メロン財閥・デュポン財閥と共にアメリカ三大財閥のひとつであり、かつロスチァイルド家と並んで世界2大財閥のひとつである財閥とは・・・もう、皆さんはお分かりですょネ。
今日は、嘗てアメリカの〝石油王〟といわれたスタンダード・オイル社の創業者にして、毎年クリスマス・ツリーの点灯式で話題になるビルに名を残す財閥の創始者、
ジョン・デイヴィジョン・ロックフェラー・シニア
John Davision Rockefeller Sr.
の命日・没後80周年にあたります。
ロックフェラーは、1839年にニューヨーク州リッチフォードで6人兄弟の2番目として生まれ、クリーヴランドに転居後16歳で働き始めます。
山師的な父親を見て育ちながらも幼少時から真面目だったという彼は、16歳で簿記助手の仕事を得て経理や会社経営の基礎を学ぶと早くから石油事業に関わりを持ち、1870年に数人の仲間とスタンダード・オイル社を設立し、社長の座に。
狡猾なビジネス手法を駆使して急成長を遂げた同社は、やがてアメリカ国内における原油生産・石油精製・販売に関する支配権を手中に収め、市場の殆どを押さえるまでになりました。
あまりの独占ぶりに最高裁から分社化命令を出され、37の新会社に分割。
それらがエクソン・モービル社やシェブロン社の前身となりましたが、彼は1911年まで社長に君臨し続け、アメリカ人で初めて10億ドル以上の資産家すなわち〝ビリオネア〟となり、現代の貨幣価値にして20兆円以上(!)の資産を手にしたといわれています。
ロックフェラーのビジネスは、ライバル会社に十分な買収価格を提示して売却を迫り、条件を飲まなければ倒産に追い込むという強引な手法を駆使して急速に会社を大きくしたため、決して世間の評判は良くありませんでした。
それ故でしょうか、58歳で事業からの引退を表明した後は慈善活動に没頭・・・1913年にロックフェラー財団を創設し、医学界を始め各方面に総計約5億ドルもの個人資産を投じたといわれています。
(強いバプチスト信仰に基づいた慈善活動だといわれていますが、相続税対策も兼ねていたことは否定できません。)
一方で、自らのファミリーには莫大な生前贈与も行い、その資産はしっかりと子孫に受け継がれているようです。
万全(?)の資産管理を行った末に、彼は1937年5月23日に97歳でこの世を去りました。
一代でアメリカ最大の財閥を築いた彼の蓄財術や生き方に興味のある方には、彼の名言・至言を集めた、この本をオススメします。
『ロックフェラー お金の教え』
(中島早苗・訳 サンマーク出版・刊)
彼の息子・ロックフェラー2世は、ロックフェラー・センタービルの建設に関わるなど投資家・慈善家として有名。
そして孫のネルソン・ロックフェラーはフォード大統領政権下で副大統領を務め、もう一人の孫もアーカンソー州知事。
さらに曾孫・ロックフェラー4世は現職の上院議員・・・その勢力はアメリカ政財界に深く、そして静かに根を張っているようです。
現在の世界は、米ロックフェラー財閥と欧州ロスチャイルド一族が動かしている・・・そう言っても過言ではないでしょう。
とすれば、アメリカの大統領は単なる操り人形?
最後に彼の遺した言葉を、いくつかご紹介します。
「ビジネスの世界では、忍耐こそ何にも勝る美徳なのである。」
「金持ちになることが君の唯一の目標なら、君は絶対に金持ちになれない。」
「いつまでも自分の役に立つのは、自力でしたことだけだ。」
「若者にとって最も大事なのは、信用(名声と人格)を確立することだ。」
若者には是非耳を傾けていただきたい、至言ですネ。