国際大会代表選手選考会(50m) 3月18日 東京アクアティクスセンター
国際大会代表選手選考会2日目。女子100メートルバタフライや男子400メートル個人メドレーなどパリ五輪への切符をかけた注目のレースが続く中、早大からは9名が7レースに出場した。今大会好調の泳ぎを見せている松本信歩(スポ3=東京学芸大付)や村上汰晟(スポ2=兵庫・明石南)らが前日に引き続き決勝、準決勝に進出。さらに、1年生の山口遼大(スポ1=東京・暁星)や松崎りん(人1=東京 日大ニ)らが今大会初レースに挑んだ。
★山口が決勝に進出、7位で終える
50メートルバタフライ予選に登場した山口は、大きく息を吐いてスタート台に上がった。「緊張もあって堅さが出ていた」と振り返ったが、スタート直後から頭一つ分抜け出す。最後はタッチの差となったが、接戦を制し全体7位で決勝進出を決めた。迎えた決勝、予選で課題としていた浮き上がりを改善し、勢いよくスタートを切った山口。わずか20秒ほどの一瞬の闘いを制したのは水沼尚輝(新潟医療福祉大学)だった。山口は7位で決勝を終えた。
スタート直後の山口
★今大会2レース目の村上汰が自己ベスト更新
また100メートル背泳ぎ予選には、前日に50メートル背泳ぎで自己ベストタイを記録した村上汰が登場。50メートル背泳ぎ予選直後に「ベストに近いタイムで泳げれば多分準決勝にはいける」と語り、自信を持って挑んだ今レース。前半の浮き上がりにやや苦戦し、出遅れてしまう。それでも、序盤から安定感のある泳ぎで50メートルを折り返すと、後半はさらにギアを上げ55秒54でフィニッシュ。全体16位で準決勝へ駒を進めた。準決勝では、応援に駆けつけた仲間に手を振りながら、集中した表情で登場した村上汰。予選の反省を活かし、スタートから上位に食い込む。後半もスピードを落とさず、自己ベストを更新する泳ぎを見せたが、全体11位で惜しくも準決勝敗退となった。
上位争いに加わる村上汰
★松本、自己ベストも悲願の五輪内定ならず
さらに、パリ五輪への切符が懸かる女子100メートルバタフライの争いもこの日決着した。パリ五輪代表内定には57秒34という派遣標準記録を上回り、かつ2位以内に入ることが絶対条件。準決勝でベストタイムを更新し、波に乗っている松本が注目のレースに登場した。会場全体が熱気に包まれる中、池江璃花子(横浜ゴム・ルネサンス)の隣でスタートを切った松本。前半50メートルを5位で折り返すと、後半に強い松本がここから驚異の追い上げを見せる。残り5メートルでは3位に躍り出るものの、2位の池江と約100分の1秒差で3位。パリ五輪代表内定とはならなかった。
レース直後の松本
パリ五輪代表内定者も決まり、盛り上がりをみせた国際大会代表選手選考会2日目。わずか100分の1秒で運命が決まるレースが目立った。早大からも2人が決勝、1人が準決勝へと進出し、充実した1日となった。また派遣標準記録を突破したものの、惜しくもパリ五輪内定を逃した松本は、23日に本命の200メートル個人メドレーに挑む。最終日の200メートル個人メドレー決勝では、松本の笑顔を見ることができるだろうか。
(記事、写真 大村谷芳、取材 神田夏希)
結果
◇予選
男子200メートル自由形
長牛太佑 1分50秒47【20位】日本学生選手権突破
田中大寛 1分50秒秒87【26位】
原空輝 1分51秒02【29位】 日本学生選手権突破
男子100メートル背泳ぎ
村上汰晟 55秒54【16位】準決勝進出 日本学生選手権突破
女子200メートル自由形
松崎りん 2分2秒24【22位】 日本学生選手権突破
小原天寧 2分3秒49【28位】 日本学生選手権突破
二宮歌梨 2分3秒50【29位】 日本学生選手権突破
船越彩椰 2分3秒58【30位】 日本学生選手権突破
男子50メートルバタフライ
山口遼大 23秒82【7位】決勝進出
◇準決勝
男子100メートル背泳ぎ
村上汰晟 55秒09【11位】 自己ベスト、日本学生選手権突破
◇決勝
女子100メートルバタフライ
松本信歩 57秒31【3位】 自己ベスト、日本学生新記録、日本学生選手権突破
男子50メートルバタフライ
山口遼大 23秒85【7位】
コメント
村上汰晟(スポ2=兵庫・明石南)
――レースを終えて率直な気持ちをお願いします
ベストで泳ぐことはできましたが、5位同着で決勝にギリギリ行けたかもしれないという際どいところでした。でもベストが出たことは、次の200メートル背泳ぎにつながると思ったので良かったと思います。
――16位での予選通過でした
予選でスタートをミスしてしまって。ベストタイムからも0.4秒遅く入っていたので、16位と言う順位は落ちることはないので、下剋上、挑戦者のつもりでレースできたかなと思います。
――200メートル背泳ぎに向けて
50メートル、100メートル(背泳ぎ)ともにベストタイやベストで調子や水の感覚も良いと思うので200メートルでは余裕を持って決勝に残って表彰台も狙えるラインに立てるようにしっかりがんばっていきたいと思います。
山口遼大(スポ1=東京・暁星)
予選後
――レースを振り返っていかがでしたか
緊張もあって硬さが出ていましたが、それでも23秒8で泳ぐことができました。決勝に残ることができたので、次に向けてしっかり上げていけたら良いと思います。
――次のレースに向けて意気込みを教えてください
決勝は浮き上がりなどを改善していけばベストは見えてくると思います。
決勝後
――どのような気持ちでレースに臨みましたか
選考会のような日本のトップの大会で決勝に残るのは初めてだったので、まずその雰囲気を楽しむと言うところで予選は決勝に残るためにもタッチを合わせに行く、ちょっと余力を持ったレースでした。決勝で攻めた結果タッチが合わなくて、でもタッチが合わない中で23秒台が出たと言うのは、すごくプラスなので1つ大きい経験はできたかなと思います。
――予選で挙げていた課題は改善できましたか
そうですね。間の時間を使ってうまく改善できたので一つ一つ積み重ねて総合的な競技力が上がっていければいいなと思います。
――残りのレースの意気込みをお願いします
50メートル自由形はまずは準決勝に駒を進めて、どれだけ戦えるのかを確認したいです。100メートルバタフライは、準決勝に残るのは少し厳しいかもしれないですが自己ベスト目指して頑張りたいと思います。