この5年間で、意識して和算の関連書籍を収集してきました。そのほとんどは和算の算法を解説する書籍でした。
江戸時代に劇的に発展進化(深化)した和算の歴史上、関孝和の果たした功績は計り知れないことを知りました。
関孝和に関する書籍もいくつか収集する中で、算法の理解もさることながら、関孝和本人の事跡・伝記・評伝を知りたくなりました。つまり、「どういう人が、どのように、算法を編み出したのか」というところに、私自身の興味関心が焦点化されていったのです。
そんな中で、数年前に『算聖伝 関孝和の生涯』を手に入れようとしたのですが、当時は古書が出回っていませんでした。
それが、先日、マーケットプレイスで他の書籍を検索しているときに、本書が売りに出されていることを知り、さっそく注文しました。
表紙
帯広告
算聖伝 関孝和の生涯
2000(平成12)年10月30日 第1刷発行
著者 鳴海風(なるみ・ふう)
発行者 菅英志
発行所 新人物往来社
定価:本体2,000円+税(古書価格752円+送料257円)
<帯>
書き下ろし 長篇歴史小説!
近代数学の巨人・関孝和。
キリシタンの子に生まれ、
宣教師キアラに師事。
数学と天文暦学に賭けた男の軌跡!
『円周率を計算した男』につづき俊英が放つ
和算小説の傑作!
2016(平成28)年5月25日 購入
そして、びっくりぽん! です。表紙をめくると著者のサインと印がありました。
鳴海風さんの『円周率を計算した男』(第16回歴史文学賞受賞作)は単行本と文庫本の両方を持っていますので、本書とともに読んでいきたいと思います。
目次から
第一章 邪宗門屋敷
切支丹講義
伴天連の数学
切支丹牢
オランダ少女
第二章 切支丹孤児
ささやかな逃避行
獄舎に響く祈り
『坤輿萬國全圖』
駿河の四季
第三章 卯月慕情
『楊輝算法』
百日紅の咲く庵
『発微算法』
第四章 貞享暦
妻幸恵
改暦の上表
狂人キアラ
第五章 最後の伴天連
司祭帽をかたどった墓石
あざなえる糸
シドティ上陸
断章
あとがき
『楊輝算法』 と 『発微算法』 については、和算書を読んでいるので概要は知っています。
しかし、本書の目次を見るにつけ、予想外の展開が期待されます。
やはり、和算の研究は、算法だけではなく、考案者がどのように勉強したのか、その生涯の中で、どのように和算と関わっていったのか、自伝や評伝を読む必要があるな、と、思いました。
だんしょう(‥シャウ)【断章】
文章の断片。
Kokugo Dai Jiten Dictionary. Shinsou-ban (Revised edition) ゥ Shogakukan 1988/国語大辞典(新装版)ゥ小学館 1988