結構前なんですけど、芸人がやっているバスケに参加させていただきました。


同期のチュランペットのとしぱんちが定期的に参加していたのでお願いして混ぜてもらうことになったのです。



僕にはサッカーのイメージがあるかもしれませんが

実は大人気バスケ漫画『あひるの空』を全巻持っていて、スラムダンクも何度も読んだ経験があります。


さらに言うとスポッチャでは必ずバスケをやるくらいの腕前です。


なので、5対5のバスケは高校の体育以来13年ぶりのバリバリのスポッチャマンなのですが

どうせおじさん芸人のゆるい運動だろうと、スタミナに自信がある僕は同日の昼にサッカーの予定も入れていました。




昼に3時間サッカーして、中途半端な時間があったため合間に個室ビデオにいき、そのままバスケへ直行。


実質三競技です。


球技トライアスロン。




遊びなんだからこれで大丈夫だろうと持ってきた、フットサルシューズとあひるの空5冊を携えて体育館へ向かいました。



こういうバスケでは場を和ませるつかみが大事。


バッグに入れていたあひるの空を出して

「大丈夫!あひるの空全巻持ってるから!」というボケをいつ出すかがキーになります。



しかし体育館にいたのは


全員バッシュを履いた若手芸人もといバスケットマンたち。

バスケ部特有のダボっとしたロンTやノースリーブのユニフォームを着てます。



なんだろう、思ってたのと違うな


全員上手そうだな・・・


ちょっともう帰りたいな・・・



気軽に初心者が仮入部したら周り全員スポーツ推薦だったみたいな気持ちになりました。


初心者が一番恐れる「初心者大歓迎を信じたら、周り全員経験者だった」

みたいな状況です。


ちなみにとしぱんちは一言も「初心者大歓迎」とは言ってません。

僕の自己解釈です。



僕はスベる未来が見えたため、一回あひるの空をロッカーにしまいに更衣室に戻ることにしました。


心を落ち着けた結果、心の中の安西先生が


「諦めたらそこで試合終了ですよ。」


って言わなかったので、そのまま帰ろうかと思いましたがとしぱんちに悪いので体育館に戻りました。



体育館では誰かの合図で、全員が並び、順番にレイアップシュートを打ち出します。


周りは何とも思ってないのでしょうが、僕だけ下手でめちゃくちゃ赤面してました。



もうめっちゃすごく帰りたい・・・


自分でお願いしておいてなんだけど、こんなガチだと思ってなかったのよ・・・


そんで僕もうヘトヘトなのよ・・・


スタミナの片翼だけでやらせてもらってるのに、その片翼ももがれてるのよ・・・






結構前のことなので、不確かな記憶ですが



人力舎には能代工業の全国3冠メンバーがそのまま入ってるっぽくて

他の事務所の人たちもだいたい全員元プロ選手だったっぽいです。


参加者全員短髪のドレッドヘアに見えたし、肩から腕にかけてタトゥー入れてるっぽかったし

点取ったあとは全員「ヒャッハーーー!!」

って言ってた気がします。


僕の体感ではそうだった記憶があります。




会場では重低音でクラブミュージックが流れ、天井から吊るされた四角い箱は四方向にスクリーンがあり、スーパープレイのリプレイが流されていました。


僕の体感ですが。


とある若手は

「すがやさん、バスケってのはね、身長なんですよ。」

と僕を吹き飛ばしながらダンクシュートを連発してたし


マッチアップした後輩が舌なめずりした後

「残念。それ、残像だよ。」

と、言った刹那、背後でゴールが揺れてましたし


としぱんちは高校時代から続くスリーポイントシュート成功率10割をこの日も更新していました。


まあ結構前の記憶なので定かではないですけど。


そんな中

僕はサッカー3時間、ビデオ2本をこなしたとは思えないスタミナで活路を見出します。



「マジかよ。あいつこの時間でもスピードが落ちねぇだと!!?」


2時間のバスケのうち5分で僕のスタミナは周りを圧倒し始めました。




いや芸人走れなすぎだろ。




と、事実を元にしたフィクションから話を戻しますが

誰よりも走るのでフリーになることもあった僕は初心者なりにバスケに溶け込むことができました。


ボールを持って5歩くらい走ってから打ったレイアップも、偶然審判が僕の3〜5歩目を見逃してくれたらしくゴールにカウントされました。




みんなが優しい上にバスケは守り方やポジショニング、視野の確保の仕方がフットサルに似てるため意外とどうにかなったのです。



そして僕にはやりたいプレーがありました。



ジャンプしてレイアップを打つ体勢から後ろの味方にパスを出すやつ。


あれをやりたくて何度もゴール方向にドリブルしました。



神経を研ぎ澄まして誰がフリーかを把握し、そこにパス!

逆に、相手が来なければそのまま自分で打つ!


その判断がこのプレーの肝だと思ったのですが

僕はこの流れで5本連続でレイアップを打ちました。


常に相手が来ないのです。


神経を研ぎ澄ませていたから気づいたのですが、優しい皆さんは初心者にはシュートを打たせてくれていたのです。


そして神経を研ぎ澄ませて全部外しました。



意地になった僕は、守備が寄せてこない限りレイアップの体勢からのパスを出さないと決めて、その後もレイアップを外し続けました。



桜木花道のリバウンド王に対し

僕はリバウンドメーカーの異名をとることになりました。




バスケは終わり、その帰りの電車であひるの空を一巻から読み直して、レイアップが下手なキャラクターが何人いるか数えながら帰りました。





僕から以上。あったかくして寝ろよー