関東大学サッカーリーグ戦開幕 あと1点が遠く悔しいドロー発進に | 早スポオフィシャルブログ

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 3月の韓国遠征以降、無敗を続けるア式蹴球部(ア式)。好調を維持するア式は、立教大との関東大学サッカーリーグ戦の開幕戦に臨んだ。試合序盤から立教大相手にボールを支配するア式だったが、相手の守備的な布陣を突破できない時間が続く。すると40分にコーナーキックから相手に先制点を許し、追う形で後半へ。後半もボールを保持しながら、シュートまでたどり着けないア式。そんな中、71分に相手陣内でフリーキックを得ると、MF伊勢航主将(社4=ガンバ大阪ユース)が見事に直接ゴールを決め、ア式が同点に追いつく。同点弾の勢いのまま追加点を奪いたいア式だったが、最後まで相手の守備を崩しきれず試合はタイムアップ。ホーム開幕戦で白星スタートを切りたいア式だったが、悔しい痛み分けとなった。

 

開幕スタメン11人

 

 序盤からボールを保持するア式は、自陣でのビルドアップから前進し、相手陣内でチャンスをうかがう。8分には伊勢の左サイドからのクロスにFW駒沢直哉副将(スポ4=ツエーゲン金沢U18)が頭で合わせるもシュートはクロスバーの上へ。早々に先制点を奪いたいア式だったが、ディフェンスライン5枚を中心とした相手のコンパクトなブロックを崩すことができない。再三ペナルティエリア手前まで迫るものの、シュートを打てないまま時間が経過する。すると40分に自陣でのクリアミスから相手にコーナーキックを与えると、このコーナーキックがGKヒル袈依廉(スポ4=鹿児島城西)の頭を超えて、そのままゴールイン。相手を追う展開になった。追いつきたいア式は、43分に左サイドからDF石川真丸(スポ4=名古屋グランパスU18)がクロスを送ると、中央でMF東廉(スポ4=清水エスパルスユース)がヘディングシュート。至近距離からゴールを捉えた完璧なシュートだったが、相手キーパーのビッグセーブに遭う。そのまま前半は終了し、1点ビハインドで試合は後半へ。

 

ゴールを狙う伊勢

 

 後半開始直後から一方的にボールをキープするア式。しかし、前半同様に相手のゴールを脅かす場面をつくれない。62分には攻撃の切り札、MF松尾倫太郎(人4=千葉・八千代)を投入し、ゴールへの糸口を探るも相手の固いブロックに阻まれる展開に。そうして迎えた71分、相手ペナルティエリア手前でフリーキックを得ると、ボールをセットしたのは伊勢。伊勢が放った早い弾道のシュートは、相手の壁をかわして直接ゴールへと突き刺さる。苦しい時間が続くなか、キャプテンの強烈な直接フリーキックでア式が同点に追いつく。その後もボールを回しながら、サイドからのクロスや縦への鋭いパスでゴールを奪いにいくア式。センターバックのDF神橋良汰(スポ4=川崎フロンターレU18)が相手ペナルティエリアに侵入するなど超積極的な攻撃を仕掛けるが、追加点を奪えない。最後の最後まで相手のブロックを崩せずに試合は終了。コーナーキックからの失点、シュートを打てない状況におけるフリーキックでの得点とセットプレイの重要性がわかる試合となった。

 

リーグ戦デビューとなったルーキー林

 

 好調かつホームでの開幕戦だっただけに勝ち点3がほしい試合だった今節。主将の伊勢が「相手が嫌がるプレーが少なかった」と言うように、ファイナルサードでのクオリティ不足が露呈する試合となった。プレシーズンから守備の強化に取り組んだ結果、昨シーズンと比較して守備での安定性が高まっている今期のア式。目標としているリーグ戦優勝を達成するために昨シーズン見せた得点力を再現し、強固な守備と圧倒的な攻撃力を備えた攻守一体のサッカーの実現に期待したい。

(記事 荒川聡吾、写真 和田昇也、取材 林田怜空)

 

 

試合後インタビュー

兵藤慎剛監督(平20スポ卒=長崎・国見)
ーーまず試合全体振り返っていかがでしたか

緊張感を含め、開幕戦の独特な感じに、やっぱりまだまだできるだけの技術、メンタリティーがっていうところですかね。昨日の筑波の開幕戦を見てるだけに、やっぱりまだまだ自分たちでできるチームではないというか、まだ大人のチームにはなりきれてないなというところなので、それが大学サッカーの魅力でもあるとは思うんですけど、もっともっと良くなるとは思いますし、逆転はできなかったけど、しっかり自分たちで流れを持ってこれたっていうところでは評価すべきところもありながらも、前半自分たちがうまくいかないなっていうところを前半内でもっとチャレンジしてほしかったなというところはあったので、そこはもう外から言ってやらせる量を増やすのか、中から、自分たちから変わるっていうところっていうところ、両方ないと多分成長はないと思うので、しっかりとこっちのアプローチの仕方とかももう少し考えていかないといけないなと思います。

