近年の研究から
多くのことが解明されている『兵馬俑坑』。
パーツが組み立て式になっている、ってことは前回 も言ったんだけど
この時代、すでに品質管理がゆきとどいてて
一体一体、目立たない場所に
製造者の
『出身地』と『名前』が記されている
不良品が発見されたら
『ドコドコのダレダレが作った』ていうのがバレちゃう仕組み。
すげー・・・・。
ちなみに、製造者出身地は
西安よりもさらに西、咸陽が多いんですって。
おもしろいことに、この素焼きの兵士達は
政府系の製造ラインと、
民間の製造ラインと
2種類が確認されているんですって。
政府系のメーカー(下請け?)のものは
表情が厳しい・重々しい雰囲気が出ている、といった特徴。
民間系のものは、政府系と比べて
表情や体型が一般人ぽい、という違いがあるそうです。
発掘された兵馬俑。
足の太さがまちまち なのは、
それらがまだ発掘途上であるかららしい。
どこまでが埋もれた土部分で、
どこからが兵士の足部分なのか、は
慎重に慎重に削っていかなくちゃいけないんだって。
長い中国の歴史の中で
それぞれの時代に代表的な工業製品があるんだけども、
秦の時代は『素焼きレンガ』の技術が優れていたそうです。
兵士達はそれぞれ、厚さ4.5cm程度のレンガの上に
秩序よく並んでおります。
発掘途中の兵馬俑
発掘された兵士達は、それぞれに
発見された場所を記したプレートがつけられ
修復がすむと、発見されたその場所に並べられます。
第1号坑の断面は、
陣営はこのように組まれ、保存されたらしい。
2200年経った今、当然ながら『木』や『むしろ』の素材は
朽ちて残っておりません。
間近で見る兵士達の顔は、
心なしか哀愁を帯びているように感じられました。
あまりにも生々しい。
2000年以上の眠りから覚めた兵士達。
始皇帝の死後でさえも
いつなんどき、過酷な戦場へと送り込まれるやもしれない。
陣の最前列に配置された歩兵達は
身を守る鎧も盾なく、
見えざる敵の
弓矢の標的となる宿命を背負っています。
↑どなたかは存じない方のブログ