【葬儀屋時代の思ひ出】 陰 口 | ナベちゃんの徒然草

ナベちゃんの徒然草

還暦を過ぎ、新たな人生を模索中・・・。

東京23区内で葬儀を執り行う場合、ごく稀な自宅葬を除く大半は

①区営斎場 
② 大手葬儀社所有の式場

③寺院付属の会館
④火葬場併設の斎場

 

のいずれかを利用することになります。

私が経営していた小さな葬儀社は式場を所有していませんでしたから、選択肢は①・③・④のいずれか・・・お客様のご要望をお聞きした上でいくつかの式場をご紹介し、その中から選択していただくのが一般的でした。

しかしその時のご葬儀は、打ち合わせの際に喪主様から、

「ウチは〇〇寺の檀家で、住職から葬儀は寺院会館で執り行うように言われました」

というお話があり、式場はすんなり(?)決定。

その時は葬儀社を立ち上げてまだ日が浅く、その会館を利用するのは初めてでした。

打ち合わせ後、各業者に施行内容を連絡したところ、料理業者の担当者が

「えっ、〇〇会館ですか!?」

と驚くではありませんか。

「どうしたの?」 と聞くと、

「いやァ、社長。 その会館は管理人がすごく細かくてうるさいので有名なんですョ。」

「あらま、そうなの。 でもご喪家の菩提寺で指定だから、どうしようもないんだ。 ま、よろしく頼みますょ。」

そして通夜当日、設営の為昼過ぎに会館に到着した私は、すぐ管理人にご挨拶に伺うと、

「あなた、見たことない顔ネ。 ウチを使うの初めてでしょ。
じゃあ注意書あげるから、コレよく読んで粗相のないように。」

と1枚の紙を渡されました。

「使わせてやる」という上から目線の言い方にカチンと来ましたが、そこは抑えてニッコリ微笑みながら

「分かりました。 では2日間よろしくお願い致します。」

と頭を下げたものの、渡された注意書きを読むと、そのあまりの細かさに血圧は上昇。

祭壇の設営や式場内の準備が終わった午後4時30分過ぎ、ご遺族の皆さんが式場に到着され、控室に案内したところで料理業者も式場入り。

早速パントリーで担当者と打ち合わせをしながら

「いやァ、聞きしに勝る細かさだねェ。 管理人も高飛車だし。
2日間思いやられるワ。」

などと話していたら、そこに 「すみませ~ん、ビールとジュース持ってきました~」 と酒屋さんが入ってきたのです。

     

「あっ、お疲れ様!」

と声をかけて打ち合わせを続けようとしたら、料理業者が連れてきた配膳の女性が、酒屋さんの後ろから口に人差し指を当てて私の顔を見るんです。

一瞬(ん?)と思ったんですが、咄嗟に打ち合わせを中断。
そして酒屋さんがパントリーから出て行った直後、

「なに、どうしたの?」と配膳さんに尋ねたら・・・何と、

「社長、あの酒屋さんは管理人の弟なんですョ。」

なんでも以前、そうとは知らなかった別の葬儀社が管理人の悪口を酒屋さんの前で言ってしまい、それを告げ口されて散々イジメられたことがあったそうな。

もしその配膳さんがいなかったら、私もどうなっていたか・・・。😱

通夜終了後、その配膳さんに缶コーヒーを驕ったのは言うまでもありません。

「壁に耳あり障子に目あり」と言いますが、知らない人間の前では他人の陰口を叩かない方が無難ですネ。

その後何回かその会館を利用したいというご客様と(事前)打ち合わせをさせていただきましたが、私がどう回答したか・・・は、ご想像にお任せします。😅

 

 

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