このブログを始めてまもない頃の2014年4月23日のリブログ。

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2年ぶりに風邪らしい風邪をひき、昨日は風邪薬を服用して、終日静かに辞書を読んでいた。
読んだ辞書は『類語国語辞典』(1985/大野晋・浜西正人/角川書店)。愛読書の1つである。
『<辞書屋>列伝 言葉に憑かれた人びと』(2014/田澤耕/中公新書)も読み直した。

ふだんなら、「風邪かな?」と思えば、イソ○ンのうがい薬で1日ガラガラやっていれば、たいていは治るのだが、今回は、そうはいかなかった。
だるくて腰痛まで表れて、まいったなぁと思いながらNHK朝ドラを見ていたら、「人間は、みんな“生き組”だぁ」という言葉が、腹の中から湧いてきた。

村岡花子が生まれた明治時代と現代とでは、日本の状況は変わった。しかし、当時の「勝ち組」「負け組」が形を変えて、現代の日本にもたしかに「ある」と思った。
その反面、私は思う。・・・・・・
人間としての評価を、経済的・社会的地位だけでしてよいものか。
そもそも人生を勝ち・負けの2項目で分類・評価するのはおかしいのではないか。
人間はみんな、浮き沈みしながら、最後の一日まで生き続ける「生き組」ではないか。

・・・・・・と。

『<辞書屋>列伝』に登場する各国・各時代の辞書編纂者たちも「生き組」だ。
第4章『言海』を改めて読むと、大槻文彦先生は、本当に、筆舌に尽くしがたい艱難辛苦を乗り越えて『言海』を完成させた、すばらしい「生き組」だと思った。
先日古書店にて手に入れたばかりの『言葉の海へ』(1998/高田宏/岩波書店)をじっくりと読んでみたいと改めて思った。

人生の残り時間がそれほど多くない私は、読みたい本を整理し、読む順番を考えないとまずい。しかも、読書に加えて、ライフワークとして掲げた「日本人の学力復活」の研究もある。

今夜の仕事までには、もう少し体調を復活させたい。

 

かち ぐみ0【勝ち組】
①ある分野・事業で成功した方のグループ。⇔負け組。
②ブラジル日系移民社会で、第二次大戦での日本の敗戦を信じなかった人々。ブラジルへの反同化と日本回帰を主張する諸団体が生まれ、敗戦を認識した人々(負け組)を攻撃、迫害した。
[大辞林 第四版]

 

まけ ぐみ0【負け組】
①ある分野・事業で成功しなかった方のグループ。⇔勝ち組。
②ブラジル日系移民社会で、第二次大戦での日本の敗戦を受け入れた人々。日本が勝利したと主張する派(勝ち組)から職場追放、リンチなど迫害を受けた。
[大辞林 第四版]