頭隠して・・・ <下> | ナベちゃんの徒然草

ナベちゃんの徒然草

還暦を過ぎ、新たな人生を模索中・・・。

翌朝、〝隠密ゴルフ〟の疲れが若干残りつつも気分よく出社した私は、朝礼が済むと今度は本当に取引先回りへと出掛けました。


そして夕方近くに帰社したところ、待ち構えたように課長が私を手招き。


「渡辺クン、ちょっと会議室まで来てくれるかナ?」


・・・イヤ~な予感。うー


そして会議室に入り、ドアを閉めると課長がおもむろに尋ねてきました。


「キミ、昨日の昼過ぎはどこにいたのかね?」


「えっ? え~と・・・取引先回ってましたけど。」


「ふ~ん、そうか。 でもおかしいんだょな・・・キミがゴルフやってたのを見たって人がいるんだが。」


(え~っ、うっそ~。 ゴルフ場には誰も知ってる人なんていなかったのに。) 


「そんなバカな。 他人の空似じゃないですか?」


「いや、何でもその人が車を運転していたら、フェアウェーの真ん中をタオルでほおかぶりしながら歩いている変な奴がいたんで、よ~く見てみると・・・体型がオマエにソックリだったって言うんだョ。」


           ウォームハート 葬儀屋ナベちゃんの徒然草-ゴルフコース


(あ~っ!)


思い出しました。 5番ホールのフェアウェイ沿いに幹線道路が走っていることを。


課長のもったいぶった言い回しから、(これは確証を掴んでいる、シラを切り通せない)・・・そう判断した私は、「お、恐れ入りました。」 と課長に平謝り。


「キミなァ、そりゃゴルフ場でほおかぶりしてたら、イヤでも目立つワ。

そういうのを、『頭隠して尻丸出し』 って言うんだ。

今度サボッたら勤務評定下げるからな。 以後気をつけるように!」


バレないようにしたつもりのほおかぶりが、かえって命取りになろうとは・・・何ておマヌケな私。ダメだぁ顔  


こってり油を絞られた私は珍しく(?)平身低頭、上司の怒りが収まるのをひたすら待つばかり。 そして説教を終えた課長が、会議室を出しなに言ったのです。


「しかし、よっぽどゴルフが好きなんだな、キミは。

真夏日に1人でラウンドするなんて。」


(えっ・・・じゃあNクンがサボッたことはバレてないの?)


思い返してみて納得しました。


問題の5番ホール・・・Nクンはティーショットを右に曲げて、道路と反対側の林の中をず~っと渡り歩いていたから、目撃されていなかったんです。


課長にチクッた人物は、私の担当取引先・T社長であったことが後に判明。

問い詰めたところ、本人曰くてっきり私が休暇を取ってゴルフしていたとばかり思った、とのこと。


それじゃあ、責められませんょネ。


【 教 訓 】


 サボる時は姑息なことをせず、堂々と!・・・ナンダソリャ



えっ? Nクンが一緒にサボッてたことは、上司に報告しなかったのかって?

不肖ナベちゃん、部下を売るようなマネは致しませぬョ。


ただ数ヵ月後、転勤することになったNくんの送別会の席でしっかりバラしましたけどネ。あせあせ




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