バーゲンブックは二版よりも千円安く初版だった。この初版(新古品)は最後の1冊だった。

 

二版はバーゲン本ではなく、本物の辞書だった。

 

私は中学生の頃から、いきつけの英和堂書店の辞書棚から辞書を取ると、まず前書きを呼んでいた。手に取った辞書がどのような趣旨で書かれたか、特長は、編纂者の思いは…に思いを巡らせていた。これが現在に至るまでの習慣になった。

今回の辞書には前書きに相当する序が書かれている。

その序を読んで心が踊り、1人で拍手喝采した。心を鷲掴みにされた。序文書き出しの1文を紹介する。いわく…

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名づけて「現代漢語例解辞典」という。いわゆる漢和辞典の一、学習参考書の一である。はじめこの企画があった時、ことばの音形からひく国語辞典に対して、文字の形からひく漢和辞典が考えられた。しかしそれは、単なる国語辞典の逆引きではなく、漢字を主眼にして、その用法すなわち漢字を用いた表現を、系統だって整理し解説しようとするものである。その漢字は、ただ親字として漢語の見出しになるのではなく、学習上基礎にならなければならないのである。

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監修者の林大さんの頭には、本辞書を学習漢和辞典。学習参考書として、読者に学生を想定していたのだと思った。

ところで小学館では有名な国語辞典「現代国語例解辞典」がある。現在第五版まで出ている(私は第四版を買い直して読んでいる)。「現国例」という愛称がある。

本辞書の名前からして姉妹辞書と言っても良いだろう。愛称があるとすればおそらく「現漢例」だろう。私は勝手に「現漢例」と呼ぶことにしたい。

まだまだ書きたいことがあるが、就寝時刻が近づいているので、本日はここまでとしたい。

 

(追記)

余談だが、本辞書の奥付を貼っておく。

第二版には写真左側の注文カードが付いているが、バーゲンブックの初版には注文カードはなかった。