僕が入学した中学校は大分ガラが悪かったです。
一応言いますが先生が悪いとかではないです。
不良がかっこいいとされる最後の方の時代に
たまたま大人数人でどうにかできるわけない人たちが同じ学年に集ってしまったんだと思います。
悪かったのは2個上の代で、金髪、コーンロウ、剃り込み、モヒカン、バスケやめてる時の三井寿の髪型と
不良専門ヘアカタログみたいなラインナップ。
EXILEに所属していない
野良のEXILEみたいな人たちでした。
あと基本イケメン多かった。ごくせんかよ。
とはいえうちの中学には仲間由紀恵もいなけりゃダウンローズもいなかったので、僕があの学校の教師だったら毎日家に帰って嫁に
「ちぃちゃあん!今日も怖かったよぅー!!」
とかIQ2みたいなこと言いながら抱きついていたであろうと思うくらいには怖かったのです。
てかダウンローズはいても何も変わらないだろ。
後になって他の学校にはない風習だと気づくのですが
僕の学校では3年生の教室の前を通る時(音楽室などに行く時)は基本集団登校でした。
先輩がふざけて自分の教室に一年生を連れていって授業を受けさせるというノリをするからです。
音楽の教育機会を奪われて、代わりに中3英語を聞いていた同級生のあきおは立教大学の附属校に受かりました。
いい方に転ぶんかい。
あとこれは本当に全然意味わからないんですけど、天井にイスが刺さってたこともありました。
どういうやんちゃ??
そんな先輩方が卒業すると、今度は僕たちの代の不良に憧れる人たちが徐々にやんちゃっぽくなっていきました。
彼らは「不良とはこうあるべき」という理想に則り、制服の着こなしはだらしなくなり、香水をやたらつけるようになり
口癖が「あーケンカしてぇ。」になりました。
いや去年まで一緒にケイドロしてたじゃん。
不良は勉強できない方がかっこいいと思ったらしく
うちの中学では
中2で急に九九ができなくなる生徒が続出しました。
先生困惑するわ。
特に攻めたやつは1の段からできなくなるという、かなりアグレッシブなグレ方をしてました。
1の段ができないのは欲しがりすぎだろ。
と、ヘキサゴン全盛期のグラビア業界みたいになった我が中学校。
そんな彼らがよく得意げに言っていた言葉があります。
それは
「これ?セッチャした。」
です。
セッチャとは当時の流行り言葉で窃盗チャリンコの意味。
要は盗んだ自転車を乗り回してる、というクソみたいな自慢です。
尾崎豊がバイクを盗んだのは15の夜ですが
僕らはほとんどが13歳で4〜6月生まれのやつもまだ14歳なので
バイクの乗り方は知りません。
自転車のハンドルを曲げてチョッパーハンドルにしたり、荷台に低反発クッションを置いて2人乗りの時の後ろのやつのお尻を気遣ったりして13の夜を謳歌してたのです。
僕は聞いてもないのに犯罪自慢してくる人が嫌いだったので距離を置いていたのですが。
そんな13の夜、地元の祭りの日に彼らとたまたま近所の公園で鉢合わせてしまい
だべることになってしまいました。
とはいえ向こうがやんちゃになる前から知り合いだったので2個上の先輩と違い、特に怖いとかもないのですが
「コレ?セッチャ!コレ?セッチャ!」
とセッチャポケモンのセッチャマかと思うくらい繰り返しています。
「普通っしょ」と、謎の普通アピールもしてきました。
普通ではないだろ。ブラジルのスラムじゃねぇんだから。
そんなこんなしてると、そこに警察官の方が来ました。
「近隣の方から苦情が来てるから静かにね。」
とのことで
まだ7時だけどなぁと思いつつも謝っていると警察の方が
「じゃあ最後に防犯登録のチェックだけさせて。」
と言ってきました。
僕は大丈夫ですがセッチャマたちは大ピンチです。
窃盗自転車は防犯登録のチェックされたら即バレです。
僕や真面目なサッカー部勢が自分の名前と自転車を購入した親の名前を言って、防犯登録のチェックを突破。
そしてセッチャマたちが1人ずつ自分と親の名前を聞かれて
下を向いて小さな声で親の名前を言いました。
全員、親に買ってもらった自転車だったので、全員防犯登録を突破できました。
セッチャマたちは悪ぶるために親に買ってもらった自転車を窃盗したと言い張る、セッチャマに変身したメタモンだったのです。
防犯登録を突破した不良たちは
「あぶねー」
と、捕まる確率0%にもかかわらず繰り返してました。
なんだこの地獄の突破ファイルは。
不良のプライド的な面では全然突破できてないからな
そして彼らは不良になって初めての夏祭りで
夜7時半に自転車で家に帰っていきました。
伊東四郎の頭にもやっとボールがたくさん落ちてくるIQサプリのエンディングにも間に合ったのではないでしょうか?
それ見てスッキリできてるといいなぁ
僕から以上。あったかくして寝ろよー。