前回のブログに書きましたが、うちの赤ちゃんは早産だったので、出産後一月は、病院の集中治療室に入院することになりました。

(ドラマとかに出てくる切迫したものではなく、24時間しっかり面倒を見てもらえますよ、という部屋。今は退院して元気モリモリお乳飲んでうんち漏らして泣いています。)


そして病院のルールではコロナの影響もあり普通の赤ちゃんは父親と面会ができないはずだったのですが


うちの子は集中治療室入院だったのでルールが普通の赤ちゃんと違うらしく僕も面会できることになりました。



そして、出産翌日、早速面会に行くことにしました。


集中治療室に入るには部屋の前のチャイムの鳴らして、応答したら

「失礼します。面会予約してます菅谷です。」

と伝え、中に入れてもらう形になります。


中に入ると面会前に色々な書類に必要事項を記入しました。


記入項目が結構細かくて親の生年月日や血液型などなどあるのですが、その際迷うのが『職業欄』です。



役所系の書類などでも毎回困ります。


『お笑い芸人』って正式な書類に書くべきことなのだろうか?


僕の場合は収入の50%以上はウーバーの配達バイトで稼いでるわけだし。


こういう時は個人事業主と書くのが一番無難なのですが、経験上僕は知っています。


『個人事業主』と記載すると

「個人事業主とは?」という詳細を必ず確認され

「あ、お笑い芸人をやってまして。」

と、芸人とは思えないくらい小さい声で答えることになるのです。



僕は初めていく美容室でよく使う嘘をつくことにしました。


『テレビ制作関係』


まあギリギリ、演者という形で制作には関わっているし。

社会人経験のない僕には、唯一現場を見ているので質問にスラスラと答えられる職業です。




そんな感じで書類を埋めて面会した赤ちゃんは信じられないくらい可愛かったです。


まだ声帯が弱いのか泣き声すらもめちゃくちゃ可愛い。


マイスウィートゴリラエンジェルです。


完全に父親似のゴリラエンジェル。





僕と僕の子なんじゃないかと思いました。


写真は僕に似てるやつじゃなく可愛く撮れてるやつ。



そんなゴリエンちゃんの可愛さに胸打たれた僕は


「今日はお仕事休みなんですか?」


という看護師さんの質問に


「今日たまたまお休みで。」


と答えながら間違えて週7で面会に行ってしまいました。



おまえいつテレビ制作してんだよ。



でも可愛いんだもの。


しかも可愛さが日々更新されていくのです。


どんどん可愛くなる。


どんどんスウィートゴリラエンジェルレベルが上がっていきます。


ゴリラの学名は『ゴリラゴリラ』という雑学がありますが


うちの子は完全にゴリラゴリラエンジェルエンジェルです。




そんな中、僕はついに失態を冒します。



いつものように集中治療室前のチャイムを鳴らす僕


向こうから

「はーい。どちらさまですか?」



と応答。








そこで僕はうっかり職業病を出してしまいました。






「ウーバーイーツでーす。」




「・・・はい?」




最悪です。




よりによってバイトの方の職業病が出てしまいました。



チャイムを鳴らすと習慣としてこれを言う癖がついているのです。



芸人の方が出ても最悪なのに。。。




僕はこの凡ミスを入院中の妻にラインで伝えました。






妻からの返信は


「え?芸人やってるって言ってあるよ?」


でした。




「赤ちゃんが他の子より小さいから家庭環境とか大事らしくて結構細かく聞かれたから・・・」





最悪です。




この7日間、芸人なのにテレビ制作関係と嘘をついていたことがバレてた上に


ウーバーのバイトをしてるということまでバレてしまいました。



めちゃくちゃ恥ずかしかった僕は、スウィートゴリラゴリラゴリラエンジェルエンジェルエンジェルに会いに、結局毎日面会に行きました。



だって毎日ウーバーの配達してますからね



僕から以上。あったかくして寝ろよー

忘れもしない5月22日深夜。


妊娠中で翌月末に出産予定の妻とサッカーのプレミアリーグを見ていました。


その日は長いシーズンの最終節で、2チームに優勝の可能性がある大接戦。



僕は勝てば優勝が決まる首位のマンチェスターシティの試合をテレビで

南野選手も所属する2位のリバプールの試合をスマホで同時視聴していました。


激アツの展開にもう酒が進む進む。



後半20分ほどだったでしょうか?


