この3編で第13巻を読了した。

墨つぼの孫八
◎おまさは久しぶりに墨斗(すみつぼ)の孫八とであった。そして盗みの手伝いをしてくれないかと頼まれる。おまさが大滝の五郎蔵の下で働いていると孫八にいうと、五郎蔵も一緒に手伝って欲しいと頼む。
◎この件はすぐに平蔵に伝えられた。やがて平蔵も孫八の盗みを手伝うという触込みで孫八と会う。
◎この孫八、自分の家族が病気等で次々と亡くした経験があり、自分もやがては病気で死ぬのではないかと異常に恐怖していた。
◎平蔵は盗人(3か条を守る盗人)にも気っ風(きっぷ)を惚れられる人間性を持つ。


春雪
◎旗本の宮口伊織の懐を掏摸の宗八が狙った。これを見ていた平蔵は宗八を捉え、盗んだものをあらためた。すると、宮口伊織が所有していた紙入れから、どこかの家の間取りが記された紙が出てきた。
◎一体何か分からなかった平蔵だが、役宅に戻り、妻の久栄が放った一言にハッとする。平蔵が宮口伊織とこの紙の関係を考えるに当たって思いもよらなかったことを久栄が言ったからである。
◎女遊びで身を滅ぼした宮口の末路は、御家断絶、一家離散というものだった。


一本眉
◎木村忠吾がよる飲み屋に眉が一本につながった男がいる。忠吾はこの一本眉の男から度々ご馳走になっていた。
◎しかし、この一本眉の男は淸洲の甚五郎という盗賊であった。この甚五郎が狙っていた店を別の盗賊が押し込んだ。しかも店のもの皆殺しという凶悪な手口である。甚五郎はこの手のやり方は気に入らなかった。さて、甚五郎はどうする?
◎かつてテレビで観た「一本眉」は老年の一本眉(宇津井健)が兇盗を嫌い、平蔵との交流がある。やがては兇盗一味とやりあい、そこに平蔵が加わり、一本眉は兇盗に斬られて死ぬという話だが、どうやら本編はその前段だろうと思った。