僕、すがやは昔、芸人たるもの実はヤバいやつだと思われないといけないと思っていました。



そんな2年目のフリーライブ。



ライブ終わりの楽屋に白いウィンナーがパンパン詰まったタッパーが置いてありました。



そこにいた先輩たちは口々に

「気持ち悪い!これ誰の!?」


「ウィンナーしか入ってないじゃん!やば!」


「なんで持ち主名乗り出ないんだよ!!」


「やばいファンからの差し入れじゃない!?」


「なんか媚薬とか入ってるんじゃない!?」


「じゃあもう捨てようか!」



となり、僕は待ってましたとばかりに言いました。



「ちょっと待ってください!僕食べたいです!」




場は狙い通り湧きました。


「やめた方がいいって!」


「お前やばいな!」


僕はめでたく、やばい差し入れを食べる、やばいやつだと思われることに成功したのです。





そして黙々と白いウィンナーを食べている中、楽屋のドアが開き、僕の前に1人の男が現れて言いました。


「俺のウィンナー・・・」


それがやばい弁当の製作者で、本物のやばい男。国崎さんとの出会いでした。




それ以降、僕は国崎さんに会うたびに

「俺のウィンナー。」

と言われ、その度にウィンナーを食べてしまった経緯をその場にいる芸人に喋ることが義務付けられました。




8年の歳月の中で上記のエピソードトークは国崎さんから添削され、徐々に変化して長くなっていきました。


以下、現在のエピソードトーク(矢印は国崎さんの指示


今、僕幸せなんですけど必ず最初に今の自分が幸せか言うこと


僕、昔ベアードノーズっていうコンビで活動してて、最後のライブは取り置き40人くらいあったくらい少しライブシーンで人気があって

当時のコンビの武勇伝があったら話すこと


ココマイクっていうケープロのユニットライブにも出てて当時どんな活動してたかも知りたい


当時のメンバーがさすらいラビーっていう新しい波24にも出てた大田プロのエリートと他のメンバーの現状も伝えること


起笑転結っていう今はYouTubeやってるコンビと同上


アジラッピィっていう片方は今辞めちゃって、もう1人はおみおつけってコンビで活動してて湯気ちゃんねるっていうYouTubeとか発信してるコンビで同上


↑ここで湯気ちゃんねるの動画を流して、ここから先のエピソードトークは湯気ちゃんねるの動画を見せながら行う



そんな時、とあるライブ終わりの楽屋に白いウィンナーがパンパン詰まったタッパーが置いてあったのよ。


そこにいた先輩たちは口々に

「なに気持ち悪い!これ誰の!?」


「やばいファンからの差し入れじゃないの?!」


「じゃあもう捨てようか!」


って言い出したから僕が


「ちょっと待ってください!僕食べたいです!」


って「みんなにやめた方がいいよ!」とか言われながらウィンナーを食べたのよ


そしたら楽屋のドアが空いて、ランジャタイの国崎さんが入ってきて言ったのよ」


「俺のウィンナー・・・」


俺が食べてたやばい弁当、国崎さんのだったのよ!



今、僕幸せなんですけど


僕、昔ベアードノーズっていうコンビで活動してて、最後のライブは取り置き40人くらいあったくらい少しライブシーンで人気があって


ココマイクっていうケープロのユニットライブにも出てて


当時のメンバーがさすらいラビーっていう新しい波24にも出てた大田プロのエリートと


起笑転結っていう今はYouTubeやってるコンビと


アジラッピィっていう片方は今辞めちゃって、もう1人はおみおつけってコンビで活動してて湯気ちゃんねるっていうYouTubeとか発信してるコンビで

(湯気ちゃんねるの動画を流し続ける)


そんな時、とあるライブ終わりの楽屋に白いウィンナーがパンパン詰まったタッパーが置いてあったのよ。



そこにいた先輩たちは口々に

「なに気持ち悪い!これ誰の!?」


「やばいファンからの差し入れじゃないの?!」


「じゃあもう捨てようか!」


って言い出したから僕が


「ちょっと待ってください!僕食べたいです!」


ってみんなに

「やめたほうがいいよ!」とか言われながらウィンナーを食べてたのよ


そしたら楽屋のドアが空いて、ランジャタイの国崎さんが入ってきて言ったのよ」


「俺のウィンナー・・・」


俺が食べてたやばい弁当、国崎さんのだったのよ!


同じエピソードを続けて2回話すこと




という地獄の8年が始まりました。



特に同じエピソードを全く同じトーンで2回喋ることを後輩は非常に怖がり、僕はウィンナーを食べてた頃の想定よりやばいやつになりました。




そしてこの国崎さんとのソーセージ戦争ですが

僕は何度か楽屋にウィンナーを持参しています。


しかし国崎さんは頑なに食べないんです。


ある時は、色が違う!


ある時は、茹でてこい!


と難癖をつけてきます。



逆に、今日は炒めて欲しい。という日もありました。


ホットプレートを持参して目の前で炒めたこともあります。


国崎さんが

「一度家に帰って、弁当忘れたと思って戻ってきたら食べられてる屈辱を味あわせたい。」


と言い出したので


僕はライブの合間に西大井まで電車に乗り、逆方向の電車に乗り換えて戻ってきたこともあります。


ウィンナーは食べられてました。




伊藤さんに。




国崎さんは言いました。



「ウィンナー返せ!!」



地獄すぎるだろ





ランジャタイさんのグレープカンパニー所属が決まった時


芸人のほぼ全員が


『また層が厚くなる。』


と思い


1人の芸人が


『またウィンナーの話させられる』



と思いました。



グレープの芸人はウィンナー戦争を知らないため、僕はある日の楽屋でウィンナーの話を16回したことがあります。



その日、僕は嫌すぎて

耳から血が出ました。






年始にはあけましておめでとうの返事が最悪すぎて

人生で初めて「あけましておめでとう」を送信取り消ししました。





そんなランジャタイさんに僕は結婚式での余興をお願いしました。



理由は僕の嫁がランジャタイさんのことが大好きだからです。


嫁はめちゃくちゃ喜びその時の動画は非常に微笑ましいのですが、一旦割愛します。


ウッチャンナンチャンの歌のオチに使われた、両親の写真も両親が喜んで持ち帰っていました。


初めて知ったのですが、母もランジャタイさんのファンだったみたいです。




余興を頼むにあたり、僕は「ウィンナーのことは言ってくれるなよ。」


と思いましたがしっかり言ってました。





結果的に、僕の方でもお礼は用意しましたが、申し訳なく思った母はその場でランジャタイさんにウィンナー代を包んだそうです。



いや母さん。あなたの息子は何度も白いウィンナー楽屋に持って行ってるのよ。



僕から以上。あったかくして寝ろよー