七十二候の半夏生のころになると緑の葉が一部を残して白く変化すると言われている「ハンゲショウ(半夏生)」が咲いていました。

花は小さくてあまり目立たないのですが、開花すると同時に白くなった葉が目立つので、咲いているのがすぐに分かります。


 


花穂のすぐ下の葉の半分(表面)だけが”おしろい”を塗ったように白くなるから---『半化粧』
半夏生のころに咲くから---『半夏生』
両方が合わさってこの名前になりました。
本当に不思議がいっぱいの花です。
白くなる葉も半分くらいが白くなったり、ほんの少しだけ白くなったりと、個体差があるのも不思議です。
そして、この葉は、花が終わるころには緑色に戻ってしまうのですが、これもまた不思議です。
なぜ葉が白くなるのかについて「ハンゲショウは虫媒花なので、葉を白くすることで虫に見えやすくしているのではないのか」、などという説もありますが、どうでしょうか?
不思議なままにしておいた方が良いかもしれません。



小さな花が穂状になっていますが、白い葉ばかりに目が行ってしまい、花はあまり目立ちません。
ハンゲショウの別名は『片白草(カタシロクサ)』です。
葉が白くなるのは表面だけで、裏側は緑のままなので、このように呼ばれています。



音符音符

学名:Saururus chinensis 

英名:Chinese lizard's tail

別名:カタシロクサ、カタジロ

科名・属名:ドクダミ科 ハンゲショウ属

原産地:日本、韓国、中国、ベトナム

 



ルンルン 半夏生のこと

日本の暦(こよみ)の中で二十四節気(せっき)以外に季節の移り変りをより適確に掴むために設けられた雑節があります。
雑節は全部で9つありますが、その中に『半夏生』があります。
「半夏生」とは夏至の日から数えて11日目にあたる日、その日から5日間を指す場合もあります。
そうなると大体、7月2日~7日頃のことを指すようです。
昔から、『半夏生以降は田植えを行ってはいけない』という言い伝えがあります。
それは、半夏生以降に植えた稲は十分に育たず、収穫も半分になってしまうからのようです。
だから、『半夏半作』という言葉も生まれています。


実は「半夏生」という名前は2種類の植物から由来すると言われています。
その一つがドクダミ科の『ハンゲショウ』です。

 




そして、もう一つがサトイモ科の『カラスビシャク(烏柄杓)』という薬草のことです。
カラスビシャクの乾燥させた根茎は漢方薬では『半夏』という名前で知られています。
だから、半夏=カラスビシャクです。

カラスビシャクも梅雨が明けそうなころに生えてきます。
「半夏」が長く伸びるころ---『半夏生』の名前の由来です。

 


[カラスビシャク]

仏炎苞を「柄杓」に見立て、人が使うには小さく、烏が使うくらいの大きさだからこの名がついたようです。