来月26日に開会式が行われる、第33回夏季オリンピック・パリ大会。
その時メイン会場等ではためくであろう、オリンピックの象徴とも言うべき5つの輪によって描かれている
オリンピック・シンボル
が正式に採用されたのは、今からちょうど110年前の今日・1914年6月14日のことでした。
発表されたのは、当時開催されていたIOC(国際オリンピック委員会)設立20周年記念式典での席上。
これを考案したのは、近代オリンピックの創始者・クーベルタン男爵でした。
その基となったのは、古代オリンピック開催地のひとつであり、古代ギリシァのポーキス地方の一都市・デルポイ(Delphoi )の祭壇に刻まれていた紋章。(↓)
ここから着想を得たと伝えられています・・・が、私の目にはそのままパクッたとしか思えませんけどネ。😅
これに左から青・黄・黒・緑・赤の5色をつけ、5大陸相互の結合・連帯をイメージしています。
青 → オセアニア
黄 → アジア
黒 → アフリカ
緑 → ヨーロッパ
赤 → アメリカ
を指す・・・とする意見もありますが、IOCの正式見解では具体的に色と大陸をマッチングしてはいません。
それにこのマークは単色で使われることもありますから。
ただクーベルタン男爵は、
「この5色に地の白色を加えれば、参加国全ての国旗を描ける」
と書き残しているそうですから、世界融和を念頭に置いていたことは間違いないでしょう。
またその形が〝W〟型なのは、“World ” の頭文字だとする説もありますが、これも明確ではありません。
デルポイの紋章が同じ構図ですし・・・。
今ではすっかり定着しているこの五輪マークですが、これが染め抜かれた五輪旗が実際に競技場ではためいたのは、発表から6年後の1920年に開催されたベルギー・アントワープ大会から。
あれ、1916年は? と思ったら、その年に開催が予定されていたドイツ・ベルリン大会は第一次世界大戦のため中止されていたんですネ。
1940年に開催されるはずだった東京大会(冬季は札幌)、また1944年開催予定だったロンドン大会(冬季はコルツィナ・ダンペッツォ)も戦争のため中止・・・平和の祭典も、戦争には勝てないのが現実。
今後2度と戦争によってオリンピックが中止にならない事を、また2020年の東京五輪のようにウィルス蔓延によって延期にならないことを切に願うばかりです。