ラスト・ラウンド < 中> | ナベちゃんの徒然草

ナベちゃんの徒然草

還暦を過ぎ、新たな人生を模索中・・・。

3日後は、2人の思いが通じたかのような清々しい快晴の朝を迎えました。

 

Bさんは、車でAさんの自宅に寄って奥さんからキャディバックを受け取ると、病院へ。

 

Aさんは既に着替えを済ませ、ニコニコして待っていました。

 

「おっ、気合入ってるねェ。 じゃ、行こうか。」

 

Aさんは看護師さんに見送られ、Bさんの運転でゴルフ場へと出発。

 

平日早朝の東北自動車道下り線は思いの外空いており、コースへは1時間30分程で到着。

 

早めに着いたのでティーラウンジで一服していると、顔馴染みのマスターが笑顔で声をかけてきました。

 

「おやっ、Aさん、お久しぶり! 今日はBさんと2人っきりでデートですか? いい天気で良かったですね。」

 

そういうと、彼はソソクサと厨房へ。

 

(受付の時に顔を合わせた支配人といい、マスターといい・・・妙に忙しそうだな。)

 

とAさんは思ったかもしれません。

 

実はゴルフ場の幹部には、予めBさんから事情を聞いた支配人から事の仔細が伝えられていました。


彼らは事情を知っていたからこそ、普段通りに接しようと思っていたのですが・・・いざAさんの顔を見ると、それはあまりに辛く簡単な挨拶をするのがやっとだったのです。

 

やがてスタート時間となり、2人は1番ティーへ。

そこには支配人が気を利かせて用意してくれた電動カートと、馴染みのキャディーさんが待っていました。

 

「おはようございま~す。」

 

「おはようさん。 

 今日は2人だけでゆっくり回らせてもらうょ。 よろしくナ。」

 

とBさん。

 

「は~い、わかりました。 よろしくお願いします。」

 

キャディーさんも精一杯の笑顔でAさんに挨拶するものの、言葉はいつもより少なめ。

 

「おはよう、よろしく頼むょ。 じゃ、今日は後ろに誰もいないから “青マーク” からやらせてもらおうか。」

Bさんはそうするがために、敢えて最終組を予約していたのです。

いこの間まで、何度も月例競技で立ったバックティー。

見慣れたスタートホールの風景が、目の前に拡がります。

     

 

オナーのAさん・・・久しぶりなのに、いきなりナイスショット!

 

「おぉっ、スゲェな。 じゃ、こっちも遠慮なくやらせてもらうゼ。」

 

Bさんも鋭い弾道でフェアウェーをキープ。

さすがは2人とも月例Aクラスで鳴らすシングルプレーヤー。

 

しかし、Aさんの飛距離は目に見えて落ちていました。 

 

いつもなら楽々パーオンできるミドルホールなのに、この日は2打では届かず。 

サンドウェッジのアプローチでグリーンエッジ近くに3オン。

 

「さぁ、オマエからだぞ。」

 

Bさんに声をかけられ、パターをキャディーさんから受け取ったAさんは、約15m程のパーパット。

 

カップに向けて強めにヒット・・・のはずが、ボールは僅か2m程しか転がらず大ショート。

 

ダフッたのか?

 

黙ってボールのそばまで近づいたAさん、アドレスして打ったセカンドパットはまたもや2m弱しか転がりません。

 

一体、どうして?

        

        ・・・・・To be continued  

 

 

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