接 客 <最悪編> | ナベちゃんの徒然草

ナベちゃんの徒然草

還暦を過ぎ、新たな人生を模索中・・・。

60年以上生きてきた間、私は様々な経験をしてきました。

損保の営業マンや葬祭業を通じ、いろいろなお客様との交流がありましたし、自分がお客として利用した飲食店やタクシーなどの乗り物でも・・・。

今日は、その中でも過去最悪(最強?)の体験談をご披露致します。


あれは今から45年程前・・・私が大学1年生の夏でした。


カンカン照りの猛暑の中、野球部の練習が終わってクタクタに疲れた私はスタミナをつけようと、下宿に帰る前に肉料理を食べさせてくれる店に入りました。


時々行くその店は、店員とも顔馴染み。 


「おっ、いらっしゃい。 今日は暑かったねェ~。」

 

なんて女将さんに声をかけられつつ、いつものカウンター席に腰をおろして、「すみません、焼肉定食ください」 とオーダー。


10分程すると、ジュ~ジュ~音を立てながら運ばれてきました。

 

「いただきま~す!」 と割り箸を手にするや否や、ガッつく私。

 

ひとしきり焼肉とご飯を口に運び、味噌汁のお椀に手をかけたその時でした。


(んっ?)


何かが味噌汁の中でうごめいているではありませんか。


よ~く見ると、それはカマドウマ でした。

 

って、皆さんはカマドウマってご存じですか?

 

最近ではすっかり見かけなくなりましたが、私が子供の頃には台所の片隅でジッとしていたのを見かけた、コオロギの親戚みたいな虫なんですが・・・早い話が、こんなヤツです。(

 

     ウォームハート 葬儀屋ナベちゃんの徒然草

 

コイツが味噌汁のワカメに絡まってもがいていたんです。😱

 

さすがの私も驚いて

「ちょっと、女将さん。 こ、これ・・・。」

とお椀を手に持って、カウンターの中にいた女将さんに見せたんです。 すると彼女は、 

 

「あらっ、ごめんごめん!」


と言ってお椀の中のカマドウマを指でつまむと、それを足元のゴミ箱にポイッ。


そして何事もなかったように仕事を続けたんです。


(えっ? えっ?)


あまりの平然というか堂々とした振る舞いに、田舎者の私は声も出ず。 両隣で食べていた他の客もただ唖然とするばかり。


結局私は味噌汁の交換も言い出せず、さりとて腹ペコで残すのももったいなくて・・・イナゴの佃煮を頭に描きつつ、その味噌汁を飲み干してしまいました。


完食してレジでお金を払う時も、女将さんは 「はいっ、680円!」 としっかり定価を取りました。


思えば私、あの時からオバサンに頭が上がらなくなったかも。😰


えっ、当然二度とその店には行かなかったんだろうって?

 

いえ、その後も通い続けましたョ。 だって下宿の近くで焼肉食べられる店は、そこだけだったんですもの。

 

いわゆる寡占企業の強さってやつでしょうか。

現代なら一部始終をスマホで録画・拡散されて、店は潰れるくらいの打撃を受けるでしょうが、古き良き(?)時代のお話しでした。



         人気ブログランキング