それは第二次世界大戦後、米ソが激しく対立していた東西冷戦時代を象徴する出来事のひとつと言えるでしょう。
今から75年前の今日・1951年4月5日、スパイ容疑でFBIに逮捕されたユダヤ人でニューヨーク在住の電気技術者ジュリアス・ローゼンバーグとその妻エセルが死刑判決を受けた、いわゆる
ローゼンバーグ事件
彼らにかけられた容疑は、第二次世界大戦中にロスアラモスの原爆製造工場に勤務していた妻エセルの実弟デビッド・グリークグラスから原爆に関する機密情報を受け取り、ソ連に売ったというもの。
しかしその証拠としてはグリーングラスの証言だけで、夫妻は終始無罪を主張。
アインシュタインや原爆を開発したオッペンハイマーらの科学者や画家のピカソ、更にはローマ法王までが夫妻の冤罪を主張し、西側諸国で大規模な助命運動が行われました。
司法側からは「供述すれば死刑にはしない」という司法取引が持ち掛けられましたが、なぜか夫妻は供述を拒否。
結局「幾千万の生命を脅かすがゆえに、単なる殺人よりも悪い」として言い渡された死刑判決は覆ることはなく、夫妻は1953年6月19日にシンシン刑務所で同じ電気イスにより死刑が執行されたのです。

死刑執行を報じた号外
夫妻はアメリカ史上初めてスパイ容疑で処刑された民間人となり
、冷戦が終わりを告げた1990年代初頭まで、反ユダヤ主義によるでっち上げ事件として東側諸国から批判され続けました。
しかし風向きが変わったのは、死刑執行から40年以上経過した1995年。
旧ソ連の暗号を解読した『ベノナ計画』に関する機密資料が公開され、夫妻が実際にソ連のスパイであり、アメリカの軍事機密の多くをソ連側に渡していたことが明らかに。
またベルリンの壁崩壊後に公開されたフルシチョフの回想録中に「スターリンがローゼンバーグ夫妻から渡された情報が役に立った」という記述があることからも、その事実は裏付けられます。
しかしその情報の機密度がどれくらいだったのかは不明のまま。
また夫妻のスパイ行為を自供したデイヴィッド・グリーングラスは、2001年になって 「自分の妻を庇うために法廷で偽証し、姉の罪を重くした」 と告白。
また当該事件の担当検事ロイ・コーンも 「判事への法廷外での働きかけを駆使し、なかば強引に夫妻の死刑判決を勝ち取った」 と後に自伝で述べていることから、果たして妻エセルが死刑相当の罪を犯したかどうか、疑問ではあります。
真相はおそらく闇に葬られたままになるでしょうが、この事件を通して感じるのは、米ソの情報戦の激しさ。
結果的にスパイ行為があったとはいえ、身内の自供だけで死刑執行するほど、機密漏洩に対しては神経を尖らせていることが、よく分かります。
では、日本はどうか。
相変わらずスパイ防止法はなく、CIAやモサドのような諜報機関もありません。
従って諸外国のスパイが大手を振って日本で活動できる状況。
外国人の人権を大事にして、幾千万の日本人の生命を危険に晒していて良いのでしょうか?😰

