皆さんは、もう贈ったりいただいたりしましたか?
我が国に定着している風習のひとつ、
御中元
を。 元々は、中国における道教の行事である〝三元〟のひとつ、中元(※一日中火を焚いて慈悲神を祀るもの)と、日本にあった盂蘭盆会 (うらぼんえ=お盆) の行事が合体し、祖先の霊への供物や両親への食べ物を贈る習慣になったもの。
更に、明治30年頃から親戚や目上の人、また日頃お世話になった方に進物するという現代の形に変化したとか。
そして今日・7月15日が、その〝中元〟 にあたる日なのです。
ところで御中元を贈る期間は、一般的には6月下旬から8月上旬ですが、地域によって多少違いがあるようですネ。
関東地区では7月初旬~15日頃までで、それ以降は〝暑中御見舞〟、更に立秋(8月7日頃)を過ぎると〝残暑御見舞〟となるようです。
未だお中元を贈っていない方、急ぎましょうネ!
また仕事柄、時々質問されるのですが・・・当方あるいは先方が喪中の場合でも、御中元はお祝いの品ではないので、贈ることは非礼になりません。
ただし四十九日を過ぎていなかったり、あるいは先方の状況によっては時期をずらして、暑中御見舞あるいは忌中御見舞としてお贈りする方がベターかも・・・。
さて、私が『御中元』 で思い出すのは、学生時代・・・春のリーグ戦終了後、夏の合宿費稼ぎのために某一流デパートのお中元発送作業のバイトで毎日のように晴海埠頭の配送センターに通ったこと。
1年生から通い始め、3年生の時には〝主任〟の肩書をもらって年下の学生を指導していた私は、小さい箱なら1分間に6~7個の包装ができました。
そのスキルは、葬儀屋となった今、ドライアイスを包むのに役立っています。
まァそれはともかく、今でも憶えている出来事があります。
それはある日、何気なく発送伝票を見ると、送り主欄に当時の日本人なら誰でも知っているような某団体会長さんの名が。
(へぇ~、さすがは一流デパート・・・この方もココを使ってるんだァ。)
なんて思いつつ、品物を見たら、なんとたった1,000円の靴下セット。
何枚か伝票をめくると、受取人欄には当時の政治家や著名人の名がズラリ。
(な~んだ、こんな有名人達に靴下なんか贈るんだァ。)
と一瞬ガッカリというかビックリしたんですが、直後にそんな気持ちは吹っ飛びました。
だって、その有名会長さんの発注数が、1,500個以上あったんですもの!
40年前、お中元だけで150万円以上の出費。
有名人って大変・・・というか、それだけの数の手書き伝票を書いた方に同情したものです。
かく言う私も、その靴下セットの包装・伝票貼付だけで丸1日を要しましたが。
でもそのデパートの名前が側面に出るように包装し、それを積み上げるとキッチリその名前が並んでいる光景は、我ながら壮観でした。
今みたいに携帯やスマホがあれば、撮影したのに…残念。
昔と違って、現在は何かと〝付け届け〟 にはうるさいご時世。
政治家や著名人の方々は今、どんなお中元を贈っているのか、ちょっと興味があります。
あっ、政治家は贈ったら政治資金規正法に引っかかるか。