心の処方箋。今日も誰かが傷んだ心でやってくる。 | 心の処方箋

心の処方箋

日々、笑っていられますように…。なぜ私は生まれたの。何の為に…。

同じ時おなじ時間に、それぞれの時が流れる。

大切な時間の使い方を、、。

人は、人になるために生まれてきた、、。

そして、あなたは今、、、?

ダイニングバー

「ときたま」

 

2話

 

   お昼ご飯と酒と占い

 

3  照美(てるみ)と大和(やまと)

もう店内は、にぎやかな話し声が聞こえていた。

 

来店初めての薬屋 白石 慎吾は、初めての店内を

 

照美に案内されながらゆっくりと奥に進んだ。

 

あたりを見回すと「占い」キラキラ

 

と書かれた文字が目に入ってきた。

 

「占い?」と小さくつぶやいた。

 

「ええ、いつもは午後3時からなんですが、今日は新月で、夜6時からなんです。ハロウィンでお客様の予約も多いので、、。」うずまき

 

「お店で占いなんですか、、、。面白いですよね。」苦笑い

 

「ええ、、、。よろしかったらいつでもご予約下さい。

 

よろしくお願いします。キラキラ

 

お客様はカウンターとボックス席どちらになさいますか?」

 

「ひとりなので、カウンターでいいです」アセアセ

 

人の好さそうな白石は、薬の営業マンだ。危ない薬屋ではない苦笑い

 

まだ、転勤で、来たばかり、この街には詳しくないが、

 

借りたマンションの下の店にペットショップがある。

 

猫好きの白石は、越して来た日、その店を覗いた。

 

常連だという店主から、この店のことを聞いて来たのだ。

 

 

S字カウンターの一番奥の窓際の席に、案内された白石は、

 

奥の角の席が落ち着くので、案内された席にほっとした。

 

薔薇の紙に書かれた本日のメニューを手に取り

 

ランチの内容を見ている。

 

「いらっしゃいませ。ご注文はいかがなさいますか?」!!

 

甲高い透き通った声は、ウエイトレス舞子のであった。

 

振り向いた、白石はかわいい舞子に一瞬釘付けになった。

 

「あの、、、。ご注文はランチでよろしいですか?」

 

「あ、失礼。はい。食後にホットコーヒーでお願いします。」

 

白石は、中肉中背で、容姿はあくまでさわやか系

 

どこか、武者を思わせる背筋の伸びた好青年だ。

 

ウエイトレス舞子の好みの満塁ホームランである。

 

「お待たせいたしました。お熱いのでお気を付けください。ハート

 

いつもより、甘ったるい声を出している。

 

芳醇なデミソースの香りが、空腹の腹を刺激するらしく、そわそわした様子が見える。

 

こんがり焼けたハンバーグを一口大に切り、たっぷりデミグラスにつける。

 

期待満々という感じで、一気に口に放り込んだ。!!

 

「う、、。旨い、、、。まいうー!なんなんだ!?

なぜハンバーグが口の中でとろけるんだ!?

 

小声だが聞こえるよおいで

 

口の中で広がるデミソースとハンバーグのマリアージュに感動している。

 

目を開いたり閉じたりしながら、一気に平らげた。0929見る01

 

忘れていた、塩味のミネストローネも、皿をなめるように平らげた。

 

猫タワーから見下ろしながら、

 

「猫でもあんなにきれいに食べないよ、」と心の中でつぶやいた。

 

満足顔の白石の前に、大和がコック服の姿のままでカウンター越しに現れた。

 

「お味はいかがでしたか?お口に合いましたでしょうか?」

 

白石の舌は肥えていた。

 

転勤の回数と長年の接待歴のおかげで、

 

回ったお店は数知れず。

 

この店のハンバーグは絶品、キラキラ、完璧、!!、である。

 

「本当に、旨かったです。久しぶりに本物のデミを味わいました。」

 

「ありがとうございます。またのお越しをお待ちしています。」

 

「あの、実は、明日の接待の店を探してこの店を下見に来たんです。

 

まだ転勤してきたばかりで、店の探査が出来てないままに、

 

今朝、上司から、明日の接待を命示られました。予約は可能ですか?」

 

「少々お待ちください、お客様ここのお席ではなんですから

 

 あちらの奥の席で担当の者がご予約を承ります。」

 

カウンターの中で大和は、照美を呼ぶと何やら耳打ちをして

 

白石の予約を承るように伝えた。

 

奥の席に、メモと、夜のメニューを持って誘導する。

 

「こちらへどうぞ」

 

「明日のお時間と人数、メニューをお決めいただきます。」

 

白石はわざわざ奥の席に通して予約を、取ってくれるんだと感心していた。

 

名刺を出し素性を名乗った。

 

では、明日午後7時に、6名様 ○○製薬様でご予約させていただきます。

 

コース料理でうけたまわりますが、お願いしたいことがございます。

 

接待のお客さまに出身地、好物、食品アレルギーなどを確認して

 

ただきたいのです。私共は、お客様に喜んでいただける

 

料理とサービスを提供する努力を日々モットーにしています。

 

商談を成功されますためにも、ぜひ情報をお願いいたします。

 

当店は、24時間、電話もメールも受付をしております。

 

ご連絡を今夜の12時までにしていただければ

 

ご要望にお応えできるように、明日の料理を吟味いたします。

 

ご連絡をお待ちしています。」と、店の名刺を差し出した。

 

「ありがとうございます。」

 

白石の心は苦笑い鬼ヶ島に鬼を退治に行く時の

 

サル、トリ、イヌを

 

見つけたような心持になったに違いない。あしあと

 

あ、、。それともう一つ聞いてもいいですか?いつも予約は奥の席で話すのですか?」

 

照美は白石の耳元により答えた。

 

「窓際のお席のスーツのお客様は、白石様とはご同業の

 

○○製薬の営業マンでございます。

 

シェフは、お話しされた時、気がつかれたのでしょう。

 

ここの席で承るように指示されました。」

 

 

店を出た白石は、思わず「よーし」と小走りになった。グッチョキ

 

つづく。

 

 

 

心の処方箋ルンルン薬屋さんの商談成功するといいにゃんラブラブ