唇の乾きたるかな寒もどる
 

凍てかへり鶏卵ふたつ吞みにけり
 

茶を点てよ春寒の夕長ければ
 

貝殻のボタンぽろりと余寒かな
 

街の燈のゆらめき寒のもどるらん    【笑い仮面】

 

 

 うう、来ちゃったよ。ようやくぽかぽかしてきて春らしくなってきたなと思っていたら……寒の戻りだってさ。雪が降ってるよ。はんぶんかたしておいたセーターとぱっちをも一度ひっぱり出してきて、こたつのなかでまんまるくなっていたいところ。って、じっさいは、おかんの外科受診のつそいに、朝っぱらからバスに乗ってとなりの町まで行かなくちゃならないんだけどね。

 まあ、この坂をこえたら、ほんとうの春になるんだから、文句ばかり言ってないで、春らしい句のひとつでもひねってみるふんばりを見せないといけないのかもしれないな。

 

画像:鈴木都