「詳解国語辞典」読みが追いついたので「新明解語源辞典」読みを再開する。
ふそう フサウ【扶桑】
日本国の異称。古代中国の奇書である『山海経』(第九海外東経)に、太陽が扶桑の木から昇ると記述されている。それ故、「扶桑」は神木とされたり、太陽の異称として用いられたり、また太陽の昇る遠い東の島を意味したりした。「扶桑」が日本を指すようになったのは、王維が日本へ帰る阿倍仲麻呂に対して贈った漢詩(七五〇年頃)において「郷樹扶桑外 主人孤島中〔郷樹は扶桑の外 主人は孤島の中〕」と詠み、日本を扶桑の生えている国よりも更に向こうの国としたことに始まる。平安時代には漢詩集の『扶桑集』や歴史書である『扶桑略記』などが作られている。
[例]「扶桑国 フサウコク 日本の総名也」(元和本下学集)
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