今から56年前の今日・1970(昭和45)年3月24日、我が国で前例のない葬儀が執り行われました。
なぜならその葬儀、故人が実在の人物ではなかったからなのですが・・・その人の名は、
力 石 徹
そう、スポ根漫画の名作・『あしたのジョー』に出てくる、主人公・矢吹丈のライバル。
少年院時代から因縁があり、プロボクサーとなった2人がボクシングの聖地・後楽園ホールで遂に対決。
体格差を埋めるために壮絶な減量をして試合に臨んだ力石選手は、強烈なアッパーカットでKO勝ちを収めたものの、ダウンした際に頚椎をロープで強打したことが原因で、試合直後に息を引き取ったのです。
彼の死が描かれた少年マガジンが発売された直後、同誌の内田勝編集長の元には読者からの弔電や香典が山のように届いたといいます。😲
その後作家・寺山修司さんが世話人となって、彼の葬儀が講談社の講堂で執り行われることとなりましたが、(当然のことながら)読経してくれるお寺様を探すのにも一苦労・・・寺山氏の作った告別式の台本が配布されたのは、開式直前だったそうです。
後楽園ホールのリングを解体して式場に持ち込み、そこでアニメの主題歌歌手・尾藤イサオさんがプロボクサーと模擬ファイトした後、熱唱。
「お前を殺したのは誰だ、誰なのだ、力石よ!」
弔辞者がそう叫んで弔辞文を破り捨てるという型破りの告別式には、平日にも拘わらず小学生から社会人まで約800名が参列、読経が流れる中で焼香をしたそうです。
当時は東大紛争など学生運動が盛んな時代・・・この葬儀の一週間後には犯人が 「我々はあしたのジョーである」と叫んだ〝よど号乗っ取り事件〟(↓)が起きています。
(2002年には同じ講堂で三十三回忌法要が行われ、その時にも約300名のファンが参列したとか。)
現在に至るまで架空人物の葬儀が本格的に執り行われたのは、力石徹、ラオウ(北斗の拳)、マーズ(六神合体ゴッドマーズ)、上杉達也(タッチ) 、ヤン・ウェンリー(銀河英雄伝説)ら。
また法要としては赤木しげる(闘牌伝説アカギ)の十周忌が執り行われ、約1,000人が列をなしたとか。
主役ではない力石徹やラオウの死に、なぜこれ程までに人々が涙するのでしょうか?
(2人とも男臭い、武骨なキャラクターなのは、単なる偶然?)
人間は、2度死ぬ・・・といわれます。
1回目は、肉体が滅んだ時。
そして2回目は、人々の記憶から消えた時だとか。
その意味では、力石徹はまだ1度しか死んでいないと言えましょうか。
・・・さて、皆さんには葬儀を実施してほしい架空の人物は、いますか?
宇宙戦艦ヤマト・ファンの私は、沖田十三艦長の葬儀を・・・と思ったんですが、彼が亡くなったのは2199年という未来の話だから、無理?😣


