサイドに流れたことで中央のスペースが空く。その隙を見逃さなかったDF石川真丸(スポ4=名古屋グランパスU18)が侵入し、駒沢からのパスを受ける。持ち込んだ石川はクロスを上げるとフリーになっていたMF松尾倫太郎(人4=千葉・八千代)が合わせた。しかしシュートはキーパーの正面を突き、得点には至らず。その後は高い位置でボールを奪われピンチを迎えるシーンはあったが、相手のシュートが枠には飛ばず0ー0のまま試合が進む。試合が動いたのは38分、中盤で石川がボールを奪うと、中盤を経由してもう1度石川がパスを受け、クロスを上げる。クロスに反応したMF山市秀翔(スポ3=神奈川・桐光学園)がコースを変えて本保が押し込み、苦しい時間帯に先制に成功する。しかし、45分にゴールキックを相手選手にカットされ、そのままドリブルで持ちこまれ同点に追い付かれてしまう。さらに直後GKヒル袈依廉(スポ4=鹿児島城西)のパスが相手に奪われてそのまま得点を許し、自分たちのミスから一瞬にして逆転を許してしまったア式。前半を1点ビハインドで折り返す。

 

失点後に話し合うア式

 後半、逆転を目指し立ち上がりから攻撃に人数をかけたア式。駒沢を中心に攻撃を仕掛けていくも、なかなかチャンスを作れないまま試合が進んでいく。一方の守備は前がかりになったことで相手に崩されピンチのシーンが増えた。65分には相手に完璧に抜け出されキーパーと1対1の状況を作られてしまうが、ここは後半からの出場となったGK海本慶太朗(スポ2=大宮アルディージャU18)がストップ。69分にも相手に決定機を作られるが、相手のシュートは枠を捉えられず。迎えた73分、相手が再びゴールに迫ると最初のシュートは海本が弾いたものの押し込まれて3失点目。まずは同点に追い付きたいア式は途中出場のルーキーMF久米遥太(政経1=東京・早実)を中心にゴールに迫るが得点には至らず。すると83分に勝負を決定づける4点目を相手に奪われる。試合終了間際に駒沢が獲得したPKを自ら決めて1点を返したが反撃及ばず2ー4で、今季公式戦初黒星となった。

途中出場ながら存在感を見せた久米

 好調のプレシーズンから一転、2試合連続で勝利を逃す結果となった。取るべき時間帯で点が取れない、要所でミスが出てしまうという課題は、結果が求められる戦いの中で発生する特有の緊張感も一つの要因ではあるだろう。それでもこれから先、今よりもプレッシャーがかかる重要な試合が今後必ず訪れる。「勢いがなくなった時が本質」と駒沢。チームとして日々の取り組みから挑戦と修正を続けていくことで、積極的なチャレンジや攻撃力といったア式らしいサッカーを天皇杯予選、さらには28日に迎えるリーグ早慶戦で見られることを期待したい。

 

(記事 和田昇也、写真 荒川聡吾、三浦佑亮)

 



兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)
ーー試合全体を振り返ってください

入りのところでは相手の方が少しいい入りをしたなというとこだったんで、5分ぐらいしっかり耐えれば時間帯は取り戻せるなって思ってたので、入りのところに関してとか、3(バック)でやってることに対してはポジティブにやってくれたかなというところで、前半決めるべきところで決めてれば、2ー0、3ー0ぐらいな感じの展開までには持ってけたのかなと思うので、それをしっかり決めるようにこれからはトレーニングするというとこがまず一つ。あとはミスの部分。ミス1回ぐらいはしょうがないかなというところはあるんですけど、ただやっぱり決定的なミスを2回連続すると、どうしてもチームの雰囲気というのが壊れたりとか、そこから少し相手に勢いをちょっとこう持たれて、それをひっくり返すだけのまだまだ技術だったりというところになかったのかなというのは思うので、そこに関してはもう1回またトレーニングし直してやっていくしかないのかなというところです。自信なくなったというところか、ミスが怖いみたいな状況になったと思うんですけど、サッカーなんてミスのスポーツなので、そこらへんのミスというところに対して、やっちゃいけないミスだけしないというところだけ気を付けてくれれば、あとはチャレンジしたミスは全然何も責めるつもりはないですし、そこから何ができるかというのが成長だと思うので、チャレンジしないといけないというところはあると思うので、そこをしっかりと自分たちでも振り返ってもらいながら、チームとしてまたこういう風にしようというところをもう1回提示して、また取り組んでいくしかないのかなというとこと。まだ22試合の最初の2試合が終わっただけで、何も終わってないので、これからもう1回しっかり鍛えてやっていければなと思います。

