2018年5月30日のリブログ。
--
他人のせいにするわけではありませんが、学生時代(高校か大学)以降、以下の2つの言葉の読み方を間違っていたかもしれないことを、数十年ぶりに知りました。
1 「寄贈」
「『寄贈』は『きそう』と読むのが正しい」と大学生のとき、年配の先生(おそらく教授)から指摘されました。テキストを輪読していた時、私が「寄贈」を「きぞう」と読んだことに対して指摘されたのです。それ以来、私は「寄贈」は「きそう」と読むことにして数十年経ちました。
今朝、手足のこわばりを除くため(脳梗塞の後遺症を緩和するため、朝風呂に浸かって身体を温めていたとき)、防水ラジオを聞いていました。
NHKの女性アナウンサーが、「美容整形外科医が、3000万円で落札した昭和天皇回想録を、宮内庁に寄贈(きぞう)しました」と原稿を読んだのを聴きました。
NHKだし、原稿のチェックはしているだろうから、「きぞう」が正しいのだろうと(大げさに言えば)愕然としたのです。
辞書を引いてみました。
きそう【寄贈】
(「きぞう」とも)金銭や品物をおくり与えること。贈呈。贈与。
Kokugo Dai Jiten Dictionary. Shinsou-ban (Revised edition) ゥ Shogakukan 1988/国語大辞典(新装版)ゥ小学館 1988
※国語大辞典には「きぞう」の立項はなく、「きぞう」を引くとプログレッシブ和英が表示されました。どちらも愛用の Bookshelf Basic という1つのソフトウェアです。
きぞう【寄贈】
(a) donation派生語 寄贈する present [donate] 《a thing to an institution》, present 《a person with a thing》
Progressive Japanese-English Dictionary, Second edition ゥ Shogakukan 1986,1993/プログレッシブ和英中辞典 第2版 ゥ小学館 1986,1993
きぞう【寄贈】
〘名・ス他〙品物を他人におくり与えること。
▽「きそう」とも言う。
[岩波 国語辞典 第七版 新版]
※岩国には「きそう」での立項はありませんでした。
き‐ぞう【寄贈】
名・他サ変公共の機関などに物品をおくり与えること。きそう。
「図書館に蔵書を━する」
「━者」
[明鏡国語辞典 第二版]
※明鏡には「きそう」での立項はありませんでした。
[寄贈]
キゾウ・キソウ
おくりあたえる。寄与。
[新漢語林 第二版]
※新漢語林は併記されていました。
きそう 【寄贈】
( 名 ) スル
⇒きぞう(寄贈)
(Dual大辞林)
※Dual大辞林は「きぞう」派?同じDual大辞林で「きぞう」を引いてみました。
きぞう 【寄贈】
( 名 ) スル
〔 「きそう」とも〕
(主として学校などの公共性の高いところに)品物を贈ること。贈呈。 「母校に図書を ─ する」 〔類義の語に「寄付」があるが,「寄付」は組織・団体などに金銭または品物を贈る意を表す。それに対して「寄贈」は学校や病院などに品物を贈る意を表す〕
(Dual大辞林)
--ここまで
うーむ、辞書によって違いました。どちらでもいいのでしょうか?
2 上意下達
私は高校時代以降、この言葉を「じょういげたつ」と読んでいました。たしか、高校の先生が授業中にそのように読んだので、真似していたのです。
それが、今朝のニュースショウと夜のニュース番組で、コメンテイターが「じょういかたつ」と読んでいたのです。
数十年経って、初めて辞書を引きました。
じょうい(ジャウ‥)【上意】
1 主君の意見。上に立つ者や支配者の考え、または命令。
2 特に、江戸時代、将軍の命令。
じょうい‐うち(ジャウイ‥)【上意討】 主君の命令で罪人を討つこと。
じょうい‐かたつ(ジャウイ‥)【上意下達】 上の者の考えや命令を下の者に伝えること。⇔下意上達
Kokugo Dai Jiten Dictionary. Shinsou-ban (Revised edition) ゥ Shogakukan 1988/国語大辞典(新装版)ゥ小学館 1988
じょういかたつ
上意
━ かたつ じやう ─ 【上意下達】
上位の者の意思・命令を下位の人に徹底させること。 〔 「じょういげだつ」は誤り〕
(Dual大辞林)
「じょういげだつ」は誤りと、はっきりと注意されてしまいました(苦笑)。
「寄贈」など、言葉は時代とともに変わる(根拠とする出展が異なる)のでしょうか?
どなたかご指導をお願いします。