テレビのニュースを見ていたら、急に涼しくなった本日、残暑の間は売れ行きが芳しくなかった焼き芋専門店の店主が、焼き芋が飛ぶように売れたことについて、「地味に1日中準備が大変でした」とインタビューを受けていた。
このときの「地味に……」という日本語の使い方に「?」となった。
少なくとも私は(私の周囲にも)「地味に」を使ったことはない。
ロゴヴィスタ辞書で調べてみた。
広辞苑七版
じ‐み 【地味】 ヂ‥
①服装や性格が控え目なこと。目立たないこと。質素なこと。浄瑠璃、長町女腹切「―な抱へ帯」。「―に暮らす」「―な研究」↔はで。
② →ちみ
この使い方の「地味」は、なかった。
以下、語釈がなかった場合は省略する。
新明国八版
この使い方の「地味」はなかった。
岩国八版
この使い方の「地味」は、なかった。
旺国十一版
この使い方の「地味」は、なかったようだ。
大辞林四版
じ みぢ―2【地味】
(名・形動)文ナリ
①華やかさや、けばけばしさのない・こと(さま)。⇔派手。「―な着物」「―な色」
②態度や行動が控え目で、人の目をひこうとしない・こと(さま)。⇔派手。「―に暮らす」「―な人柄」
③(「地味に」の形で)目立つところはないが、しっかりと存在したり、行動したりしている・こと(さま)。「―に売れる商品」「―に攻める番組」
④土壌のよしあし。→ちみ(地味)
派生―さ(名)
語釈③が当てはまりそうだ。
三国八版
じみ[(地味)]⦅ダナ⦆
①はなやかでなく、目立ったところもないようす。(↔派手)
② 〔 ―に 〕 〔俗〕おもてに はっきり出さないが。「―に うれしい・―に痛い・―に値上げしてる」
じみさ。☞ちみ(地味)。
語釈②が当てはまりそうだ。
明鏡三版
じ‐み【地味】ヂ━
一[形動]性格せいかくや色いろ・柄がらなどが落おちついていて目立めだたないさま。「地味じみな服ふく」「地味じみに暮くらす」⇔派手はで派生‐さ二[名]ちみ(地味)地味・地味に
無礼語辞典「地味に」にリンクしていた。
じみに【地味に】
「地味じみにかっこいい人ひとですね」「地味じみに面倒めんどうなこと言いいますね」〈揶や揄ゆ〉そうは言いえるものの、それがさほどは目立めだってはいないと付つけ加くわえる言いい方かた。「あまり知しられていないけれども」「すぐには分わからないかもしれないが」といった意いで、良よい意味いみでも悪わるい意味いみでも使つかう。ただし、「地味じみ」の本来ほんらいの意味いみから、ポジティブな評価ひょうかのつおもりで言いってもネガティブに評価ひょうかしているのではないかと誤解ごかいされるおそれもある。
ほかの無礼語普通ふつうに
今回の用例に対しては、なんとなくわかったような、わからないような😅。
三現新七版
じみ【地味】〈形動〉
1かざりけがなく、目立たないようす。
「―な服・―な働き」
2おもてだたない(・おもてだてない)ようす。
「―な痛み・―にすごい」
[ややくだけた言い方]▼対派手注意「ちみ」と読むのは別の語。
無理して読めば、語釈2が当てはまるか?