ーー複数得点がここ数試合あまり取れていない要因はどこにありますか
相手が5バックだったりという(リーグ戦)1戦目、2戦目ていうところでどう崩すのかだったり、自分たちがボール保持になっちゃって、際どいところにボール入れれなくなって、はめられてけちゃうようなシーンとかが多かったと思うので、そこのチャレンジというか、動き出しとしっかり合わせて、際どいとこ狙いながら繋がっていく。それがたとえミスになったとしても、縦にボールが推進力として入ってるとみんな前向きにプレイできるので、そうすれば奪われたとも集結しやすいですし、それをやっぱ横(パス)で刈り取られると、いきなりもう全てひっくり返されるようなことになるので、そこのところの今チャレンジすべきとこ、保持に入るとこというところの判断だったり、あくまで保持ってゴールに向かうというところが大前提にないといけないので、前進しながらどうやって相手の嫌なとこ入っていくのとか、ゴールまで繋がるのというのができるといいのかなという風に思います。

ーー2部特有の引いてくるサッカーや後ろの枚数が多いことに難しさはありますか
そうですね。ですけど、そういうサッカーもあると思うし、そこをどう打開するってなった時に、引き込んでマーク外した時の、外した先のスピードアップの質だったり、それで解決できればもっともっといけるし、押し込んだ時にもっと際どいとこ狙ってそこを通せるだけの精度、しっかりプレーをやり切ってコーナーキックをとって、得点の3割を占めているセットプレーで点が取れるように精度を上げていくと、もう相手も引いても結局セットプレーで点取られるじゃんとか、そういう風に相手がもうやられて嫌だなってことをどれだけ徹底できるかだと思うので、相手のことをしっかり僕らももう1回常に研究しながら、どういうのが効果的というところは伝えながらも、そこから相手が対応してくると思うので、その対応を見ながら、自分たちがもっと相手の嫌なことってどこだろうというところを探しながら行けるといいのかなというところはありますね。

ーー来週は天皇杯予選となりますがそこについてはいかがですか
いや、もうやるしかないので。ただ、そこでもう1回自分たちのやるべきことだったり、修正できるタイミングだとは思うので、しっかりとチャレンジしながら、そこはやっていきたいなというところですね。社会人の方がサッカーを知ってる、力の使いどころを知ってるというところはあると思うので。ただ、そこに対して自分たちが何をできるんだというのをもう1回提示しないといけないですし、やるサッカー自体は変えるつもりは全然ないので。
ただ、ここのところはもっと決まり事を決めた方がというところも、もっとここ狙うようにというのをもう決めちゃった方がもしかしたらいいようなところもあったりだとかは、なんかこう見受けられるところはあるので、そこはがっつり決めちゃうのかどうなのかというとこも、学生と話しながら、こういうふうに決めていいかなというところは提案して、ちょっとやれればなというとこですかね。


伊勢航主将(社4=ガンバ大阪ユース)
ーー今日の苦戦の要因はメンタル面が大きいですか

メンタルもそうですし、戦う部分とか、ピッチ内でどうやって戦うかという、統一できなかったのも課題かなと思います。

ーー新しいことに挑戦して臨んだ一戦となりましたがそこはいかがでしたか
今週最初から3バックメインにやってて、難しい中ではありましたけど、ゲームでも前半はほんとにやりたいようにやりましたけど、ちょっとうまくいかない時にチームの中でやること統一できなかったのがまだ、前節の試合も修正力っていう課題になりましたけど、まだそこ足りないかなって思います。