ーー前半のうまくいかなかった時間帯はメンタル面の影響も大きかったですか
入りのところは悪くなくて、チャンスも作れていたんですけど、途中から相手5バックで崩しにくい時に保持に入ってしまって、その結果外回しでボランチが後ろに重くなって、結局刺したボール奪われて、中盤誰もいなくなって、時間作られたというところでは、然るべきところにいれば奪われてもその瞬間から切り替えが始まるっていうところでの今までやってきたことが、安全にプレーしたいチームのところがまだまだ緊張感もあったんだとは思うので、そういうところ踏まえて、でもその中でもできないと結局勝負がかかった試合とかで同じような現象がシーズン終盤起きると思うので、そういうところも最初にミーティングで話して、シーズン最後には緊張するような試合があるんだから、こういう試合で平常心を持ってプレーする、普通にやることの方が大事だよっていうところでは、やっぱり開幕戦という独特なところに引っ張られたかなっていう印象ですかね。

ーーハーフタイムをビハインドで迎えることになりましたけど、どういうことを伝えましたか
攻撃のとこでうまくいってない要因がもうはっきりしていたので、そこのところをしっかりとまず修正、立ち位置含め、そこの切り替えのところ含めていうの整理というところと、守備のところでなんか自分たちからはまらないなっていう状態にしてたので、そこはしっかり後ろから縦ズレして、それを横ズレするっていう当たり前のことをやる。出たい人に対してしっかりとファーストがいかないと何も決まらないというところでは、当たり前をしっかりもうちょっとやりきろうというところで、行こうというスイッチを、それで背後取られたら全員で戻ればいいっていうところでスイッチをしっかり入れてというところで、後半はちゃんと前に対するエネルギーが相手より出たり、だからこそ多分セカンドの反応とか、チームの距離感っていうのも良くなってくるっていうところに自分たちで少しは感じ取れたと思うんで、今後もこういう絶対ボール持って引かれた相手にどうするかっていう試合が間違いなく多いと思うので、それをどう崩すか。単調なクロスだけじゃなくて、そこからもう1個、侵入の仕方含めやるべきことを整理して準備したいなと思います。

ーー来週に向けてここからの1週間で取り組みたいことはありますか
攻撃のところは元々ずっとやり続けてるところが、今日全然出せてないところも多いですし、 攻撃のところで共有するっていうところ、その勝負どころのボールの質だったり、入り方、変化の付け方っていうところを重点的にやって、 次は2点、3点取れるような試合にしたいですし、セットプレーでの失点、今年減らそうねというところからスタートしてるのに、失点してしまったので、そこのところももう1回アプローチして準備したいです。

 

伊勢航主将(社4=ガンバ大阪ユース)
ーー試合全体を振り返ってください

開幕戦ということでみんな固くなったり緊張した部分もあったので、うまく先制点を取られれば良かったですけど、取れきれずに自分たちにアクシデントもあって、そこで失点してしまって(試合を)難しくしてしまったと思います。ただ去年だったら追いつけないような試合で追いつけたというのは評価できる部分だと思います。この試合で2部は甘くないということを痛感できたので、そこは全員で意識してやっていきたいと思います。

ーー相手が序盤から5バックの布陣を取り、相手のブロックを崩しきれない試合でしたが、どういった課題が攻撃面にありましたか
ハーフタイムに兵藤さんから言われた通り、(前半は)外回しが多くて縦パスをさせなかったり、相手が嫌がるようなプレーが少なかったので、もっと相手が嫌がるようなリスクを背負ったプレーを増やしていかないと5バックの相手は崩せないと思いますし、そういったプレーを増やしていかないといけないと思います。

ーーコーナーキックから失点するなどセットプレイからピンチを迎えることが何度かありましたが、どう捉えていますか
天皇杯予選の国士舘大と駒大とセットプレイに強みがある相手に対して、守りきれたということが自信にもつながった一方で慢心にもなったと思いましたし、セットプレイの前に相手の流れがあるなかで(相手を)押し返すパワーがまだまだ足りていなかったと思います。そういったゲームの流れを読んで、どうやっていくのかということがセットプレイに限らず今日の試合で出た課題だと思います。

ーーご自身のゴールを振り返ってください
ゴールとの距離が近かったのと相手の壁も大きかったので、最初から(ファーサイド)を狙おうと思っていたなかで、相手の壁の配置が5、2でうまくシュートコースが見えたので、自分の左足を信じて振りぬいた感じです。

