爆 破 | ナベちゃんの徒然草

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還暦を過ぎ、新たな人生を模索中・・・。

9・11の同時多発テロ事件が起きるまでは、アメリカ史上最悪の爆破テロでした。

それは、今から23年前の今日・1995年4月19日に同国南中部にあるオクラホマ州の州都で起きた


 オクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件

Oklahoma City bombing

 

    

 

同日午前9時過ぎ、オクラホマシティ連邦地方庁舎の正面玄関前に停められていた2トントラックに積まれていた大量の(ニトロメタンと硝安を合成した)ANFO爆薬が爆発。

その威力はマグニチュード3.0に匹敵したと言われる凄まじさで、鉄筋コンクリート造9階建ての同庁舎の約80%を破壊。

子供19人を含む168人が死亡し、850人以上が負傷するという大惨事でした。

 

    


事件当初は犯行声明が無かったため、犯行はネオナチあるいはイスラム過激派によるものと思われました。

※実際事件直後にオクラホマシティ付近に住むアラブ系住民数十人が一時警察に身柄を拘束されましたが数時間後に釈放されており、この模様は映画 『マーシャル・ロー』(1998年公開)で描かれています。

ところがトラックのレンタル料収書や目撃証言から逮捕されたのは、アメリカ国籍の白人ティモシー・マクベイと彼の友人。

しかも主犯のマクベイがかつてアメリカ陸軍々人だったことは、国内に大きな衝撃を与えました。

 

       

               Timothy James McVeigh

 

1968年にニューヨーク州で生まれたマクベイは、両親と姉・妹の5人家族でしたが、母親が突然家出・疾走するというショックに見舞われたことが。

それでも敬虔なカトリックだった父と共に毎週教会に通い普通に育ったという彼は、シャイで女性とまともにデートもできなかったそうですが、1988年に陸軍入隊。

湾岸戦争に従軍し、1発の銃弾で敵2人を同時に倒すなど狙撃の腕前はトップクラスで、ブロンズ・スター・メダルを授与されていました。

しかしグリーン・ベレー入隊を望んでいた彼は、湾岸戦争終結後に編入プログラムを受けたものの、2日目に体力的な理由から外されてしまいます。

そのショックで、彼は1991年に除隊・・・可愛さ余って憎さ百倍と言いますが、この挫折が彼の愛国心をアメリカに対する憎しみに変えてしまったのかもしれません。

 

除隊後警備員などをしていた彼は、キリスト教系団体の武装カルト集団ブランチ・ダビディアンを制圧した政府の対応に憤り、同団体とFBIが銃撃戦を繰り広げ80人以上の信者が殺された 『ウェイコ事件』 が起きた1993年4月19日のちょうど2年後のこの日に犯行を企てたのです。

ビルの構造を調べ上げ、1階の玄関前で爆発させるのが最も効果的と計算した上でそこに爆薬満載のトラックを停め、自らは安全な場所に身を隠して起爆スイッチを入れるという実に悪質な犯行手口により、その玄関付近にあった託児所にいた子供も多数犠牲に。

しかし事件後オクラホマ州内の高速道路を有効でないナンバープレートを付けて走行しているところをパトロール中の警官に発見・制止され、無許可で重火器を所持していたことから身柄拘束。

その3日後、公開された似顔絵からビル爆破犯であることが判明し、逮捕されました。

1995年8月に11件
の連邦法違反と8件の第一級殺人罪により起訴されたマクベイには、80%の国民が望んだ通り連邦裁判所は死刑判決を下します。 (※共犯者には終身刑と懲役12年)

 

2001年6月11日、薬物投与による死刑執行が為され、その様子は被害者遺族に監視カメラを通じて公開されました。

しかし、そのちょうど3ヶ月後に〝アメリカ同時多発テロ〟が起きることは、誰も知る由はありませんでした・・・。
うー

 

 

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