「あー!ありがとうございます!今!MECの重い箱をいただきましたけれどもね!」






『ありがとうございますー』





「こんなんなんぼあってもいいですからね」





『1番いいですからね。入れときましょー』





「ゆうとりますけれどもね」





『いきなりですけれどもね、うちのオカンがね、好きな試験があるって言うねんけれども、その名前をちょっと忘れたらしくてね』





「好きな試験の名前忘れてしもて!どうなってんねんそれ〜」





『色々聞くねんけどな〜全然わかれへんねんな』





「ほな俺がね、オカンの好きな試験、一緒に考えてあげるからどんな特徴ゆうてたのか教えてみてよ〜」





『医学生が病院で実習する前に受けなあかんパソコンで受ける試験や、って言うねんな』





「CBTやないか。





その特徴はもう完全に共用試験のCBTやないか。すぐわかったがな〜」





『ちょっとわからへんのよな』


 


「なにがわからへんのよ〜」





『俺もCBTやと思ってんけどな、』





「そうやろお」





『オカンが言うには、昔その試験をテーマにしたドラマが人気やったって言うんよ』





「ほなCBTと違うか〜





CBTの勉強してる時間は人生の中でも最もドラマの無いタイミングやもんね〜!





イケメン俳優が黙ってQB解いてるだけの映像が人気出るわけないもんね!

CBTと違うがな!ほなもうちょっと詳しく教えてくれる〜?」





『なんであんなに一日に対策問題解ける人がおるんか分からへんって言うんよ』





「CBTやないか!





うちの大学もクリスマスイブの日に2000問ぐらい解いた人のせいで

次の日からみんなの解いた問題が誤差になってしまったんやから!





でもあれはねぇ、

ただ、いたずらに問題を解き進めただけの愉快犯やと俺は睨んでるんよ!
俺はなんでもお見通しなんやから!
CBTに決まりやがな!」





『でもわからへんのよな』





「なにがわからへんのよ!」






『俺もCBTやと思ってんけどな、





オカンが言うには、

その試験の成績が良かったことで彼女が出来る人もちらほらおるらしいんよ』






「ほなCBTと違うやないか!





あれの成績のおかげで彼女出来てたら再受験のおじさん達みんな彼女できてるからね!

そんな小学生のマラソンみたいなことないのよ!
CBTと違うがな!ほなもぉ〜ちょっとなんかゆうてなかったぁ?」





『最後のブロックになると舌打ちとかため息つきながら受ける人がおって治安がめっちゃ悪いらしいんよ』





「CBTやないか!




最後のブロックの4連問は!自分の間違えがすぐ分かるのに前の問題に戻れないから間違えたらめちゃくちゃイラつくんよ!





医学生はあそこで初めて、
1度冒した自らの過ちは取り返せないことを知るんやから!

CBTで決まりやがな!」





『でもわからへんのよな』





「なんでわからへんのよ!」





『俺もCBTやと思ってんけどな!』
「そうやろ!」





『1〜6年やと1年生が1番応援してくれるって言うんよ』





「ほなCBTちゃうやないか!





1年生にあのヤバさはわからへんのよ!
2年生ぐらいから徐々に予想が着いて、
5年生以降は経験者やから応援できるけど、
1年生は心理学の方が難しいと思ってるんやから!

CBTちゃうやないか!ほなもうちょっとなんか言うてなかったか〜!」





『最初の文章読んだだけでわかる問題とかもあるって言うねんけど』





「CBTやないか!

長いこと寝てたおばあちゃんが脚に血栓作るやつやんか!もしかして引っ掛けかなと思って最後まで読むけどやっぱり深部静脈血栓なんやから!





CBTで決まりやがな!」






『わからへんのよ』
「なんでわからへんのよこれで!」





『俺もCBTやと思ってんけどな、


オカンが言うには、
季節で言うと“梅雨”やって言うんよ』






「ほなCBTとちゃうやないか!


時期は大学によるけど、梅雨だけはちゃうんやから!
梅雨は西医体に向けて
スポーツをする季節やんか!CBTはウインタースポーツなんやから!

CBTと違うがな!


なんでCBTやのにCBTと違うんよ!
ホンマにわかれへんがな!ほな、もうちょっとなんか言うてなかった??」





『OSCEの前にやるやつらしいねんけど』





「CBTやないか!!オスキーの前にやるやつはCBTしかないやないか!





オカンの好きな試験はCBTで決まり!」





『でもな、わからへんのよ』


「なんでやねん!」






『その試験の時期になったら松岡修造さんが全国の受験生を応援するメッセージをSNSに投稿してくださるって言うんよ』





「CBTちゃうやないか!!!


松岡修造さんがキューアシの清澤先生のツイッターみたいなことやってるの見たことないんよ!

たぶん松岡修造さんはCBTのこと認知すらしてないんやから!
ホンマにわからへんがな!
もっとなんか言うてへんかったか?!」





『他の人と被った問題で盛り上がるって言うねんけど』





「CBTやないか!

あれ!
プール問題とはいえ多少被るから、自分の出た問題の話して被ったらめっちゃ盛り上がるねんから!

でもね!
だいたいどっちか間違えてるから自分で自分の首絞めとんのよ!
あと、気になった問題を試験室出てすぐスマホで調べるのも自殺行為なんよ!
CBTってそういうもんなんやから!

オカンの好きな試験はCBTで決まり!」





「でもわからへんのよな」


『わからへんこたない!オカンの好きな試験はCBTよ!』





「でもオカンが言うには、
CBTではないって言うんよ」





『ほなCBTちゃうやないか!!!
オカンがCBTではないというなら!CBTちゃうやないか!先言えよ!

オレがスマホで調べる話してる時どう思っててん!』




「いや、申し訳ないなって」


『どうなってんねん!』





「ほんでオトンが言うにはな」 


『オトン!』





「くるまマイスター検定ちゃうかって言うんよ」


『絶対ちゃうやろ』