前半は、ムーピーという不定形動物と山之辺真人、その上司ロックが登場します。人類は五つの地底都市メガロポリスに住み、衰退しており、スーパーコンピュータに支配されています。地球全体が病んでいます。

 

山之辺はムーピーをタマミという美女に変身させて、ともに地底のメガロポリスから逃亡します。

地上をさまよい、猿田博士の地上ドームでかくまってもらいます。

猿田博士は火の鳥を見てテレパシーで会話し、火の鳥を神の分身と理解します。そして、火の鳥から、「山之辺が地球を救う」と予言されます。

ハレルヤとダニューバーというスーパーコンピュータどうしが意見対立し、核戦争が起きて、すべてのメガロポリスが壊滅します。

 

猿田博士は、合成細胞から偽動物哺育の研究を進め、ムーピーのタマミに協力を求め、タマミは山之辺のために生命を猿田博士に捧げます。

核戦争の放射能で地上ドームもやられ、博士もロックも倒れ、山之辺は火の鳥から不老不死の命をもらい、身体は朽ちても意識は残り、30億年、意識体となって地球の再生を見守ります。

その間、様々な生き物や文明の栄枯盛衰を見届けます。

 

意識体の山之辺は火の鳥とともに、ミクロからマクロの世界を旅して、この世の中は生命で満ち溢れていることに気づきます。

そして、意識体の山之辺と意識体になったタマミが再会します。

 

このようなあらすじが進む未来編は、一言で言うと、手塚は、生物家族・輪廻転生・永遠の命ということを読者に伝えたかったのだろうと考えました。

私は、この未来編を単なるコミック、ファンタジーで片づけるのは惜しいと思いました。