これがテストの点だったら赤飯モノですが、残念ながらさに非ず。
いや、むしろそれよりも〝奇跡〟といえる得点なんです。
アメリカ・プロバスケットボール(NBA)では、1試合の平均得点が100点前後で勝敗が決まるのですが、なんとその100得点を1人で叩き出した選手がいるのです。
今日は、その〝不滅の伝説〟を作り出した米プロバスケットボール界のスーパー・スター、
ウィルト・チェンバレン 選手
(Wilt Chamberlain )
の命日にあたります。
身長216cm・体重125㎏という、大男揃いのNBAの中でもひときわ巨体を誇るチェンバレンは、1936年フィラデルフィアに生まれました。
10歳で183cm、高校入学時に211cmあった身長に加え、走り高跳びで198cmを跳ぶ身体能力を有する彼は、子供の頃から図抜けた存在でした。
以前ご紹介した現在のNBAのスーパースター、レブロン・ジェームス同様、高校時代は敵なし。 決勝戦で相手校を83-42という大差で破るダントツの強さ。
本人もオールアメリカンに選ばれ、激烈なスカウト合戦の末にカンザス大学に入学。
ここでもオールアメリカンの1stチームに選出されましたが、卒業を待たずプロ入り。
当時としては破格、歴代最高額30,000$の契約金で地元フィラデルフィア・ウォリアーズに入団。
そしてデビュー戦でいきなり43得点28リバウンドを叩き出すと、シーズン中に50得点以上を7回記録し、リーグ史上最高のアベレージ37.6得点を達成。
新人王はもちろん、得点王・リバウンド王・オールスターMVP・シーズンMVPの5冠を達成、早くもスーパースターの地位を確立してしまったのです。
そして冒頭の100得点が生まれたのが、3年目・1962年の対ニューヨーク・ニックス戦でした。
その日第3Qまでで既に69得点をあげていたチェンバレンに新記録を達成させようとチームメイトはボールを彼に集め、反対にニックスは勝敗をそっちのけでそれを阻止しようとファールで対抗するなど大荒れの試合になったそうですが、結局残り46秒で彼は100得点を達成。
ところがそれと同時にファンがコートになだれ込み、試合はそこで終了。
169-147でウォリアーズの勝利となったのですが、観客の乱入がなければもっと得点は伸びていたでしょうネ。
1968年には名門ロサンゼルス・レイカーズに移籍し、空前絶後の33連勝に貢献するなど活躍。
1973年に引退するまでの14シーズンで総得点31,419は歴代4位。
一試合平均得点30.1など、現在でも多くのNBA記録を保持しています。
大男、総身に知恵が・・・なんていう諺がありますが、彼の場合はそれには当てはまりませんでした。
非常に物静かな性格で、4ヶ国語を操る高い知能も有していたとか。
それゆえでしょうか、引退後もナイトクラブ経営や数々のスポーツチーム・オーナーも務めるなどの成功を収めました。
しかしその巨体は彼の心臓に大きな負担をかけていたようです。
もともと心臓疾患を持っていたそうですが、1999年に症状が急激に悪化。
10月12日に自宅で就寝中に発作に襲われ、63歳でこの世を去りました。
助走なしでフリースローラインからダンクシュートを決められたという彼のプレーは、残念ながら当時は日本で殆どテレビ中継されることはなく、中学時代にバスケットをやっていた私にとってはK・A・ジャバーと共に〝見たことのない憧れのプレーヤー〟でした。
しかし有難いことに、今はその当時のVTRを見ることができます。(↓)
< http://www.youtube.com/watch?v=T2Z4en6i9MM >
現役時代の雄姿を楽しみつつ、〝伝説の巨人〟の冥福をお祈り致します。