河骨の花は月夜を辱め
現世は廃れゆくもの河骨も
まつすぐに湖かはほねをささげもつ
河骨やじきに地球は寒くなる
蹲り花河骨に手をのばし 【笑い仮面】
こうほね。蓮によく似た小さい花。その細い茎が骨のように見えたことから、こう命名されたんだとか。
じつは、これまでに、ニ三度、河骨の句は詠んできていたけれど、あんまり出来がわるいからすべて削除した。季語《河骨》には、傍題・子季語がなく、五句詠むのはけっこうしんどかったし。でも、それでは、河骨にたいして失礼だと思いなおし、近くにある沼のほとりで、じっと観察して、詠みあげたのが上掲の五句だ。そんな事情を知らないひとからは、ずいぶんへんなひとだと思われたのにちがいない。
画像:yajifun貼交帳