「荒れる三月場所」とは昔から聞かれる言葉だが、今場所ほど荒れに荒れまくった場所を私は知らない。

 

◎初入幕でしかも幕尻の尊富士が、他の力士(三役を含む)を寄せつけずに勝ち進むと思いきや、14日目に救急車で運ばれる怪我。それでも翌日の千秋楽には出場して幕内最高優勝獲得とは!!

 

◎尊富士、おめでとう! 私はすっかりあなたのファンになった。五月場所までに、怪我を完全に治してほしい。

 

◎まだ髷も結えないザンバラ頭で尊富士を猛追した大の里。この力士もすごい。もうすぐ尊富士と大の里の時代が到来する予感。この二人が三賞を独占した。

 

◎伊勢ヶ濱親方(旭富士)は、よい力士を育てているなぁと感心し、尊敬した。

 

◎これまで各時代にはよきライバルが名勝負を繰り広げた。栃錦と若乃花(初代)、私が幼少期の大鵬と柏戸、相撲解説でお馴染みの北の富士と玉の海、北の海と輪島など。尊富士と大の里の時代もそこまで来ている。怪我だけは気をつけて相撲道に精進してほしい。

 

◎現・二所ノ関親方(稀勢の里)が横綱になり、ずっと待たれた日本人横綱が誕生した。これからは、それほど待つことなく、日本人横綱が登場する気配がする。

 

◎若い力士の活躍で、新大関琴ノ若の存在を忘れがちになった。五月場所は、いよいよ琴櫻の復活か。楽しみなことがいろいろあるだろう五月場所以降に期待したい。