第七話 神の国日本 ⑫
「あー。桜さん、おはぎもらったので
一緒にいかがですか」
嬉しそうにおはぎを見せる善鬼丸から
そのおはぎを奪い取ると、、
「これは、毒。馬鹿じゃないの、、
食べたら具合悪くなるだけでは
すまないから、、。」
「善鬼丸は、、えー嘘ですよ、、
またまた、、
そんなはずない
隣の住職は真面目にお経を
唱えるし。
素晴らしい人なんですよ。
いつも街に出ては、困った人を助ける
難民救済に励んでいる立派な方。
その娘さんが作って来てくれたものです。
大丈夫ですよ。独り占めはだめですよ桜さん。」
「あほか、、ほんまに食べたら死ぬよ、、あんた。」
桜は、なぜかほんとに命の危機が起きた時には、、
関西弁で怒る現象が現れるのでした。
善鬼丸は、ニコニコしながらおはぎを一口食べた。
「あーだから言わんこっちゃない。
善鬼丸さん、、
たいへん、、気を失ってるわ」
(水、、。)
桜は庭にあるもう一つの井戸に走った。
(だめか、、ここも毒にやられてる。)
困った桜は、、天に向かって手を合わせた、、、。
「ごめん、、誰かおりませんかな、、。」
裏木戸の方から声がした。
聞き覚えのある声だ、、
「あーとらヲの声だ、、天の助け」
「御婆ーちゃん」
「あれまぁ桜に似た子がおるが、、
オレも、もうろくしたかの」
こわい婆ちゃんが、このときばかりは天使にみえた
「桜だよ、、、婆ちゃん」
目をこするとらヲの手をひいて、
善鬼丸を見せた。
「何事かと思うたら、、ここでも毒かい
全くね、、さっきもここに来る途中、、
道端で息をお引き取った旅の人を見たが
手遅れじゃった、、。水を飲んでおったわ」
しばらく腕を組んでとらヲは考え込んでいる。
「ねー婆ちゃん。死んじゃうよ、、
この人桜を助けてくれたの、、
助けてあげないと、、お願いだよ。」
「さて、、今食べたばかりだったかのう、、
ダメ元でやってみるか、、、」
突然、、
大きな風が吹き抜けた。
つづく、、。
にやー