最 速 | ナベちゃんの徒然草

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還暦を過ぎ、新たな人生を模索中・・・。

早速ですが、クイズです。

〝世界最速の人間〟を決める種目・陸上男子100mにおける現在の世界記録は、何秒?

パッと答えられる人はあまりいないかもしれません。

何故かというと、その記録が生まれたのはもう15年前のことですから。

短距離王国・ジャマイカが生んだ巨星、


 ウサイン・ボルト 選手

が2009年8月16日、ドイツで開催された世界陸上男子100m決勝で叩き出した9秒58が、未だ破られていません。

彼自身がその1年前の北京五輪で出した世界新記録を、ナント0.11秒も上回る驚異的新記録でした。

 

    

それまで0.01秒に凌ぎを削っていた同種目で、一気に0.1秒以上の短縮・・・これはマラソンに換算すると、一挙に1分30秒も世界記録を縮める程の大記録でした。

 

男子100mでは、一昔前まで10秒00が大きな壁として人類の前に立ちはだかっていました。

 

その壁を初めて乗り越えたのは1968年のメキシコ五輪、ジム・ハインズ(米)によって作られた9秒95。

 

それから北京五輪前まで、世界記録を更新したのはカール・ルイス、リロイ・バレルら僅か7名しかおらず、2007年にアサファ・パウエルによって出された記録・9秒74との差は0.21秒。

 

その短縮に40年間かかったのに、ボルト選手はたった1年で0.11秒の記録更新・・・いかに神がかった記録であるかお分かりいただけるでしょう。

 

これは私の主観ですが・・・ハインズ以降の記録更新は、選手の肉体的ポテンシャルの向上よりも、シューズ開発・トラック素材の品質向上などの科学的進歩に負うところが大きかったはず。

 

しかしボルトの記録は、そんな科学技術を超越した彼自身の人間離れした身体能力によって作られたと思うのです。

 

私の手元に、100m競争に関する興味深い一冊があります。

 

     

 

『10秒の壁』(小川 勝・著)という本なのですが、ここに面白いデータが示されています。

 

今まで9秒台の記録を出した選手は、カール・ルイス(188cm)の43.0歩からモーリス・グリーン(176cm)の45.6歩まで、全員が100mを43~46歩未満で走っているとのこと。

 

ところがボルト(196cm)の走りをVTRで見ると、なんと彼はたった41歩 (※これは単純計算で歩幅が2.44m、即ちトップスピード時はタタミ1.5畳弱をひとまたぎの2.75m!😱 ) で駆け抜けているのです!(↓ 4分30秒過ぎから)

 

 

これ一つとっても、ボルトが如何に規格外のアスリートであるかが分かります。

 

一説では、人類の100m走における限界記録は9秒4~5といわれています。

残念ながらボルト選手はこの記録を塗り替えぬまま2017年に現役を引退してしまいましたが、果たしてこの限界記録を超える選手が今後現れるのでしょうか?

因みに先日のパリ五輪の男子100mの優勝タイムは9秒79で、世界記録から0.21秒差。

出来れば私が生きている間にその瞬間を目撃したいものですが・・・ちょっと難しいかも?😣

 

 

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