所有権 | ナベちゃんの徒然草

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還暦を過ぎ、新たな人生を模索中・・・。

早速ですが、クイズです。

〝日本の誇る霊峰・富士山は、誰のモノでしょうか?〟


えっ、国じゃないの?・・・って思った方、多いかもしれません。

 

でもそれは、厳密に言うと正解ではないんです。


国に所有権があるのは、富士山の八合目より下の部分。

それより上の所有者は、公共体ではありません。


富士山測候所跡や登山道などを除く約385万m²の所有権は、富士山本宮浅間大社・・・つまりは神社が持っているのです。

 

今からちょうど50年前の今日・1974(昭和49)年4月9日に、国と同神社が争っていた富士山の所有権訴訟について、最高裁から神社側の所有権を認める判決が出されたから。

 

 

 

富士山の所有権については昔から争いがあったそうで、江戸時代初期から駿河国・甲斐国それに富士山本宮浅間大社が名乗りを上げていたとのこと。

そして1609年、徳川家康が富士山頂を浅間大社のものと認可。

 

これで一件落着・・・と思いきや、その後幾度かの論争を経て、明治維新後には政府が所有権を国に移転。

 

そして戦後施行された新憲法で定められた政教分離により宗教活動に必要な土地の無償譲与が決まったものの、一部しか認められなかったことを不服とした神社側が国を相手取って1957年に名古屋地裁に提訴。

 

一・二審の勝訴に続き、17年かかって遂に8合目以上の所有権を確定したのです。

 

しかし実際に財務省関東財務局が浅間大社に土地を無償譲与する通知書を出したのは、同判決から30年も経過した2004年のことでした。

 

それは何故か?

 

これには、長年続く静岡県と山梨県の県境論争が大きく関わっています。

 

県境が確定しておらず、土地の測量・登記簿の作成が出来なかったため移転登記が出来なかった・・・というのが、その理由。


判決後30年経過しても決着しないため業を煮やした神社側からの要請に応じ、仕方なく譲与の通知書を交付したのだとか。

 

そして両県の間で争われているこの境界問題、実は今も決着していません。

 

皆さんには、一度ネットで地図を確認していただきたいのですが・・・富士山の中腹で県境線が切れているんですョ。(↓)

 

 

従って、富士山頂には現在に至るまで地番がないんです。

 

では山頂の郵便局や神社に郵便を出す時はどうするのか? 
その場合の宛先は、

 

『〒418-0011 静岡県富士宮市粟倉地先』

 

になるのだそうな。 

これは浅間神社の本宮が富士宮市にあるからなのでしょうが、山梨県民にはこれ自体面白くないかも。

 

日本人同士の県境でさえこうなんですから、人種が違う国境問題の解決がいかに難しいか・・・想像に難くないですょネ。😰


        
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