今日は、昨日の記事〝ガッツポーズ〟の元祖・ガッツ石松さんに敬意を表し、これまた以前拙ブログでご紹介した『1日1話 読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』(↓)から彼のエッセーを一部編集にてご紹介致します。
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俺だって本当は高校に行きたかったけど、そんな余裕がある家庭じゃなかったからね。
じゃあ、何も持たない自分が這い上がるにはどうすればいいか。
体一つで戦えるボクシングしかないと思った。
とりあえず近所の人の紹介で東京の会社に就職しました。
入社してすぐ、会社のみんなで元フライ&バンタム級世界チャンピオン・ファイティング原田さんの試合中継を見ていた。
その時、俺は社長さんに 「俺もボクサーになりたいから、ボクシングジムに通わせてください」 と申し出た。
すると社長さんは、「おまえみたいな人間が、あんな偉い人間になれるわけがない」 と言ったね。
まだ15歳だよ、ショックだったな。
ああ、東京も田舎も一緒だ。 俺みたいなやつにチャンスはないんだ、と思ってすぐに会社を辞めて田舎に帰った。
村の人たちに見つかると 「あそこの息子、もう仕事を辞めて帰ってきた」 と噂されるから、真夜中にひっそりと帰って昼間は誰にも見られないようにふるさとを歩いたんだ。
山、川、田んぼ、畑・・・ふるさとの自然に抱かれているうち、「よし、俺はやっぱり東京へ行く」 という思いが湧いてきた。
もう1回上京する日、おふくろはいつも通り朝早く土方仕事へ出て行った。
帰って来た数日間も、忙しくてろくに話も出来なかったから、駅に向かう途中仕事場に立ち寄ってみたんだね。
「もう1回東京に行ってくるぞ」
と言うと、おふくろは泥だらけの手で前掛けのポケットをごそごそやって1枚の千円札をくれたんだ。
俺がいつも悪さばかりしていたから、「サツ(札)はサツでも、警察のサツは使えねえぞ」と言ってね。
そして、ハラハラと涙をこぼしたかと思うと、
「偉い人間になんかならなくていい。 立派な人間になれ。」
と言った。
うちのおふくろさんは学歴はないけど、やっぱり苦労を重ねて生きてきた人だから言葉に力があったよね。
ずっと心に沁みて、それは今でも忘れない。
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当時の日当は240円だったそうですから、千円はおふくろさんにとっても大金。
ガッツさんはこの千円札を何倍にもして返してやろうと決意し、頑張って頑張ってチャンピオンになって、稼いだお金でご両親のために新しい家を建てたんだそうです。
その千円札は使うことが出来ず、アイロンをかけて綺麗に伸ばし今でも大事に保管しているとのこと。(↓)
ガッツさん、おふくろさんの願い通り立派な人間になりましたネ。😊