首位マンチェスターシティが2失点目を喫します。敗色濃厚。

一方2位リバプールは同点。しかし試合は優勢、一点取ればほぼ優勝という状況になっています。



そして、ここから衝撃的すぎる展開が訪れます。





なんと




妻が破水しました!!!



なにぃ!!!!!????



まだ予定日まで1ヶ月あるのに!!?


狼狽えて右往左往する僕に


「母子手帳に病院の番号あるから電話して!」


「これとこれをバッグに詰めて!」


と冷静に指示を出す嫁。



女は強し、男は弱し、です。



僕は慌ててタクシーを捕まえに外に出ました。



しかし、度々ブログに書いてきましたが僕は4月に足を手術して7月まで走るのは禁止と言われています。



でも、今走れないで何がお父さんだ


ここで走れなかったら一生後悔するかもしれない!!


壊れてもいい!走るんだ!!




と、限界突破をする覚悟を決めました。




そして僕は



めちゃくちゃ千鳥足でタクシーを捕まえました。



したいという思いだけでは全然限界突破できませんでした。



なので別に悪化もしませんでした。太もも上がらなすぎて遅すぎてあんまり足に負担かからなかったぽいです。





病院へ着くと、僕は外で待機。妻は中へ。

看護師さんが時々情報を伝えに来てくれてます。



まもなく妻の両親が到着。冷静に近況を聞く義母。


女は強し。


一方狼狽えすぎて、落ち着きなくウロウロして、路側帯に躓いて転倒し、両膝からおびただしい流血をしている義父。


男は弱し。。。


足をやったため動き回るのをやめ、仁王立ちで病院の入り口前に立つ義父さんは


間違えて産婦人科に来てしまった急患みたいでした。



その後救急車が来て、今すぐ出産できる大きい病院に移動することに。



救急隊の人が妻を搬送しようとするところに

気が動転した義父が


「私も以前この病院でお世話になりましてね」


と間違えてロングエピソードトークを仕掛けてました。


初の孫誕生に狼狽え倒しています。




救急車には妻と夫である僕だけが乗ることができるらしく、一緒に乗り込んで大きな病院に向かいます。



意外と余裕があるように見える妻に、救急隊の人が

「あの人お父様だったんですね」


と言ってました。



お義父さん、街の酔っ払いだと思われてるよ。。。



病院に着くと、僕は書類を記入。


妻は手術前の検査を行います。




その後、僕は院内のベンチで一人手術が終わるのを待ちます。




そして朝日が出始めた頃、無事かわいい女の子が産まれました。


早産ではありますが、元気に泣いて健康面も問題ないとのことで一安心。


妻さん、本当にお疲れ様でした。



その後僕はこれまた色んな書類にサインをして、かわいいかわいい赤ちゃんと面会して午前10時に帰宅。




長い夜でした。




長い夜が終わった僕は、プレミアムモルツを飲んで、テレビをつけました。

DAZNのホーム画面でした。

そっか、そうだった。と思い出して、プレミアリーグの続きを見ました。




妻が破水したところから見直したのですが、破水から10分で、マンチェスターシティがまさかの3得点。

そして歴史的大逆転をしたマンチェスターシティが劇的な優勝を遂げてました。



マンチェスターシティのチームカラーは水色。



赤ちゃんの名前の候補には水色が連想できるものがあったんですが、縁起がいいので、やっぱりそうすることにしました。




よく晴れた素晴らしい誕生日でした。







僕から以上。あったかくして寝ろよー

前回までのブログのあらすじ


2月に人生一すべって泣いちゃって

その月末に膝の靭帯を切った。




そんなこんなで前十字靭帯の再建手術というものをすることになりました。

痛みがすごいとかではなく、僕の切れた靭帯は、一度切れると二度と繋がらない部位だそうで、靭帯の代わりとなる筋を移植する必要があるとのことです。

