【サッカー】鮮やかな大勝で学生系トーナメントを突破! | 早スポオフィシャルブログ

早スポオフィシャルブログ

早稲田大学でスポーツ新聞を製作する「早稲田スポーツ新聞会」、通称早スポの公式ブログです。創刊から64年を迎え、600号も発行。ブログでは取材の裏話、新聞制作の秘話、現役大学生記者の苦悩を掲載‥これを読めば早スポ通になれる!

天皇杯予選 学生系 7月21日 早大東伏見グラウンド

早スポオフィシャルブログ「ただいま取材中!」-2ゴールを奪った近藤貴 長きに渡り、学生系トーナメントで苦汁をなめ続けてきたワセダ。閉ざされた重い扉をこじ開けるべく、東京ヴェルディユースとの一戦を迎えた。高校生年代のチームではあるが、アミノバイタルカップで王座に輝いた明大を1回戦で下すなど「高校生のレベルをはるかに超えている」(FW榎本大希、スポ4=横浜F・マリノスユース)油断はならない強敵だ。苦戦も予想されてのキックオフとなったが、前半に奪った先制点を皮切りに大量5ゴールを奪う充実ぶりを披露。5-1と圧巻の大勝劇を飾った。

 立ち上がりは巧みな足元の技術を駆使して、戦う姿勢を存分に見せる東京ヴェルディユースを前にやや苦しむ展開となる。主導権を握り切れない中、突如として20分にスコアは動いた。ワセダは強引な中央突破を図るも崩し切れず、ボールは相手DFに渡る。しかし諦めずに榎本が能動的なプレッシングでこのボールを奪い取ると、走り込んでいたMF近藤貴司(教3=三菱養和SCユース)にGKと1対1の絶好機が到来。ゴール左隅に打ち込み、待望の先制点はワセダに入った。勢いに乗るワセダは29分にも追加点をあげる。FW上形洋介(スポ3=東京・早実)が激しい空中戦を制し何とかボールをつなげると、右サイドを抜け出した近藤貴がグラウンダーのクロス。MF近藤洋史(スポ3=名古屋グランパスU-18)のシュートは決死のブロックに阻まれたものの、こぼれ球を榎本が難なく押し込んで2-0。難しい入りになった前半も、しっかりと得点をあげて折り返した。


早スポオフィシャルブログ「ただいま取材中!」-2ゴール2アシストと大車輪の活躍を見せた榎本
 後半も引き続き「ボールを奪って、それをスイッチにして速攻で点を取る」(MF中田航平主将、スポ4=横浜F・マリノスユース)形を軸に着実なゲーム運びを見せていくワセダ。テンポを上げて得点を取りにくる相手にブロックを作って冷静に対処し、得点を許さない。迎えた64分、中盤でパス回しをする相手から高い位置でボールをかっさらった近藤貴が前線にスルーパスを送ると、榎本がいち早くこのボールに反応する。ペナルティエリア内でGKを引き付けて中に折り返すと、果敢に飛び込んできたのは近藤貴。この日自身2点目となるゴールをスライディングシュートで決め、狙い通りにカウンターを完遂させた。勝利を決定づけてもなお、ワセダはエンジンを切らさない。75分には榎本が独力でカットインからシュートに持ち込んでチームに4点目をもたらすと、87分にはコーナーキックからDF三竿雄斗副将(スポ4=東京ヴェルディユース)が古巣相手に『恩返し弾』をお見舞いする。アディショナルタイムにはヴェルディユースに意地の1点を返されるも、試合の大勢に影響はなくタイムアップの笛。大量5得点をあげたワセダが学生系トーナメントを突破し、トーナメントの本選に駒を進めた。

 個々のポテンシャルを随所に見せた東京ヴェルディユースに対し、大差をつけられたのもプレーの強度を落とすことなく戦い切ったからこそ。それでいて2ゴール2アシストを記録し、凄みを増してきたナンバー『10』がいるチームへの期待感は増すばかりだ。天皇杯の出場権をかけたトーナメントの本選は8月22日(木)から始まり、次なる戦いは総理大臣杯の舞台へ。1998年以来の優勝のみを見据え、選手たちは菅平合宿でトレーニングに励んでいく。

(記事 松坂和之進 写真 佐藤裕樹、芦川葉子)



