ダイニングバー
「ときたま」
2話
2 お昼ご飯と酒と占い
照美(てるみ)と大和(やまと)
大きなのっぽの古時計の音がお昼の時間を知らせる頃、
ダイニングバーときたまのフロアは、
ぼつぼつと常連客が集まってくる。
芳醇なデミグラスソースの香りに引き寄せられるように、
今日も同じような顔ぶれが集まった。
S字の背の高いカウンターは、ど真ん中にいかにも私は常連ですと言わんばかりに陣どる貫禄のある白鬚の老人は陣内先生という。どうやら、物書きをするみたいだ。かなり、スケベではある。まあなんとなく売れている有名作家のようだ。何の作家かはよく知らない。ほぼ、毎日来ている。まあ時々おやつの鰹節をくれるいい人である。
陣内を挟んで右隣に陣取るのは、赤い爪の美容院のオーナー。
若い男が好きでいつも違う男と食事をしている。お色気むんむん女である。珍しく今日はひとりである。
左側を陣取るのが、絵師の紗季さま 猫の絵しか、描かない、素晴らしい絵師である。猫世界では超絶有名である。
天に召された猫の絵を描いて、猫にも残された飼い主にも感謝されている。
写真を見て、猫の感触を感じ絵に表す凄腕は、
日本国中探してもいないと、私は思っている。
実は、私の絵も頼んであるのだ。
出来上がるのが楽しみである。
本日のメニュー
特製 ときたま デミグラスハンバーグ(国産和牛100%)
ランチ スープ・ごはん・ミニサラダ・
ドリンク・アイスクリーム付き 1500円
(本日塩味ミネストローネ)(アイス アールグレイ紅茶味)
大きな鞄を持った初顔の男が、入り口に現れた。
男の名前は 白石 慎吾
薬の営業マンである。新卒から20年薬の仕事を続けている。
「いらっしゃいませ。初めてのご来店でらっしゃいますね。
ダイニングバーときたまにようこそ。」
つづく。
心の処方箋
ダイニングバーときたまに現れたなぞの営業マン白石慎吾
どんなお話が展開されるのか楽しみ楽しみだにゃん