しかしJリーグのチームも診ている膝の専門医の先生と出会えたので安心できました。




余談ですが、先生とは共通のサッカー選手の知り合いがいたり、サッカーの最中に怪我をしたと伝えたせいか

全治を聞いても『ピッチに帰るまでの時間』しか教えてくれなかったです。


僕アスリートじゃないのよ。。。



ちなみに、このブログを書いてる怪我後3ヶ月の段階で既に日常のどの動作にも痛みを感じることはありません。


あ、この前土下座した時は痛かったな。


土下座は非日常であれよ


(舞台上の演技で土下座が必要だったのです。

その時は「土下座です。」と声に出して補足するという史上初の演技プランで切り抜けました。)




話戻しまして、その時通院していた綺麗な大学病院ではルールに則って、僕の怪我だとリハビリ期間含め34週間入院しないといけないとのこと。


僕としては仕事に穴が開くのが嫌なので相談したところ、先生個人の判断で退院できる別の病院で治療をすることにしてくれて、入院期間も57日くらいになると言ってくれました。



しかし綺麗な大学病院と違い、移動した病院は大分古いものでした。

8人部屋で、右隣の人は病室で(多分禁止だと思うんだけど)電話で家族にずっとキレてる人。


左隣は何度怒られても勝手に傷口を開けようとしてしまう人でした。


『果て』みたいな病室だな。


長い病院史上最も治安が悪いタイミングだったそうです。


ワンピースで言うところの最悪の世代です。


ワールドカップを観に行った時に、ペルー人7人と相部屋になった時より騒がしかったです。




僕は誰とも関わらないことにしました。




そして入院したその日に手術。

無事成功したものの、麻酔が解けると同時に激痛が走ります。


一晩中痛みで苦しみ、なんなら怪我した時より痛いくらいでした。



左隣の人のように勝手に痛み止めの点滴を抜いたりしてないのにめちゃくちゃ痛い。


左の人何やってんだよ。




僕はこの入院期間も無駄にしないよう、ネタ帳を持ってきてたのですが痛くてそんなことできる状態じゃありません。


スマホをいじるのもしんどい。


かろうじて動画観るくらいできるかも、と思い

ダウンタウンさんの漫才が見れる『伝説の一日』公演動画を購入しました。


しかし病室の電波が弱く、購入はできたものの、再生ができません。


最悪です。金だけ払って見れません。


動画は購入にも関わらず視聴期限があります。

予定されてる最速の5日で退院しないと見れずじまいです。



その日からリハビリが始まりました。


プロアスリートでも涙が出ることがあるというリハビリを僕はダウンタウンさん見たさで、気合いで頑張りました。


そしたら、思いのほかこなせました。


膝の状態は思ったより良かったらしいです。




そして、リハビリが終わると先生が来て言いました。


「すがやさん、リハビリどうでした?」


「意外といけましたね。」


「らしいですね。


じゃあ


明日、退院で。」




2泊で!!??




僕は言いました。


「流石に早いです。」



不安になってるじゃん。


ともあれ翌日退院ということになり

その日の夜中、スマホでサッカーを見てたのですが失点シーンでつい、


「終わったな。。。」


と、つぶやいてしまいました。



静かな病院でカーテンの向こうから


「おい?終わったってなんだ?どうした!?何が終わったんだ!?」


と声が響きます。



最悪です。傷口開きお爺さんに聞こえてしまってました。


「終わったって言ったよな!なにがだ!?どうした!?そっちいこうか!?終わったのか!?なぁ!?」



迷いに迷って




ナースコースを押し、


「すいません。隣の人が騒いでます。」


と言いました。



おじいさん怒られてました。



マジですいません。



かくして、僕は驚異の回復で退院しました。




現在僕は驚異のスピードでリハビリしています。



僕から以上。あったかくして寝ろよー



次回、すがや家に大事件が発生します!