「日本の俳優で、最も総理大臣に適役なのは?」 と問われたら、皆さんは誰の名を挙げられるでしょうか?
年代によって答えは様々でしょうが、私にとってはこの方がNo.1。
そう
山村 聰 さん
今日は、私と同年代以上の方にはお馴染みの、この名優の命日にあたります。
1910年に奈良県天理市に生まれた山村(本名:古賀寛定)さんは、一高 → 東京帝国大学文学部という秀才コースを歩みましたが、大学卒業後はなぜか研究劇団に入団して役者の道に。
戦後1946年に映画に初出演し、1950年には小津安二郎監督作品 『宗方姉妹』 に主演、第1回ブルーリボン賞・主演男優賞を受賞。
また自らプロダクションを立ち上げて映画監督も務めました。
私が山村さんを初めて画面で見たのは、おそらくTVドラマ 『ただいま11人』 だったと思います。
さすがにストーリーは憶えていませんが、(現在では殆ど見られないような)大家族の中で悠然と構えた家長たる父親役・・・という姿がうっすらと脳裏に残っています。
そして山村氏は父親役もさることながら、大物役も板についていました。
中でも印象的なのは、日米合作映画 『 トラ トラ トラ!』 における山本五十六元帥役。(↓)
その知性と威厳溢れる立ち居振る舞いは大将役の風格十分、本物の山本元帥もかくあらん・・・という名演でした。
また時代劇では 『あゝ忠臣蔵』(1969年)の大石内蔵助役、『必殺仕掛人』(1972~73年)での元締・音羽屋役や 『柳生一族の陰謀』 (1978~79年)での柳生宗矩役が見事にハマッてましたネ。
また映画・ドラマで通算4度も総理大臣役を演じ、トヨタ・クラウンのCMにも長く起用されたのも頷ける、風格ある俳優でした。
まもなく60歳にならんとする私ですが、今でもああいう威厳のある男になりたい・・・そう思わせる山村さんが急性心筋梗塞で90歳の生涯に幕を閉じたのは、2000年5月26日のこと。
今宵は久々に映画 『 トラ トラ トラ!』 を観つつ、日本を代表する大物俳優のご冥福をお祈りしたいと存じます。