ーーチームの完成度はどうですか
まだまだ5割くらいだと思っています。良いとき良いですけど、今日みたいにアクシデントがあって急遽3バックをやるときの対応力はまだまだ足りていないですし、もっと練習で積み上げて、こういった難しい試合で押し返す力をつける必要があると思います。

ーー次戦への意気込みをお願いします
日体大ということで今日の立教大よりも攻撃的にくるチームですし、実力的にはもう一段階、二段階上のチームだと思うので、自分たちが出せる実力をもっと出し、自信を持って臨み、次は必ず勝ちたいと思います。

笹木大史(商3=東京・早大学院)
ーー本日の試合を振り返ってください

自分たちが、前回前々回と、国士舘、駒澤相手に勝っている中で、その勢いのまま開幕戦勝ちたかったんですけど、アンラッキーな形で失点してしまって。そのままひっくりかえせず、悔しい試合に終わりました。

斜めに差し込むパスが良く入っていた印象があります。斜めのパスは個人として狙っている部分でしたか
神橋(良汰、スポ4=川崎フロンターレU18)くんから自分がサイドチェンジ受けた時に、直哉(駒沢副将、スポ4=ツエーゲン金沢U18)君と合わせるっていうところは練習から合わせてきたところだったので。斜め入ってからの動き出しは良かったと思うんですけど、そこが得点に繋がっていけば、勝利にもつながるかなと思います。

ーー5バックを相手に崩し切ることは難しかったなか、フォーメーションチェンジ等で打開策を次々と講じていきました。チームとして狙っていたことを教えて下さい
練習では、3バックはあまりやってなくて、3週間前の島原遠征でやってはいたんですけど、連携だったり、崩し方だったりは今後練習通じて、次節、その次に向けて完成させていければ良いかなと思います。

ーーCB、右SB、3バックの右、とポジションを移しながらの試合となりましたが、個人として手ごたえはいかがでしたか
自分としては関東リーグデビュー戦ということで、強度の面とかで付いて行けなかったというところはあるので、これから個人として、チームの勝利のために、まずはやっていきたいと思います。

ーー関東リーグデビューシーズンというところで、個人として今シーズンの目標を教えて下さい
関東リーグ全試合出場、関東一部昇格、日本一、ここですね。

ーーまだまだシーズン先が長いですが、チームとして、今シーズンの目標を教えてください
今日引き分けにはなりましたけど、まだ開幕戦なので。ここから勝利重ねて、2部優勝を目指します。

林奏太朗(スポ1=サガン鳥栖U18)
ーー試合全体振り返っていかがでしたか

外から見ると、前半の入りは特に悪くないってところで、最初のチャンスを決めてればもっと簡単な形で試合を進められたかなと思いました。いつでも出れる準備はしてたので、自分がパッと試合に出で流れを変えようとしたところでセットプレーの形で失点してしまって、そこは改善点かなと思ってます。

ーーアクシデントからの投入後、1試合の中でいくつかの役割をこなすことになりましたがいかがでしたか
最初は右のセンターバックで、今まで1回もしたことないところで出るってなって。その中で自分の役割っていうものを考えた時に、右のセンターバックじゃなくて、神橋君をずらして3枚にするっていうのを途中に気づいたんですけど、その気づきがちょっと遅くて試合を難しくしてしまったかなと思います。

ーーこの試合での反省点みたいなものはありますか
後半の最後らへんに、自分の得意である縦パスだったり、 背後のボールだったりを出せていたんですけど、もっと前半から積極的に出すことによって、相手に恐怖を与えて得点につなげれたかなと思ったので、自分のアイデアっていうものをもっと早く出すところが課題でした。

ーー1年生の開幕節にして関東のリーグ戦デビューとなりました、そこについてはいかがですか
デビューのことはあんまり考えていなくて、試合に出たらチームを勝たせるような存在になるということ常に考えていたので、あまりデビューしたっていう感覚はないです。

ーー個人として、チームとして来週以降に向けて取り組みたい部分はありますか
個人としては、チームの絶対的な存在にはまだなれていないので、まずそこを目指して日々頑張っていくのと、チームとしてはこういう難しい試合も最後の最後に決めて、勝ち切りだったり、もっと2部の中で圧倒していかないと全国優勝、日本一を取るというのは見えないと思うので細かいところからしっかりやっていきたいと思います。

ーー最後に来週に向けての意気込みをお願いします
自分がスタートで出るかどうしたなんかわかんない状況ですけど、その中でもチームの勝利に貢献するっていうところだけを考えて、火曜からまた練習していきたいと思ってます。