石ころ | ナベちゃんの徒然草

ナベちゃんの徒然草

還暦を過ぎ、新たな人生を模索中・・・。

野球において、ピッチャーはよく〝お山の大将〟と言われます。


「オレが投げなきゃ、試合は始まらないんだ!」 という自負が、我がままにさせる原因だと・・・私自身も投手でしたから、敢えてそれは否定しません。あせあせ


しかしそのピッチャーがいても、彼らがいなけれぱ試合は始まりません。

それは、ルール上グランドの〝石ころ〟扱いされている・・・審判。


普段は殆ど注目されることはなく、選手は攻守交代で休めるのに炎天下でも雨が降ってもグラウンドに出ずっぱりの重労働。


にもかかわらず、たったひとつでもミス・ジャッジをすれば選手・ファンからは総スカン・・・プロ野球の審判は、ある意味損な役回りが多い仕事といえましょうか。


その審判員はプロ野球機構に所属するサラリーマン・・・だと思っている方が多いかもしれませんが、実は彼らは個人事業主。


定年(現在は58歳)があるものの、プロ野球選手と同じく年俸更改制度ですので事務局から契約更改通知が送られてこなければ、クビ。


しかも退職金も年金もナシ。驚き顔


そんな不安定な職業を自ら志願し、29年間もマスクをかぶり続けた元審判員が、面白い本を出版されましたのでご紹介致します。 表題は、


 『プロ野球審判 ジャッジの舞台裏』 (北海道新聞社・刊)


         ウォームハート 葬儀屋ナベちゃんの徒然草


審判員の著作としては、一昔前に読んだメジャー・リーグの名物審判だったロン・ルチアーノ氏による、その名も当時の人気映画 『スター・ウォーズ』 に引っ掛けたThe Umpire Strikes Back (アンパイアの逆襲)〟が面白かったので、この本も期待して読んだのですが・・・登場人物がよく知る日本人選手なこともあり、十二分に楽しめました。


著者は、山崎 夏生 氏。


審判員になる方は、以前はプロ野球選手が現役引退後に転向するケースが圧倒的だったのですが、山崎氏はプロ野球選手を目指したものの断念し北海道大学文学部を出た学士様、という変わり種。


選手になることは叶わなかったものの、プロ野球に関わりたいという思い絶ち難く、日刊スポーツ新聞社に入社。


しかしプロ野球担当記者になれず、遂には審判員になることを決意。


全くの素人からの無謀な転職に、会社を退職して自ら退路を断って臨むというチャレンジ精神は、天晴れというしかありません。


その覚悟と反骨精神があったからなのか、山崎氏は歴代1位の退場宣告回数17回という〝快(怪?)記録〟の持ち主。


その退場宣告のウラで、監督や選手がどんな抗議をして審判団とどんなやり取りをしているか?


普段TV中継では分からないそんなウラ話も記されていますが・・・これ、下手な漫才より面白いですョ。


最近はメジャー・リーグ中継も多くなりましたが、日米の違い・・・プロ野球の審判とベースボールのアンパイヤの違いを知ることも、これからの観戦に参考になるかもしれません。


新聞社を辞めて収入が激減し、オフシーズンもバイトに明け暮れた・・・などと波乱万丈の半生を率直に振り返っている本書は、野球を知らない女性にも充分楽しんでいただけると思います。


これを読めば、より一層野球中継を楽しめると同時に、審判員に対して今までよりも優しい目で見ることが出来るかも。笑2


では最後に、問題をひとつ。


ホームベースの横幅と、新聞片面の横幅・・・どちらが何cm広いでしょう?


山崎氏は新聞紙を一目見てそれが分かったそうが、貴方はいかが?


答えは・・・本書をご覧になれば分かります。

もしくは、新聞紙を持って野球場に行ってくださいまし。 あせあせ



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