幼稚園の卒園式でもらった、お菓子の首飾りがあった。
食べるのがもったいなくて、ずっと机の引き出しにしまっていた。
一年くらい経った頃だったと思う。
母が、「そんなに取っておいたら、もう腐ってるよ」と言って、それを捨てた。
私は、「そうだね」と言った。
悲しかったのかどうか、もう覚えていない。
ただ、なんでもないふりだけは上手だった。
サンリオの鉛筆もそうだった。
好きすぎて、削ることも使うこともできなかった。
気づけば中学生になっていて、その頃にはもう、その鉛筆を好きだった自分ごと遠くへ行ってしまっていた。
たぶん誰かにあげた。
惜しいとも思わなかった。
大切にしすぎると、使えなくなる。
使えないまま時間が過ぎると、いつかその大切さだけが静かに消えてしまう。
そんなことを、私は子どもの頃から何度も繰り返してきた。