早スポオフィシャルブログ「ただいま取材中!」-三竿雄斗(中央左)と握手する弟の三竿健斗(中央右).
★三竿兄弟がピッチで凌ぎを削る!
 この日は高校時代を過ごした古巣との対戦であり、特別な感情を持って試合に臨んだ三竿。さらに、東京ヴェルディユースでは実弟のMF三竿健斗がレギュラーで試合に出ていることもあり、人一倍「勝ちたい」という気持ちで臨んだ一戦となった。サイドバックの兄に対して弟はボランチをこなしており、試合の流れの中ではマッチアップする場面こそ少なかったものの、セットプレーでは兄のマークを弟が担当。前半から激しい競り合いを見せていたが、87分にはコーナーキックで弟のマークを振り切って兄がゴールを決め、年長者の『格』を見せつけた。また弟で高校2年生の健斗はU-17日本代表にも選出されており、将来を嘱望される逸材。湘南ベルマーレに加入が内定している兄の雄斗と同様にプロの世界に足を踏み入れるか。近い将来、Jリーグの舞台で『兄弟対決』が待っているかもしれない。

◆結果
○早大5(2-0、3-1)1東京ヴェルディユース
【得点者】(早)20、64近藤貴 29、75榎本 87三竿 (東)89神谷


◆コメント
FW榎本大希(スポ4=横浜・Fマリノスユース)
――4点に絡む大活躍でしたが振り返って
そうですね。1点目は良い場所でボールを奪えて貴司(MF近藤貴司、教3=三菱養和SCユース)がきっちり決めてくれました。2点目は押し込むだけで、3点目、4点目は自分でボールを運べて結果的に点に結びついてよかったかなと思います。
――ディフェンス面に関して感触はいかがでしたか
相手も前線からのプレスがすごかったので自分らも負けないようにとは意識はしていました。高い位置でボールを奪えることに越したことはないと思うのでこれからも続けていきたいと思います。
――普段大学生と試合することが多いかと思いますが
そうですね。大学生とは違った強さもありましたが、はっきり言ってヴェルディユースは高校生のレベルをはるかに超えているので、体も強いと思いましたし玉際も厳しくチェックしているし非常に強いチームだと感じました。
――今日の試合でみえた課題は具体的にはなんでしょうか
攻撃に関しては最初から仕掛けていくぞと決めていて実際に達成できたと思いますが、やっぱり最後の失点だと思います。アミノバイタル杯でも最後に失点してしまう場面があったので気を抜かずに集中しなければいけないと思います。
――夏には総理大臣杯が控えていますが
大臣杯は穫りたいタイトルでもあるのでそれまでに合宿があったり少し時間があるので、修正すべきところはきちんと修正して良いコンディションで迎えられるように頑張ります。

MF近藤貴司(教3=三菱養和SCユース)
――1-0と苦しんだ前節に対し、大量得点での勝利となりました
前節は切り替えの部分が甘いという課題が上がっていて、きょうは試合の入りから改善できていたんで、それが前半に2得点あげて試合の流れをつかむことができた原因かなと思います。
――前節の取材後に主将があげていた攻撃面での改善は
前節は相手があまりプレッシャーに来なくてボールを持てる状況だったんですが、ワセダはボールを持つとアクションが少なくなってしまうという傾向が比較的あるので、それを今節ではボールを持っている状況でも良いアクションができたと思います。
――ヴェルディユースの印象は
本当に技術の高い選手がそろっていて、良いチームだなって思いました。高校生ということは関係無しに、自分たちのサッカーをやらないと勝てないという危機感を持ってやれたので、そういう意味では良かったのかなと思います。
――攻撃の流れを作る先制点を決められました
大希くん(FW榎本大希、スポ4=横浜Fマリノスユース)がゴールに向かう途中でちょっと離れてしまったボールを自分がかっさらってしまったので、大希くんには悪いなって思います(笑)。来い来いと思っていたらたまたま自分のところに来てくれたので、入れられて良かったです。
――後半にも榎本選手からのパスで得点を決められました
自分がボールを持って大希くんに出そうとしたら相手に当たってしまって、その跳ね返ったボールを大希くんがうまくスピードで抜け出してくれて、その後自分が中に入れて決めることができたので、本当に大希くんのおかげだと思います。
――アミノバイタルカップのようなトーナメント戦の緊張感はありますか
チームとしてはもちろん、とにかく天皇杯に出たいという気持が個人的にも強くて、そういった思いを前節と同じく今節でも出せたというのが、勝利につながったと思います。
――悲願の本戦出場に向けて、準決勝への意気込みを
その前に菅平での合宿や総理大臣杯もあるので、そこで自分たちの強みをより磨いていかないと、次は社会人が相手では厳しくなってくると思います。全国大会ではより強いチームと当たることができるので、良い経験を詰んでその先に挑んでいけたらなと思います。

※他の選手のコメントはホームページが復旧次第掲載いたします。