帰 国 | ナベちゃんの徒然草

ナベちゃんの徒然草

還暦を過ぎ、新たな人生を模索中・・・。

今からちょうど20年前の今日・2002(平成14)年10月15日、日本で非常に重大な出来事がありました。

 

しかし、それが何だったのか?・・・日付だけで言い当てられる日本人は、今どれ程いるのでしょう。

 

同日午後2時30分、羽田空港に着陸した飛行機のタラップから降りてきたのは・・・地村保志さん、蓮池薫さんら5人の北朝鮮による拉致被害者でした。

 

     

 

この前月の電撃的(?)な小泉首相訪朝により、かの国の最高権力者・金正日は拉致事実を認め謝罪。 

 

被害者5人の帰国を認めたものの、他8人の被害者は死亡していると言明。

 

    

 

当初5名は数日の滞在後北朝鮮に戻る予定でしたが、結局日本に帰国したままとなり、これを約束違反として北朝鮮は態度を硬化。

 

(そもそも営利誘拐犯人の手に、取り返した人質を再度戻すなんてバカなことをする肉親がどこにいるのでしょう。 

 

これを国同士の約束を破ったと政府の対応を批判する日本人がいる事自体、私には信じられませんが・・・。

拉致被害者の再送還を頑強に拒否したのは、当時官房副長官で今年7月凶弾に倒れた故・安倍晋三元総理でした。

 

以降再度小泉首相が訪朝したにもかかわらず、拉致問題の解決には殆ど進展が見られないまま現在に至っているのは皆様もご存知の通り。

 

この拉致問題において最も象徴的な被害者と言える横山めぐみさんが忽然と行方不明になったのは、1977(昭和52)年のこと。


当初はその他の拉致事件共々、個別に神隠しの如く扱われていましたが、1987年に起きた大韓航空機爆破事件の犯人・金賢姫(↓)の供述から、李恩恵なる日本人教育係の存在が明らかに。

 

     

 

翌1988年には国会で野党から北朝鮮による拉致事件の存在について質問が出たものの、政府(竹下首相)は当初明確な答弁を行わず、その数ヵ月後に漠然とではありますが拉致の疑いをやっと認めました。

 

その後1997年に横田めぐみさんの実名報道がなされることにより、ようやく国民の関心が高まったものの、一方では土屋公献・元日弁連会長が「拉致問題は存在しない。日本政府の詭弁である」旨の発言をしたり、社民党は「拉致問題は捏造」と主張する論文をHPに掲載していました。

 

外務省・政府筋も、この拉致問題については(かなり以前から)ある程度の情報把握をしていた模様ですが、調査・交渉を行わないどころか、問題の表面化を食い止めようとしたフシも。 

責任を取りたくない故に国民の不利益になるような不作為・隠蔽を働く官僚や役人には、本当に腹が立ちます。

 

小泉再訪朝後は、米・ロ・支那を交えた6ヶ国協議などの国際会議に於いて、拉致問題は徐々に主要課題ではなくなっています。

 

しかし私は、拉致問題は政治の駆け引きとは別枠だと思うのです。

 

そもそも拉致とは国家による(営利)誘拐、すなわち犯罪でしょう。

 

核問題とは全く切り離して、日本と北朝鮮の2国間で話をつけることが筋だと思うのですが、現内閣には拉致問題担当(官房長官が兼務)がいるものの、普段何をやっているのか全く伝わってきません。

 

一刻も早く、めぐみさんや他の拉致被害者が肉親と再会できる日が来ることを願いたいですが・・・日本の脆弱な外交手腕では、かの国の大きな政変を期待する以外、もはや道はないのでしょうか?

 

     
        北朝鮮が公表しためぐみさんの写真



          人気ブログランキング