“誰も損しない” ふるさと納税(制度)? | -

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ふるさと納税(制度)は、その土地の地場産品を知り、返礼品として手に入れられる上に、寄付額に応じて住民税を控除されるとなれば、利用しない手はない…という利用者にとって非常におもしろいものです。


(画像は本日の日経新聞)


こうしたユニークなものは、基本的に賛成なのですが、一つだけ懸念点があるとすれば…この制度が「ゼロサム型の競争システム」ということです。

「ゼロサム型」というのは、「どこかの納税額が増えれば、“その分だけ” 納税額が減ることになる」というものです。

ふるさと納税制度は、地域の “競争” を促すことになるのですが、僕が懸念しているのは「競争それ自体」ではなく「ゼロサム型」という点です。

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僕は、同じ “競争” であれば「ゼロサム型」ではなく「プラスサム(マイナスレス)型」が良い…と考えます。

※ プラスサム(マイナスレス)とは「参加する者は(程度はあっても必ず)プラスになる」という意味です。
 一般的なプラスサムは、どちらもプラスになることもあれば、一方が大勝したら他方がマイナスになる “可能性もある” といったものです。

政府がふるさと納税制度用の予算を付けて、競争を促し、(予算の枠内で)適宜分配する…といったものです。

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せっかくユニークな制度なのに、「ゼロサム」という残念なシステムになったのは…僕がいつも言っている「税が財源」という “誤った” 考えによるものです。

これが「国債を財源とし、税は通貨量の調整手段」という “正しい” 考えをもとにすれば、「プラスサム(マイナスレス)型」という「“誰も損しない” で競争を促せる」システムになります。