有名無実 | ナベちゃんの徒然草

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還暦を過ぎ、新たな人生を模索中・・・。

〝悪法も法なり〟という言葉がありますが、今日はその典型的な・・・というか、殆ど名ばかりの法律が制定・施行された記念日なのです。


その法律とは、


 『 禁 酒 法 』
 (Prohibition


アメリカでは19世紀頃からメソジストを中心に禁酒運動が盛んになり、既に州法によって禁酒法を制定した地方も一部にありました。


賛成・反対両派が拮抗する中で第一次世界大戦が勃発。


反対派の主力だったドイツ系に対して反感が高まったこともあり、1919年1月16日に飲料用アルコール禁止を規定するアメリカ合衆国憲法修正第18条が3/4にあたる34もの州で批准され成立、1年後に施行されました。


          ウォームハート 葬儀屋ナベちゃんの徒然草-禁酒法


アル中や犯罪を減らすことを目的とした同法でしたが、実質的にはザル法。


なぜなら、この法律で規制されたのは 「0.5%以上のアルコールを含んだ酒類の製造・販売・輸入」 を禁止したものであって、飲酒自体は規制外だったということ。


従って市民たちは、法律批准から施行までの1年の間に大量の酒類を買い溜めし、禁酒法施行後も毎晩のように自宅で酒盛りをしていたとか。


またこの法律で大儲けしたのが、ギャングたち。


周辺国では禁酒法などはなかったため、カナダ・メキシコなどから大量の酒を密輸し、また密造・密売で莫大な利益を上げました。


密造・密輸酒の集積拠点がシカゴであり、そこの元締めがアル・カポネ。

そう、映画 『アンタッチャブル』 の世界そのものだったわけです。


主役のエリオット・ネスのような捜査官は一握りで、多くはギャングから買収されて放任状態。 街には以前よりも酒場の数が増える有様だったとか。


有名無実化した禁酒法撤廃の機運は徐々に高まり、1932年の大統領選では撤廃派のF・ルーズベルトが勝利し、翌年に同大統領が修正第18条を廃止する修正第21条に署名・可決・・・いわゆる禁酒法は消滅しました。


(※但し現在でも、酒類販売の禁止・制限を行っている郡・町があるとか。)


莫大な酒税が徴収できず犯罪を増長させる 『禁酒法』 が、我が国で成立することはまず有り得ないでしょうが・・・家庭内で厳重に施行され、規制を受けているご主人はいらっしゃるかも。


アメリカのそれとは違って、買収が通用するはずもなく・・・万一ヘベレケになって帰ったら、奥様のキツ~いお仕置きが待っているんでしょうネ、きっと。うー



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