辛 抱 | ナベちゃんの徒然草

ナベちゃんの徒然草

還暦を過ぎ、新たな人生を模索中・・・。

また19歳の若者による信じられない殺人事件が起きてしまいました。


「父親に叱られてムシャクシャした」


こんな子供じみた理由だけで「誰でもよかった」と、残業帰りに道を歩いていた24歳の若き銀行員を車で跳ね飛ばすとは・・・。うー


ご遺族のやり切れなさを思うと、本当に胸が痛みます。 


被害者のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。



もし犯人が、このドラマを見て「我慢すること」を知っていたら・・・こんな犯罪を起こさずに済んだかもしれません。


それは、この犯人が生まれる前の1983年4月から翌年の3月まで1年間放送され、全国的に爆発的人気を博した連続テレビ小説・・・


『おしん』 です。


平均視聴率が52.6%というお化け番組でしたが、中でも62.9% 驚き顔 という驚異的な最高視聴率を叩き出したのが11月12日の第186話だったそうです。


原作者の橋田壽賀子氏に寄せられた、「ある明治生まれの女性が、人に言えない過去を病床で綴った」という一通の匿名の手紙が発端となり、「高度経済成長の中で現代人が見失ってしまったものを提示し、問いかけよう」と意図して制作されたこのドラマ。


実は「明治の女性の苦労話はテーマが地味すぎる」と、どこのテレビ局からも制作を断られ、NHK内部でもかなり反対意見が強かったのだそうです。


しかし、フタを明けてみれば大ヒット。


『おしんのしんは、辛抱のしん』が流行語となったように、小林綾子・田中裕子・乙羽信子の3人が演じた主人公・おしんが幾多の困難を辛抱しながら切り抜けていく様は、多くの視聴者の共感を得たのです。



            おしん


視聴者からNHKに「おしんに渡して欲しい」と現金が送られてきたり、当時横綱に昇進した隆の里関がその苦労から「おしん横綱」と呼ばれるなど、様々な社会現象を起こしたこのドラマ。


その後アジアを中心として世界63ヶ国でも放映され、エジプトでは放送中に停電が起きたため暴動が起こったり、イランでは視聴率90%を超える爆発的なヒットとなったそうです。


本放送から25年経ち、国民もちょうど1世代変わった現在・・・親が子を殺したり、すぐにキレる人間が増える中、再度このドラマを放映して欲しいと思うのは、私だけでしょうか?


是非小学校のホームルームで、毎日15分視聴させてもらいたいくらいです。笑2


今の子供たちがこの物語を見た時、果たしてどんな感想を持つのか・・・是非聞いてみたいものです。


もし、おしんの姿に感動する子が多ければ・・・まだ日本の将来も、捨てたもんじゃないかもしれません。