9月25日と10円・・・これだけでピンッ!ときた方は、かなりのカレー通でしょう。
そうです。 今日は、日比谷松本楼の〝10円カレーチャリティ〟が午前11時から行われるのです。
1,000名様限定の毎年恒例イベントですネ。
日比谷松本楼は、1903(明治36)年の日比谷公園と同時に開店した、超老舗のレストラン。
今年は開業120周年にあたります。
※ということで、今年は120円以上の寄付金をお願いするそうですが・・・。
当時は、松本楼でカレーを食べてコーヒーを飲むのが、銀座を闊歩する「モボ・モガ」(って、若い人にはわからないか?😅)にとって最先端の流行だったそうな・・・。
しかし1971年に、沖縄返還協定に反対する暴動学生により放火され、松本楼は全焼。
それから約2年後、即ち今からちょうど50年前の1973(昭和48)年9月25日に新生・松本楼が営業を再開。
その時の感謝の気持ちを込めて、以来毎年この日に10円カレーチャリティセールを行うこととなったのです。
この松本楼は、中国の〝国父〟と言われる孫文と関わりが深いことで知られています。
現在松本楼の代表取締役社長を務める小阪文乃氏の曽祖父であり、日活の創始者である梅屋庄吉氏が27歳の時、香港で29歳の孫文と初めて出会い「アジアは独立自尊の道を確保すべき」という思想で意気投合、「君は兵を挙げよ、我は財を以って支援す」と盟約を結びます。
以来梅屋氏は、映画産業で得た莫大な私財を投じて孫文の革命活動を生涯を通じて支援し続けたのです。
梅屋夫妻と孫文(中央)
孫文自身も松本楼を利用し、また梅屋氏も彼を紹介するために幾度となく各界名士を松本楼に招待して宴会を催したとか・・・。
松本楼〝復活の日〟と言える今日が、孫文の誕生日でもあるのは、単なる偶然だったのでしょうか?
孫文に対して惜しみない支援を行いながら、彼に対しては何も見返りを求めなかった梅屋氏。
そんな彼の口癖は「己を捨ててこそ、浮かぶ瀬もあれ」。
そして座右の銘は「犠牲」であったといいます。
今日10円カレーを口に出来る人も、そして私を含めて食べられない人も、この梅屋氏の精神を噛みしめたいものです。