ーー得点数が少し減ってしまっている要因は何が考えられますか
相手が裏のボールを結構対策されてるっていうのは感じますし、だけど その裏は消された時の足元の崩しだったり、バイタルエリアをどう取るかっていうのだったり、クロスの質ももっと上げていかないといけないのかなって思います。

ーー来週以降への意気込みをお願いします
来週の天皇杯予選はもうチャレンジして前向きにやるしかないです。再来週には慶應との決戦もあるので、 その2試合に向けて、シーズンは長いですけど、まず目の前の1戦1戦に勝つために、戦う部分含めチームをもう1度見直してやっていきたいです。

駒沢直哉副将(スポ4=ツエーゲン金沢U18)
ーー試合の中で何が起こったかを振り返ってください

今日の負けの最大の原因はみんな分かってると思いますけど、そのミスを続けてしまったっていう部分で、もちろんチームとしてミスなのか、個人としてのミスなのかっていうのはありますけど、そのやってはいけないミス、普通なら防ぐことができるミス、チャレンジしたミスというよりは絶対やってはいけないミスっていうのを繰り返してしまったっていうのが、負けた原因なのかなって思っていて。チームとしては、それをどう防ぐか、2回目を防ぐかというところと、それ以上に前節も開幕戦でしたけど引き分けで、今節今シーズン初めての公式戦で負けてというところで、プレシーズンずっとうまくいってる中で、チームとしての勢いみたいなものがあった中で、どうしても今はちょっと勢いがなくなってしまったのかなって思っています。ただ、その勢いがなくなった時が、本質というか、自分たちの本当の力だと思うので、ここからどう自分たちが転ぶかが問われるんかなと思うので、そこは4年生を中心に、もちろんサッカーの技術云々とかもありますけど、チームビルディングを細かくやっていきたいなと思います。

ーー早い時間に追加点が奪えなかった要因はどこにあると考えていますか
先週と一緒で、5バック引いてきて、相手が自分の背後のランニングをケアしている中で、今日の1点目の形みたいなのは、逆に自分が相手を吊り出して中空けて、そこをシャドーの本保が使うみたいなところがうまくいきましたけど、やっぱりまだそのシーンが少ないので、そこの再現性を高めていかないと、1個のミスでころっと試合の流れ変わっちゃうので、その質の部分は、もちろん今の1ー3ー4ー2ー1の形は、うん、今週からチャレンジしてきた形ではあるんですけど、でもそこはネガティブに捉えずにいい形はもちろんあったので、そこの回数をもっと増やしていこうというのをやっていきたいです。

ーー中盤に落ちて組み立てに参加する場面も見られましたが、自分の中で狙っていきたいプレーでしたか
そういうことになりますね。今日の相手でいうと、1トップの自分に対してライン設定をしてたので、自分が裏抜けようとするとラインがすごい下がるんですけど、逆に自分がちょっと落ちると変に上がるというか、自分に食いつくみたいな現象起きてたので、あえて自分に食いつかしてフリックでワンタッチで落とすもありますし、逆に本保とか松尾とか走れる選手のためのスペースを開けるというのを考えた中で動いたって感じです。

ーー相手の守備陣に引かれた中でフォワードとしてどういう役割を担っていきたいですか
別にどれだけ引かれようが、別にチャンスはないことはないですし、0から1を作り出すじゃないですけど、今日みたいな綺麗な崩しのゴールもありますけど、引かれた相手には多分ああいう綺麗な崩しは何回もできるわけじゃなくて、うん、

というよりは、自分の役割としては、もう何もないとこからでも、もう自分のこの力だけでゴールを奪うみたいなっていうことも自分の特徴っていうか、調子としてあるんで、そういうシーンで0から一を作るじゃないですけど、 ほんとに何もないとこからも点を決められるような選手になることで、今チームとしてまだ1点、2点って 増えてはきてますけど、まだまだ少ないと思うんで、そこをやっていきたいなって。

ーー来週は天皇杯予選となりますがそちらについてはいかがですか
相手が社会人ですし、自分たちはチャレンジャーになるのかなと思っていて。関東2部リーグとはまた違った戦いになるというか、いい意味で切り替えてというのではリフレッシュできる試合なのかなと思うので、本当にチャレンジャー精神でもう1回愚直にやっていきたいです。